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4.訓練期間ー下




「少しでも魔力を増加させる方法……聞きますか?」


 ハロさんが躊躇うように、聞いてくる。もしかして、また苦しい系ですか? あと1週間しか、ここにもいられないので、なんでもドンと来い! ですよ!


 しっかし、死んで転生って、小説とかではワケわからんうちに、強制チート貰って、否応なしに転生、おんぎゃー! ってイメージなんだけど、現実って随分違うんだなぁ。


「ユリさん、また何か別なこと考えてますよね?」


 あら、バレた。すみませんね、ついつい思考に没頭しかけました。


「すみません、ハロさん。少し思考がずれました。それで少しでも魔力を増加ってどうするんですか?」


 そうわたしが聞くと、ハロさんのは得意気に笑って、人差し指で私を指差し叫んだ。


「それは、魔力トレです!!」


 魔力トレ、初めて聞きました。筋トレなら良く聞きますけどね。それと似たようなものかな?


「魔力トレとは、魔力を使うときに負荷をかけたり、長時間大量に消費することによって、少しずつですけど、魔力所有量を増やすことを言います。実はいままでも毎日、魔力トレをしている状況だったんですよ♪」


 まんま、筋トレですね。なら、更に効率的に増やす為に魔力を使いまくった方が良いのかなぁ。


「ユリさんのペースだとこれ以上の効率化は難しいので、魔力トレをするなら、寝る前に枯渇するまでやって、睡眠中は1割程度しか回復させずに負荷をかけ続けるくらいの事をやらないとダメですね♪」


 明るく楽しげに鬼畜なことを言われた。ハロさんも最初の頃に比べたら、随分砕けてきたね。

 輝く笑顔が眩しいです。


 でもさ、それ、かなり自殺行為なんじゃないの?! しかも枯渇って、1割切ったら、吐き気が襲い続けるんですけど!


「ハロさん、いくらなんでもそれは……。起きてから、魔力枯渇状態では、訓練に影響でますよ。無理無理」


 いくらわたしでも、勘弁です。根性なしでごめんなさい。


「それはそうですね。なら、枯渇状態で寝て、起きる時迄にフル回復するようにしましょうか? 回復量増加があるのでそれでも少しは違いますよ♪」


 言外に、なにもやらないのは許さない、とばかりに目だけは笑っていない満面の笑みで教えられた。

 苦しいのは、イヤです! とも言えずに曖昧に返事をしていると、あれよあれよと言う間に今日から訓練が追加されました。おばちゃんは悲しい。


 それから毎日、何故か緊急ミッションが発動し、夕飯前に西棟に行くのが日課となる。癒せる人数はジリジリと増えているけれど、完了したことはなく、日々後味の悪い毎日を送ることとなった。


せめてもっとポーションが使えればと考えていたせいか、日中の複合は、魔力回復ポーションの作製と素材探しに血眼になってた。


 ***


 30日目


 さて、訓練も最終日。今日でお別れです。今日までに、細かい技能がいくつかの増えたけれど、その確認は追々。


 魔力枯渇のまま昨日も寝たせいか、夢見が悪かったけれど、今日も一日頑張りますよ。ノルマに追われる期末デスマーチに比べれば、まだまだいける!!


 複合の行われるフィールドは、ドーナッツ型で中央が火山、外に行くにしたがって、森➡草原➡砂漠➡海となっている。同じくフィールドを10日も歩いているせいか、何処にどんな素材があり、魔物も何処に多くでるのか大体覚えてしまっていた。


 今日は海から螺旋を描くように、駆け足で全ての地帯を回ることにする。火山の頂上で少し残した時間でアイテム作成して終わる予定。

  目につく魔物を虐殺してドロップを回収し、素材を採集をし、また走って移動。

普段の倍は狩ったかな?

予定より少し早く火口についた。さすがに一日走り回ったから、汗だくで息も上がっているけれど、まだ休めない。火口で火属性の魔石と鉱石を回収しなくては。


 滑り落ちるように、火口を下り、途中の少し出っ張った場所でいつものように採集をしようとする。ここでは魔物は出ない。

 いくつかの鉱石を回収したところで、火口から微かな振動が伝わってきた。


 まさか、噴火か?!


 本能的に危険を感じて上にあがろうとしたが、少し遅かった。


 ピンポンパンポーン♪


「最終日のミッションが発動されました♪

これで終わりだと思ってたおバカさん、あっまいなー♪♪

複合コースの子には、近くにフィールドボスが出現します。

アハッ! 頑張って倒してね? 倒せないダメな子には、お・し・お・き♪ だぞ? アハハッ」


 いつもの緊急ミッションのキャピキャピした声でこんなことを言われると無条件でムカつきます。

しかし本当はこういう風におちょくる感じの放送をする為の声なんだろう。絶妙にマッチしていた。


 足の下の火口が二つに割れて、紅い爬虫類が現れた。一瞬ドラゴンかと思ったが、流石にそれはなかったらしい。


 長い首に見事な牙。腕の変わりに生えている皮膜が張った翼。短いが太股は太く、足の爪は長いアンバランスな後ろ足。一抱えもありそうな太さのしっぽ。


 これは、ワイバーン? ただし、びっしりと生えた鱗は金が散った紅で、後頭部から背中に一列に生えた鬣は鱗と同じ紅と金だ。


 初見の魔物は鑑定せねば。急げ、急げ。


 太古なる紅蓮のワイバーン(フィールドボス)

 level 176

 HP:???? MP:???

 詳細:不明

 特殊スキル:絶対者の息吹(炎)、破邪の視線、かみつき、なぎ払い(毒)、押し潰し、火属性攻撃無効、風属性攻撃軽減、土属性攻撃軽減、物理攻撃軽減。


 えー、強すぎではないですかね? 属性攻撃は水をメインに組み立てて、物理は最低限、もしくは武器に属性付与?


 きっついわ! おばちゃん、たった一人なんだぞ。

 これはパーティー攻略必要なボスだ!!

 チェンジを要求する!


 あまりの強さに固まっていたら、ワイバーンに先手をとられてしまった。


 羽ばたき身体を浮き上がらせると、しっぽが風をきって迫ってくる。しっぽの先も爪のような刺がジグザグにはえていて、嫌な予感がするねっとりとした粘液が滲み出していた。


 あれは、当たったらヤバイ!!


 本能的に大きくのけ反って飛びすさるが一瞬遅く、左手の甲に刺が擦った。見る間にどす黒く腫れてくる。痛いと言うよりは痺れが強くそれが無性に恐ろしい。

 左手を凝視していたせいか、状態異常:毒(壊死)の表示が見えた。


 顔を上げてワイバーンの現状を確認する。なぎ払ったしっぽに引きずられたように背中を向け、羽の付け根が正面に来ていた。

 長い首を回し、こちらを向いている顔は、わたしが毒を喰らったのを見、勝利を確信する愉悦に満ちたものだ。


 クソッ、このままやられてたまるか!


 とっさに、一枚目の切り札を切る。


 "トリプルスペル"

古代魔法level7で解放されるその技術は、文字通り、3種の異なる魔法を同時に放つものだ。


 ひとつ目、リフレッシュ。二つ目、バイタリティ、三つ目、羽の付け根を狙ってのウォーターカッター。


 毒を治し、抵抗力を上げ、飛行状態のままではあまりに不利のため、ワイバーンを地面に叩きつける。足場は何とか戦闘に耐えうる広さがある。大きく距離を取ることは出来なくなるが、その分しっぽも壁に当り振り回せなくなるだろう。


 消費魔力は通常よりも増えるけどそんな事言っていられない。

 必死に水の回転を上げて叩きつけた。


 どうか、効いて!


 グギャァァァ!!


 水が当たったら瞬間、大量の水蒸気が沸き上がり視界を塞ぐ。足元に感じる重い振動は、ワイバーンが墜落したもののはず。距離を取るためジリジリと下がりつつ、水蒸気が晴れるのを待つ。むろん、次の呪文も準備している。


 ドッ!


 ワイバーンが墜落したはずの辺りに注意して見ていたら、水蒸気に隠れて、右後方からかみつき攻撃がきた。身体を捻ってかわす。カウンターですれ違い様に全力で氷の剣を叩きつけた。

 一瞬怯んだように見えたが、そのまま私に向けて大口を開けると喉の奥に虹色の輝きが見える。


 ブレス!


 回避も攻撃もこのタイミングでは間に合わない。唱えかけていた呪文の対象を自分に変えた。


 アイス・コフィン。


 本来は対象を氷漬けにして凍死させるその呪文は、瞬く間に私の回りをぶ厚く凍りつかせていく。そしてワイバーンのブレスがきた。どんどん私の氷が溶けていく。ブレスが終わる時には、薄い氷一枚となっており水と氷で視界が悪い。


 腰に下げていた、探索用の鋼剣で叩き割る。


 目の前にはさっきまで炎を吐いていたデカイ口。私が生きている事を不思議に思っているのか、目は瞬きを繰り返していた。


 このチャンスを逃してはいけない。鋼剣を全力で口の中に突き刺す。


半身がワイバーンの口の中だが気にするな! 怯えれば負ける!


 口を閉じられないように、とっさに作った氷の塊を顎の奥に差し込み、更に剣を突き刺す。ガチッと何か固いものに当たりそれ以上剣を進めることが出来なくなった。そこで仕方なく氷轢弾の呪文を唱える。発動場所は剣の先。ワイバーンの体内。全方向に無差別で氷散弾を撒き散らすこの技は、水属性攻撃の中では切り札で、そして自爆技だ。


 鈍い手応えと同時に後ろに弾き飛ばされ、壁に叩きつけられる。…痛い。


 ギィヤァァァぁ…!!


 壁に頭を打ち付け朦朧とする意識のなか、ワイバーンの断末魔が聞こえた。ラッキーなことに心臓を上手い具合に貫いた様だ。これがクリティカルヒットってやつかしら?


 鈍い音をたてて崩れ落ちるその姿を見ながら、氷の散弾を浴びて出来た裂傷と叩きつけられた打撲を癒す。痛みでボーッとしていたら、ミッション終了のお知らせがきた。


「なーんだ、つっまんないのー。

もう勝っちゃったんだ。ざーんねん! ボス弱すぎっ! ダメダメじゃん。

と、も、か、くぅー、勝利おめでと~。一回目で勝てた子には、豪華ご褒美♪ ドロップ3倍&ポイントボーナスプレゼント! やったね♪」


 やっぱりこの声、イラッとするわー。疲れてなければ全力で突っ込んでやるのに! お陰で意識ははっきりしたけどね。

 改めてワイバーンを見ると死体の前に、二つのアイテムが転がっていた。あれ? ドロップ3倍のはず、二つ??


 破邪のサークレット:アンデット系、邪神系を弱体化、滅する効果があるサークレット。弱いながらも邪気を払う効果もある。効果は使用者に左右される。もちろん、良い人の方が効果は高いぞ!


 ポイズンナイフ:壊死毒のナイフ(毒level8)。普通の毒抵抗位なら簡単に殺せる。毒完全抵抗持ち以外の全ての魔物に有効。ただしお腹を壊すから、これで倒した肉を食べるのは止めておこう!


 ワイバーンの死体:原始のワイバーンの成れの果て。解体すれば、その全てが高位素材になる。超新鮮。超美味。成体のドラゴン位にはよい素材なので、使い所を間違えるな!


 鑑定したらなんだか変な説明文でした。幼児番組の体操のお兄さんみたいな文章。

 しかもワイバーンまるまる1匹ドロップ品。豪華過ぎでしょ。

 アイテムボックスに全て突っ込んだ所で時間切れ。

 身体を引っ張られるような感覚が襲うと、目の前には見慣れたホテルのロビーが広がっていた。



「ユリさん、おかえりなさい! ボス撃破、おめでとうございます!! 凄いですね。でも、ユリさんならやれると信じてました♪」


 裏のない笑顔でハロさんが迎えてくれる。こうやって訓練終わりに出迎えてもらうのも、最後かと思うと、じんわりきてしまうな。口を開けば声が震えてしまいそうで、無言で笑って親指を立てる。情が完全に移ったわ。


「うふふ♪ ユリさん、今日のご飯はユリさんのお袋の味を特別に準備したんです。お風呂に入って着替えたら、食堂でゆっくり食べましょうね♪」


 あ、ハロさん、それ反則。

 視界ぼやけてきちゃいましたよ。

 とりあえず逃げよう。

 高速で頷くと、通いなれた廊下をたどり部屋に入る。ビジネスホテルのシングルのような作りの部屋に、備え付けられたお風呂だけは、少し豪華で足を伸ばしてゆっくり浸かれる。

 のぼせるほど長めに入り上がったときには随分時間がたってしまっていた。


 手早く備え付けのだぼだぼとした部屋着に着替え食堂に向かう。食堂ではハロさんが準備万端整えて待っていてくれた。


 普段は私一人分しかない食事だが、今日は向かいにもうひとつ取り皿がある。


「あれ、ハロさん、それ?」


 ハロさんは食事の必要がない。だから誰かくるのかな? と疑問に思って質問したら、答えの変わりにハロさんは席に座った。


「今日は、ご相伴に預かろうかと。構いませんか?」

「もちろんですよ! ハロさん、ずっと一人の食事で寂しかったんです。ここにはハロさんと私の二人だけです。一緒に食事が出来て嬉しいです。」


 食事は和やかに進んで、私は死ぬ前の思い出を、ハロさんは私のサポート以外の時間のことを、お互いに興味深く、楽しく話した。時折流れる沈黙は、お互いにこの時間が終わるのを惜しんでいるのだと思いたい。


 食事も終盤に差し掛かったとき、また、あのキャピキャピの放送が流れた。


「緊急ミッションです! 西棟に多数の負傷者及び、近隣まで魔物の大進行が確認されています! 速やかに移転後、魔物の殲滅、負傷者の治癒に当たってください!! 今回はアイテムボックスの使用を許可します!! 繰り返します、速やかに殲滅と治癒を行って下さい!!!」


 バカにした口調ではなく、シリアスモード。余裕がない。


「え……なんで? 今日は緊急ミッションないはずなのに! なんで? なぜ、発動したの?!」


 ハロさんが呟く内容も気になるけど、今は緊急ミッションが優先かな。今まで制限がかかっていたアイテムボックスも解放されるし、今日は全力でやれる。それだけキツい状況ってことでもあるけど。


 隣のテーブルにアイテムボックスから取り出した新しい装備を並べ、ダボダボの部屋着の上から手早く身に付ける。転生後の身体のサイズとかわからないから、まだフリーサイズの最低限しか作ってないんだよね。失敗したかも。


 胸当て、手甲、ブーツ、回収できなかった愛用の鋼剣の変わりに、さっき手に入れたポイズンナイフを腰に差す。


 訓練中は装備も勝手に変更になっていたから、私が材料を集めて作ったこれらを装備するのも初めてだ。魔力回復ポーションも大量にあるし、食べられるドロップ品やその他の薬の在庫も大丈夫。


 今日こそ、完全に治すぞ!

 自分に気合いを入れて、振り向く。


「ハロさん、行ってきますね。食事の続きはまた後で。頑張ってきます」


 まだ混乱していたハロさんは、私の声に反応した。


「御武運を。サポートはお任せください!」


 うん、いい笑顔です。




 ホワイトアウトしていた視力が回復すると森の上空にいた。少し先には、撤退してくる軍団とそれに襲いかかる魔物の群れがいる。後ろを振り向くと、遠くに石造りの塔が小さく見え、恐らくあそこがいつもの西棟なのだろうと、当りをつける。


『ミッション、侵攻してくる魔物の殲滅をせよ! 目の前の軍団を守りつつ、魔物の殲滅をしてください!』


 ひとつ目の指示が来る。

 魔力はフル回復済、体力も大丈夫。

 目を凝らし、魔物の種類と数を確認する。

 ゴブリン、オーガ、オーク……あれはゾンビ? 妙に軽快な動きをする痛んだ死体がいる。

 後方には、リッチ、ポルターガイスト。あとよく分からないイキモノたち。


 しんがりを勤めている部隊に、魔物の後衛から魔法が飛ぶ。土煙が上がり、人と馬(?)が宙に舞う。


 冗談の様な光景だが、現実だ。


 これ以上、やらせはしない。

 高速飛行呪を唱え、魔物達の上空にたどり着く。


 高度をとり、アイテムボックスから大岩を取り出し、重さで持てないそのままに落っことす。フィールドワークの間に、大小様々な石を入れておいたから、弾薬は大量にある。


 ゆけ! これぞ、お約束、メテオ・ストライク(物理)!!


 次々と岩を落として、魔物の足が止まったことを確認し、私もまた地上に降りる。同時に複数の魔法を発動し、制御する事も可能だけれど、使える魔法に制限がかかってしまう。それに、これだけ目立てば、しんがりの部隊よりも私を狙うだろう。


 見渡す限りの敵を前に本能的に恐怖を覚えるが、どうせ誰にも私の表情なんぞ見えていない。

 輝く人影になるのは恥ずかしいが、こういう時は便利だ。


 おや、しんがり部隊から何人かこちらに向かってきたよ。

 後の部隊は、負傷者を守りつつ、撤退するようだ。


 魔物たちの進撃が始まったから、返しのついた槍?のようなものを、進行方向に出現させて移動の邪魔をする。勢いのついて止まれなかったものや、後続に押されたものが突き刺さる。

 野太い悲鳴が響きわたり、辺りを震わせた。


 戦況を睨みながら次の手を考えていたら、すぐ近くまで先程の兵士たちがきていた。

 角の生えた馬から飛び降り両膝をつく。先頭の人は頭を下げるだけだけど、後ろにいる二人は土下座スタイルだ。何故!?


 あー、すみません、今の私は輝く人影でした。

 こっちの人達の認識では、神人の写し身。神さまの代行者。

 そりゃ、膝もつくわ。

 ただのおばちゃん、しいて言うなら、死人なんだけどねー。


 何か訴えていらっしゃいますが、すみません。音、聞こえないんです。


 これ以上負傷者増やしたくないし、この人たちを守りながら戦うとか無理ゲーなんで、お引き取り願おう。


 後ろの人の片方に見える、しっぽとケモ耳はすっごい気になるけど、もふりたいけど、ぐっと我慢の子です!


 注目を引くように軽く手を振り、西棟を指差す。彼らが動き出すまで、腕はそのまま。顔だけをチラチラと敵に向ける。


 これでわかってくれるといいな。

 ……わかってくれたみたいです。深々と一礼して、三人とも去っていきました。


 さて、では随分お待たせしましたが、殲滅戦に移りましょ。思えば、リッチとかポルターガイストとかって、アンデット? なら、今日のもうひとつのドロップが使えるね♪


 頭装備は元々空いていたから、迷わず装着。破邪のサークレット♪


 うぉ、効果高っ! 近くにいたものでレジスト失敗したのはそのまま消滅したし、レジストしたレイスとかも、動きが明らかに鈍くなってる。一部は逃げていってるし。


 サークレットの効果だけに頼っている訳にもいかないし、本日2回目、トリプルスペル行きますか!

 効果上昇、範囲増加の強化大盤振る舞いバージョン。ポーション使えるし、豪勢にいきますよー!


 ***


 片っ端から攻撃魔法でこんがり焼いて、切り捨てて、移動する度にサークレットの効果範囲に入ったアンデット達を滅する。

 魔物の軍団を半分位倒したら撤退し始めた。再度、翔び上がり、逃げ去る敵にメテオ・ストライク(物理)で追撃をする。


『ミッション終了。侵攻してくる魔物の殲滅。完了しました。

 続いて、ミッション、負傷者達を癒し、神の慈悲を示せ! が発動しました。速やかに移動し、治療を始めてください。』



 本題来ました。頑張るぞ!!






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