表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
232/250

【もやっと注意!】エンドロール後に流れるオマケ的なもの

えーっと、読んでもクレームには応じませんよ?

自己責任でお願いしまーす。(開き直りました)

 リベルタ年鑑

 ・

 ・

 ・

 11年 ペンへバン滅亡。

 ・

 ・

 ・

 37年 テリオの国と国交を樹立。

 ・

 ・

 ・

 49年

 護国将軍ジルベルト ハヤセ湖畔の戦いにて戦死。


 同年

 新生赤鱗騎士団 アイク 護国将軍に任命される。

 ・

 ・

 ・

 51年 初代女王リュスティーナ、世界の盟主となる。

 ・

 ・

 52年 宰相アルフレッドが従者オルランド死亡。


 59年 女王の料理番 ダビデ死去。


 60年 女王、狩人グイドとの婚礼を行う。

 ・

 ・

 ・

 ・

 85年 初代女王リュスティーナ退位。

 同年 一子、グレゴリオ即位。

 ・

 ・

 ・

 ・

 97年 勇者ハルト、境界の森攻略を失敗。戦死。

 同年 宰相アルフレッド引退。

 ・

 ・

 ・

 ・

 113年 初代女王リュスティーナ、最後の境界の森、「始まりの地」攻略を発表。


 114年 「始まりの地」解放失敗。初代女王リュスティーナ死亡。

 殉死者、初代宰相アルフレッド他、新生赤鱗騎士団 42名、臣民 23名。

 同年 新生赤鱗騎士団解散。

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・



 紙を捲る乾いた音が静まり返った部屋に響く。遠くから人が近づくざわめきを聞き取り、書籍から目を放した。


「このオルランドって何者だったのかしら。一介の従者、しかも宰相の従者なのに、国史に載るなんて……」


 長く平民には隠され続けた国史を読み続けた聖女は、凝り固まった首をゆっくりと回しながら立ち上がる。


「今戻った」


「お帰りなさい、陛下。ラン様もお疲れ様」


 聖女は柔らかく微笑んで仲間達を迎え入れた。


「ナディア、陛下って呼ぶのはなしだぜ」


「そうそう、聖女様に様付けで呼ばれるなんでわたい、困っちまうよ」


「それでナディア、気になっていたことはわかったか?」


 ()()()()()()勇者王。そしてその妃たる聖女王妃と、賞金稼ぎ出身の妃。三人の視線が交わる。


「私たちが滅ぼしたリベルタが、唯一手出し不要とした「始まりの地」。それに関しての記述はほとんどなかったわ。初代女王と勇者様の記述を探せば何か分かるかと思ったんだけど……」


 聖女は残念そうに首を振った。


「気になるよな。初代女王の生まれ変わりとも言われていたあの女王の警告。「始まりの地」に手を出すな……か」


「それでも始まりの地を守るために、戦士達は中央に集められ、わたいら庶民は重税に苦しめられた!! 始まりの地に何があるっていうのさ」


「ああ、そうだ。両親は税を払う為に無理をして死んだ。村の多くが餓死しても中央は気にもしない。だから、俺にこの剣が下された」


 勇者王は腰に下げた剣を叩く。


「ガラドボルク。リベルタ建国に尽力した勇者の剣。神はリベルタを見捨てた。だから俺達が圧政を打倒して、新たな国を作れたんだ。

 この剣さえあれば恐れることはない」


「でも、聖騎士と魔法使いでもある陛下の妹君はまだ行方不明。私達三人で倒せるのかしら?」


「始まりの地には、魔王がいるとも、魔物の母がいるとも言われてる。それでも世界に平和をもたらすならば、滅ぼさなくてはならない。この国で古い価値にしがみついていた連中のように」


 迷いない瞳で決意を語る勇者を熱い視線で眺める二人の妃は、突然扉を叩かれて舌打ちしそうになった。


「失礼致します!!」


「何事です!」


 叱責に近い妃の声に怯えて、身構えた兵士だったが、それ以上に切迫した状況だと思いだし報告した。


「始まりの地が溢れました!!

 スタンピートです!!」


「なんだと!?」


「なぜ? リベルタ建国から700年近くに渡って、溢れたことなどないのに!!」


「陛下、どうするの?!」


 悲鳴を上げる三人の耳が、城下町から響く悲鳴を拾う。


「もう来てるのか?!」


「飛行系が既に城下を蹂躙し始めています。部下を送ってはいますが、我々では手も足も出ません!」


「俺が行く!!」


 そう話してバルコニーに飛び出した勇者王は、眼下に広がる光景に息を飲んだ。


 遠く森から溢れ出す魔物は黒い津波のよう。

 上空を旋回する翼ある魔物は、無防備な国民達を戯れに拐い、上空から落とす。


「……新たな王よ」


「何者だ?」


「我々が何であろうとも、影響はない」

 

 フードで全身を隠したその者は嘲る。


「古き盟約に従い警告に来た。

『始まりの森』はミセルコルディアの最後の領土。これを滅ぼす事を我らが陛下は望まれたが、リベルタは己の生活の質を守るために拒絶した。

 ミセルコルディアを滅ぼせば、魔物は消えドロップ品も消える。魔物を憎みながら依存する勇者王よ。愚かで卑怯な人間よ。

 リベルタを滅ぼしたお前が次の選択をしろ。

 共存共栄か、はたまた決別か」


「何者だ!」


 勇者の剣をかわした影は、そのまま空に溶けるように消え去った。


「陛下!」


 城下を助けてくれと悲鳴を上げる部下に頷き、騎馬であるペガサスを呼ぶ。


「御武運…………え?!」


 王を送り出そうとした兵士はありない光景に目を疑った。


「ねえ、あれ!!」


 それに気が付いたラン妃が森と街との間を示す。空に向けて溢れ出す、黒い大蛇と見誤る魔法。それは確かに勇者の妹が得意とする失われた魔法『虚無塵』だ。


「黒蛇の魔法。

 ジェシカだ!!」


 城下に向かう魔物に向けて、リベルタの女王を討ち取ると同時に消えた世界最高の魔法使いたる妹の、最強魔法が猛威を振るっていた。


「何やってんだよ、あいつら」


 妹がいると言うことは、妹を己の命よりも溺愛している聖騎士もいると言うことだ。広域破壊の名手と、鉄壁の防御を誇る聖騎士。このスタンピートを何とかする為の道筋が見えた勇者王は、笑みを浮かべた。


「妹達と合流する!!

 国民は避難させろ!!」


 王の命令を受けて動き出す兵士たちに誘導を任せ、()()()()()()()()()()()()()勇者はミセルコルディアとの戦いに身を投じた。





(C) 2016 るでゆん

という訳で、本当にこれでおしまいです。少し休んでから、前書き、後書きを消す作業や、誤字を直す作業をしますが、本編に変更はありません。


長い間のお付き合いありがとうございました。

(気が向いたら、色々頂いていたネタを含めて、裏話をコソッと更新します)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ