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189.ただ結果を待つだけなのが辛い

 フォルクマーに率いられた一団が、外壁の扉を抜け森へと進んでいく。この前、うっかり敬称なしで呼んだら、それ以降ほとんどの人から呼び捨てを求められた。貴族制度もない今の状況で敬称ありは不味かったらしい。


「陛下……、そんなに心配されずとも大丈夫ですわ」


「ええ、夫も出撃しておりますし、相手の三倍の兵力を動員されたのでしょう? ラインハルト様も協力してくださり、地の利は我ら赤鱗にあります。そのような憂い顔をされては兵士達の士気にかかわります。

 大丈夫ですわ」


 アガタとジルさんを見送りに来たイングリッドに慰められる。外壁の中には見送りに来た赤鱗の家族達が騎士団に手を降っていた。


 最近、イングリッドさんはイルザちゃんを連れてよくアガタと一緒に働いてくれている。


「どうして私が出ちゃ駄目なのよ」


 何度目かの文句が口をつく。ケトラの兵がこの土地に迫っていると報告を受けた時には、当たり前に私が前線に立つつもりでいた。


 報告ではケトラの兵はおよそ三百。その他に露払いの戦闘奴隷が百。近隣から動員されたと思われる物資を運ぶ非戦闘員が五十。合わせて四百五十人の大集団だ。


 リベルタの兵力を数十と見積もった彼らとしては、十倍近い兵力を動員したと言うことだ。全ては境界の森を解放した私を討ち取る為だろうとアルフレッドは判断した。


 対する私達は一五〇〇名の出撃を決める。私が出るならば最低限の護衛だけ連れて、遠隔魔法で爆撃して終わらせるつもりだったけれど、王の出撃は認められないと突っぱねられた。


 今はまだこちらの兵力を知られたくないけれど、それ以上に彼らに消耗して欲しくなかった。今回の戦いだけで終わりはしないだろうから。だから渋るフォルクマーとアルフレッドを説得して、過剰とも言える戦力を動員した。


 最悪、コソッと移転で闇討ちにするつもりの私を止めたのは、命をかけるはずの赤鱗騎士団だった。腕の見せ所と笑う彼らに、そんなに自分達は頼りないかと言われて返事に困る。


 リベルタを建国して二ヶ月たった。その間、断続的に境界の森の魔物と戦い続けた彼らは強くなっていた。


 どれだけ成長したか見て欲しいと、フォルクマーとジルさんに頼まれて私は諦めた。


 そして、今日、境界の森まであと一日に迫ったケトラの兵に向けて出撃を指示したのだ。


「どうか、無事で」


 祈るように呟く私に、アガタがとうとう我慢しきれないと息を吐いた。


「心配しすぎです。

 大体、精鋭とも言えぬただの兵士に、同数の騎士団を当てるだけでも過剰です」


「おっしゃる通りですわ、イングリッド様。それなのに、心配性の陛下はかなりの数のポーションを下賜されたでしょう。あの者達も感動にうち震えておりましたよ」


「誰一人として死んでほしくないからね。それに、今回、ラインハルト達半魔の人々も出るでしょう。心配だなぁ」


「それこそ心配ありません」


 断言されたけれど疑わしいわ。


「疑っておいでですね。陛下、よくお聞きくださいませ。我々半魔はそれほど弱くはないのです。ただ平和を享受していたが為に鈍っていただけですわ。戦うことなど何も産み出しません。ただひたすらに面倒ですもの。

 陛下が来られる前、レイモンド村長不在の時は自分達の身は自分達で守っておりました。不活性化する前のこの森で、我らは生き抜ける程に強いのです」


 大丈夫と太鼓判を押すアガタにイルザちゃんが尊敬の眼差しを向けていた。


「陛下、そろそろ中へお戻り下さい。クレフ殿、クルバ殿との打ち合わせがございます」


 去っていく赤鱗騎士団と半魔の連合部隊を名残惜しく見送っていたら、外壁に上がってきたアルフレッドが話しかけてきた。


 すかさず宰相に対する礼をとる三人に外壁を降り、隠れ家に戻るように声をかけた。


「まだ危ないしね。それに魔物を荒れ地近くに誘導したせいで、この近くにも随分来ちゃったみたいなんだ。全部終わって駆除が終わるまでみんな、気を付けてね。留守番の私達に怪我人が出たなんて、笑い話だからさ」


 にっこり笑って、三人と別れる。冒険者達にも注意して欲しいから、クレフおじいちゃん達を呼んだんだよね。




 話し合いは簡単に終わった。そもそも、魔物の移動の時から、警告は発されていたらしい。


「それよりも陛下、次の移住者はいつここに到着させれば良いかね?」


 私の目配せを受けて、最低限の人員以外、謁見室から退出した。みんな慣れてきてるねぇ。


「それなんですけど、少し時間を貰えませんか?」


 私がいつもの口調になった事をきっかけに、腹を割った話し合いになる。


「何故じゃね? 本部との絡みもある。こちらとしては出来るだけ移動を急ぎたいのじゃが」


「今回来るのは、職人や商人を中心とした者達だ。街を作るのに必要な物質も手配している。急いだ方がこの国の為にもなるだろう」


「戦争中なもので」


 身も蓋もない言い方をする。びっくりしたように片眉を上げるクレフおじいちゃんに説明する。


「負けたら危ない目に合わせるだけなんで、落ち着くまで待ってください」


「そんな事を気にしていたのか」


 クルバさんが呆れている。


「それよりもこの国が負けない為に、さっさと移住者を受け入れろ。今の段階で、希望者は万を超えた。半数以上はは戦える冒険者だ」


「だからそんなに受け入れたら、食料が足りなくなります。それに治安だって」


「新たに生まれる数万の商圏。商人達も我先にと来るだろう。治安に関しては、冒険者達の手綱は取る。心配するな」


「商人は?」


 低く問いかけると、二人とも虚を突かれたようだ。


「陛下は商人に支配されることを恐れておいでです。他国の者に経済を握られた国に未来はないと。そして同じ理由で文官を外から入れることに警戒されています」


 アルフレッドの補足説明を聞き、続きは私が話した。


「複数の商人を常に競争させて、適正な価格と影響力を維持させる。一気に人数が増えると、それが出来なくなる。誰かに依存してでも国を維持させなくてはいけなくなる。それでは危険です」


 当然の事を話しただけなのに、なんでかびっくりされている。


「それに今の街道は戦争中で危険ですから、歩いては来られませんよ」


「何じゃね、まだ、知らなかったのか?

 モニュメントが出現したからのぅ。儀式を行えば大規模移転が出来る。赤鱗の巫女や神官に聞いておらんのか?」


 驚くような内容を言われて、アルフレッドを振り向いた。


「我々が移転の準備をしたとしても、受ける相手側がおらねば意味はありません」


 アルフレッドは知っていたらしく、動揺する事なく答えていた。


「ふん。何を言うかと思えば、我々は冒険者ギルドじゃよ」


 腹立たしいと言わんばかりにクレフおじいちゃんが鼻を鳴らした。


「冒険者ギルド? あ、そっか」


「ああ、我々からの要請であれば多くの神殿は移転を受け入れる。特にクレフ老の影響力は強い」


 こりゃ、うまく断らないと本気で一気に来られるな。


「隠れ家の受け入れ限界もあります。私の魔力を代償に部屋数を増やしています。これ以上はこの国の防衛に支障が出ます」


 まだ余裕はあるけど、そういうことにしておこう。


「ならばやはり到着は急ぐべきだろう」


「うむ。さっさと家を建てねばならんな」


 うーん、引かないなぁ。


「陛下、ここは冒険者ギルドの申し出を受けるべきかと」


 控え目にアルフレッドは提案する。私が断りたがっているのを知っているのに、なんでそんな風に言うのだろう。


「今回は負けるはずがない戦いです。赤鱗には出来うる限り生け捕りにして来るように申し付けました」


「初耳……」


 初めて申しますからと、しれっと話すアルフレッドを軽く睨む。誓約はどうなったんだ、一体。私に仕えるんじゃなかったのか。勝手が過ぎるぞ。


「それはなんで?」


「使い潰せる労働力はこの国では貴重ですから」


「潰さないで」


 何も考えずに言い返す。使い潰してどうする! 確かに働き盛りの人手は貴重だけどさぁ。


「そう申されましても民の犠牲を嫌がる陛下のお心を守る為には、必要な犠牲です」


「ふむ、宰相殿もそう言っているし、出来るだけ早く移転の手配をしよう」


 決まった風に言い切られて、心底不思議そうなアルフレッドからクレフおじいちゃんに視線を戻した。


「構わんじゃろ。

 大丈夫じゃよ。護衛は最初に来た冒険者達で行う。冒険者ギルドを建てた後は、宿屋と個人の住居かのう。区画割は既に決まり、道の整備は赤鱗の者達が進めておる。水は近くの湧き水をひく事になっておるし、小川も見つけておる。

 ティナちゃんや、わしらとしても一刻も早くこの地の冒険者ギルドをきちんとした形にしたいのじゃよ。この地のドロップ品の質は良く、冒険者達もやる気に溢れておる。

 じゃから人と物資を運ばせておくれ」


「……そこまで言うなら。でも、本当に安全は保証できませんから、それだけは来る人達に徹底してください」


 以前この廃墟には十万近い人数が住んでいた。広さ的には何とかなるだろう。公共インフラの整備を急がなくちゃ。


「日程の調整は、巫女や神官の予定もあるでしょうから、そちらと打ち合わせてください」


 うーん、本気で内政官が欲しい。アルフレッドと私だけで回すのがキツくなってきている。


 早ければ明日にもここに移転させると気合いを入れるクルバさんにやる気のない激励を贈る。お礼を言って連れだって帰っていくクレフおじいちゃん達を見送った。


「内政官ですが……」


 そんな私の思考を読んだのだろうか。凄くタイムリーにアルフレッドが切り出した。


「心当たりあるの?」


「昔、我が家に仕えてくれていた者がおります。その者達の多くは公爵家の没落と同時に領地を追われました。元々厳しかった生活ですが、ゲリエの敗北で更に追い詰められたようです。一部は混沌都市の貴族としての役割を補助させておりますが、まだまだおります。

 一部は放逐の際にオルランドの手の者達の保護下に入っております。いま、その者達はこちらに向かっております。

 その他の行方がわからぬ者達も探させておりますし、奴隷落ちした者達に関しては探索をアーサー殿にお願いしました。彼らが見つかれば即戦力となりましょう。我々が信用できぬとおっしゃられるのならば、全員に隷属魔法をお掛けくださってかまいません」


「へえ。あー、もしかして商人に心当たりってその元お抱え商人さんとか? オルランドの帰りが妙に遅いと思ったらそんな事してたんだ。

 もし嫌じゃなかったら冒険者ギルドの移動と一緒に神殿間移転に便乗させてもらえば良いんじゃない。

 でも何で今報告したの?」


「お疲れのご様子と拝見いたしました。今しばらくご辛抱を。それと……」


 躊躇い途中まで言いかけたアルフレッドに先を続けるように促した。


「戦争などで夫を失った妻子を受け入れてはいかがでしょうか?」


「なんで? 戦えない人達が増えるのは危険じゃないかな」


「だからこそです。子供を持つ母は強い。そして生活が困窮している者も多い。その中で若くそれなりの教育を受け、文字が読める者を文官見習いとして受け入れてはどうかと。

 この地への忠誠も高まりましょうし、自力で他所にいく事も難しい。育てば任せられる事も多くなりましょう。

 今のままでは男女の数に差が出ますので、その解消にも一役買うかと思われます」


 しばらく考え込んだ。確かに知識はあるけれど戦えないご婦人達なら、内政官として戦力になってもらえるかなぁ。でも下心ありすぎじゃない?


「……保留で」


「何故でしょうか」


「子を持つ親ならば、こんな危険な場所には来たがらないよ。それに文官見習いとするなら教える立場の人がいるでしょ。今のウチにそんな余裕はないよ。そもそもまだ大枠すら決まってないんだからさ」


 もっともらしい理由をつけて断った。そのうち男女数も調整する政策を打ち出さないとな。でも望んでいない人を弱味につけ込んで誘い込むのはごめんだ。


「かしこまりました。では今暫し我々二人で内政を回すことになります」


「頑張ろうね。体調だけ崩さないでよ。今、アルフレッドに倒れられたら大変だからさ」


「光栄に思います」


 実質、赤鱗の街はファウスタさんに任せているけれど、それでも国の舵取りは私達の肩にのし掛かってきてるからね。特にアルフレッドの負担は大きいだろう。早く落ち着かせて休ませないと、倒れられそうで恐ろしい。







 翌日、ダビデの朝ごはんに舌鼓を打っていると、神殿間移転の準備が整ったという報告を受けた。昼前には移転させるらしい。立ち会いを求められたから快諾する。今回は千人単位でやってくるらしい。世界各地から集められた職人達が事前に神殿間移転でデュシスに集結し、リベルタに来る日を心待ちにしていたのだと教えられた。




「陛下、お出まし頂き感謝いたします」


 ジルさんに先導されてモニュメントのある天幕の前に着いた私にクレフおじいちゃんが挨拶する。居残り組の赤鱗騎士団員、第三師団長を、初めとするメンバーが回りを囲んでいた。


「いえ、まさかこんなに早いとは思いませんでしたが」


 苦笑しつつ儀式が始まるのを待つ。

 結構頻繁に神殿間移転って行われていたんだね。天幕の前で馴れた雰囲気で準備を整えた赤鱗の巫女さんと神官さんが合図をすると、一人目の移住者が現れた。モニュメントから多少離れても出入口は開けるらしい。


「よう! 久々だな!!」


 私の顔を見て、昔と変わらない口調で呼び掛けられた。


「ジョン! 失礼ですよ」


 続いて馬車に乗ったまま現れたマイケルさんがジョンさんを窘めている。馬車の後ろには沢山の荷物と、見たことがない三十代の女の人と少女が乗っていた。その奥にも誰かいるな。


 待機していた騎士団員の誘導に従ってマイケルさんは器用に馬車を操っている。今回は荷物も多いから、外壁に守られた街に大きな場所を準備した。


「お久しぶりです、ジョンさん」


 ヒョイヒョイと身軽に私に近づいてきたジョンさんに挨拶する。その間にも次々と馬車やら荷車やらがこの地にやって来ていた。


「オーイ、ティナ、お前はもう女王なんだろ? 先に挨拶してどうする。こういう時はな、もっと勿体ぶれ。

 まずはそうだなぁ……、ほれ、そこにいるゴツい狼獣人にでも行く手を遮らせてだな、こう誰何するんだ。

「陛下の御前に進むのに頭を下げないとは無礼なやつ。何者だ! 名を名乗れッ!!」

 王サマたる者、ふんぞり返って見下ろして。こうじゃなくちゃいけないぜ。何、ゆるーく返事をしてんだよ」


「勘弁してくださいよ、ジョンさん。

 頭蓋骨砕き(スカル・マッシャー)さんは私の世話係ですよ。そんな人に尊大になんて出来ませんって」


 相変わらずの非常識規格外娘かよと笑うジョンさんを招き入れた。


「ジョン……」


 頭が痛そうなクルバさんの声がする。


「これはこれは、マスター・クルバ。またお世話になりますぜ。よう! ジルベルトもいるじゃねぇか、すっかり立派になりやがって。元気だったか」


「ジョン、礼儀を弁えろ」


「久しぶりです、ジョン殿」


 私の護衛として礼儀正しくしているジルさんを巻き込みじゃれ合うクルバさんとジョンさんを見る。遠くから馬車を止めたマイケルさんが、知らない二人を連れて歩いてきた。


「陛下、またお目にかかれた事恐悦至極にございます。ここに謹んで建国のお祝いを申し上げます」


 ジョンさんの対応の後に、この挨拶。周りがびっくりしているよ。冒険者といっても十人十色。特に同じパーティーですらこれだからねぇ。驚きもするよね。


「こんにちは、マイケルさん。お変わり無さそうで何よりです」


「どうかマイケルとお呼びください」


 深々と頭を下げたまま話すマイケルさんに苦笑を浮かべた。


「やめてくださいって。でも驚きましたよ、まさかジョンさんとマイケルさんが来るなんて思ってなかったです。

 デュシスは大丈夫なんですか?」


「問題ねぇよ。あっちはケビンとアンナが上手いことやってる。マリアンヌやサーイもいる。磐石じゃねぇが、心配はいらねぇ」


「ふふ、相変わらずですね、ティナ」


「ところでそちらは?」


 私が尋ねたのは、初めましてのご婦人達だ。顔立ちが似ているから恐らく母娘なんだろうとは思うけれど、ジョンさんにもマイケルさんにも似てないなぁ。


「カインの妻子です」


「カインさんの?」


「ええ、女だけで生き抜くのは難しい。デュシスで冒険者ギルドの職員となる道もありましたが本人達が嫌がりました。それ故この土地に」


 無言で頭を下げる二人を見つめる。そっか、この人達がカインさんの……。


「初めてお目にかかります。この地は望む者は全て受け入れると聞きました。どうか私ども母娘も受け入れて頂きたく思います」


「ようこそ、リベルタへ。

 あなたの夫であるカインさんには大変お世話になりました。常識的な方だと思っていたのですが、付き合っていると案外お茶目なところもあって……本当に惜しい人を亡くしました。

 ご冥福をお祈りいたします」


 しんみりとした空気が流れる。


「ニーナは俺の店で働いてもらう予定だ。どうぞご贔屓に」


「店?」


「おう、俺達スカル・マッシャーは引退したからな。俺は妻と一緒に酒場を開く予定だ。もちろん認めてくれるよな?」


「おー、初めての酒場!

 ならいっそのこと宿泊施設もつけましょうよ」


 ジョンさんが開く店なら妙な心配をしなくていいしね。一石二鳥だ。


「おいおい、俺達には無理だよ。宿屋は他にもやりたいやつがいる。そのうち商店を開きたい連中で陳情に行くから楽しみにしとけ」


「陳情ってそんな大袈裟な」


「どこが大袈裟だ。代表になりそうなヤツらもこの後移転してくる。お前の国ならって、みんな気合いが入ってるからよ。せいぜいゆるーい支配をしてくれよ、へーか」


「……私は私塾でも開いて子供に文字でも教える予定でしたが、しばらくは魔法使いとして建築を手伝いましょうか」


 マイケルさんは私塾かぁ。ん? 待て待て、なら鴨ネギじゃないか!!


「マイケルさん!

 ウチで是非働いてください!

 小学校の先生として! 

 文官としてでもいいですよ!!

 今なら、授業内容については相談に乗りますし、お給料も待遇も考えます!!」


 人間だけど獣人にも抵抗なくて、もしもの時には戦える。知識もあって冒険者としての経験も豊富。Aランク冒険者としての国のお偉方とも会ってきたからおそらく礼儀作法も知っているだろう。

 それより何より、信頼の出来る人柄だ。

 こんな条件のいい人、逃がしてたまるか!


 驚くマイケルさんの服の裾をがっしりと掴んだ。





(C) 2017 るでゆん

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