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11.市場へ続く道

 総出で手早くヘル・ハウンドのドロップ品、野犬の牙や毛皮を集め、森から離れた。全員に中位回復薬(ハーフポーション)を使用して全回復している。


 ギル達の生き残った三人は武装解除され、縛り上げられている。特にキャサリンについては、揺れる馬車の上なのにも関わらず、刃物まで向けられているが、同情は出来ない。


「フゥ、もう、ここまで来れば大丈夫じゃろ。改めて、ティナちゃんや、すまんかったのぅ。少し待っていてくれと言っただけなのに、すっかり世話になってしまった。魔法にポーションにと小さいのに大活躍だったのぅ。ありがとうよ」


 好々爺といった笑顔でクレフさんがお礼を言ってくる。ケビンさんパーティーのメンバーも口々にお礼を言ってくれた。

 ケビンさんだけは表情が暗いなぁ? 何かあったのかな?


「さて、ティナちゃん、ポーションのお礼をせねばならんのぅ。昨夜の解毒薬のこともあるし、正直儂らはどれ程支払ったらいいかわからんわい」


「解毒薬……?」


「ほれ、キャサリンに眠り草……」


「あー、ありましたね。そんなことも」


 素で忘れていた。ポンと手を叩き思い出した事を伝えると、大人組がため息をつく。いや、まだ1日たってないのに、内容が濃すぎて忘れてただけなんですって。


 クレフさんに遠慮しているのか、基本的に会話の相手はクレフさんか、パーティーリーダーのケビンさんだ。


「ティナ嬢ちゃん、しかも俺が森から戻ったときに使ったポーションは高位(フル)だろう。正直、今の俺の蓄えで支払えるとは思えない」


 暗い顔のまま、首をふり謝る。

 ケビンさんを治したのがフルポーションだと聞いた他のメンバーは気がついていなかったのか、固まってしまった。


「ティナちゃんや、儂からも頼む。

 ケビンたちへの請求はおまけしてくれんかね。

 こやつらは、これでも大事な熟練の中堅パーティーでな、借金奴隷としてケビンが売られでもして、パーティーが崩壊することになると、デュシスの冒険者ギルド、しいては町全体が困ってしまうんじゃ。頼むよ」


 二人から頭を下げられ、私こそ困ってしまう。ポーションは売るつもりではなくて、そもそも戦闘に必要だからあげたつもりだった。大人組の深刻さが理解できない。そもそも、ポーションの値段なんて知らんがな。


「え、いや、あれ、プレゼントのつもりで。そもそも勝って貰わないと私も死んでたし。お母さんから貰ったものだから、別に。もしもの時用でしたし、必要経費っていうか…」


 しどろもどろに言うと、今度は周りから総非難された。


 いわく、


「ウソだろ、嬢ちゃん、あれプレゼントってどんだけだよ!取るものとらないと、骨の髄までしゃぶり尽くされるぜ!」


「魔法にしろ、アイテムにしろ、技術には対価を求めるものです!過ぎた慈悲は身を滅ぼしますよ!」


「頭でも打ったんじゃないか?大丈夫か?」


「ティナちゃんや、もしかして、今までほとんど他人と接触しない生活をしてきているのかね?危機感が皆無じゃ。」


 等々。最後は心配されてしまった。うーん、どーするか。

 なら定番のこの逃げ方で行ってみましょう!


「なら、お渡ししたポーションを対価に、私を安全にデュシスまで送ってくれるというのはどうですか? 熟練冒険者のケビンさんたちを雇うのなら、足らないくらいではありませんか?」


「嬢ちゃん、それでも貰いすぎだ。この距離ならハーフとマイケルが貰ったマナで十分だ」


 頭を抱えたまま、ケビンさんが呻く。えー、ポーションってそんなに高騰してるの?


「じゃぁ、道すがら色んな話を教えて下さい。デュシスに着いたら駆け出し冒険者の予定ですから、安くて美味しいお店とか、子供(わたし)でも泊まれる安全で綺麗な宿屋とか」


 にっこり笑っておねだりする。

 ……小さな声で大人組が道々追加でどんな礼が出来るか考えようとか話していたけれど気にしない!

あと、盗賊のジョンさんが、何処が駆け出しだと吹き出していたのも聞いていない!


「それよりも、その3人はどうするんですか……?」


 露骨に話題を変えてみる。完璧犯罪者扱いだし、今後どうなるのか気になるわ。


「こいつらか?……当然、犯罪奴隷だな。町に着いたらすぐにギルドに連れていって、報告をする。今回の依頼はケミスの町の冒険者ギルド経由だ。ケミスで報告をすれば、クレフ殿もいることだし、奴隷落ちは免れん」


 まだ怒ってるんだろうな、冷たい目でギル達を睨み付けて教えてくれる。睨み返す元気があるのはキャサリンだけだ。


 …って、奴隷??


「え、門番さんに引き渡しておしまいとかじゃ?? 死刑になるほどの罪じゃないし、しばらく、牢屋にはいったりして、終わりですよね?」


「うん? 何を言っとるんじゃ? 死刑などと、そのような"名誉ある慈悲"はこやつらにはもったい無さすぎる。牢屋など、罪の確定していない者が入る場所であろう??」


「あー、ティナ嬢ちゃん、もしかして、まさかとは思うが、奴隷とか生で見たことないのか?」


 どうやら私が言った内容はよほどの常識はずれだったらしい。怪訝な顔をされている。


 正直に、ないです。と伝えると、クレフさんによる、青空教室が急遽開催された。生徒はわたし一人。


 ケビンさんたちはすっかり毒気を抜かれた顔になっていて、ギルたちに至ってはバカを見る目だ。


 ねえ、ギル、あんたたちの今後の事よ?!

 何でそんなに冷静なのさっ!!


「あー、ティナちゃんや、そもそも、奴隷の存在は知っとるかの?」


「奴隷には大きく分けて二種類、一般奴隷と特殊奴隷がいます。

 一般奴隷は種族、生誕、借金等の理由で奴隷になった人です。

 特殊奴隷は、戦争、犯罪、異端等の理由で奴隷になった人です」


 滔々と辞書でも読み上げるように答える。


「うむ、そうじゃな。知識としては知っておったか。良かった。

 今回は特殊奴隷についてじゃな。

ケビンが言ったように、今回はギルドに行って任務報告をする。そうすると、真偽判定をされるからのぅ、そこで今回の顛末が知られることになる。

 門番だとて、本当に犯罪者かどうか分からない者を預けられても困ろうよ。

 そして、今回は任務妨害、仲間の冒険者への攻撃、一般人への暴行等の余罪もあるしの、確実に犯罪者認定をされる。儂がさせる。

 そうしたら、捕まえた人間が直接奴隷商人の所に引き渡す。ギルドも人手不足でなぁ、いちいち運んでられんのじゃ。その代わり、褒賞金代わりに売った代金は貰って良いのじゃ」


「へぇ、でも、いきなり奴隷??」


「奴隷とゆうても、有期奴隷と無期奴隷がおるしのぅ。

 苦役と言ってわかるかのぅ? 労働させることで罰に変えるのじゃよ。短いものだと、2,3日から長いものじゃと、一生と言うものもいるのぅ。

 あとは、緩慢な死刑とも言われる扱いの者もおるし、逆にしっかり天寿を全うさせる事を奴隷の条件にするような場合もある。

 その者の罪に見合った扱いになるんじゃよ。


 …百聞は一見にしかず。

 よし、ケミスについたら、一緒にいってみようかの。何事も勉強じゃて」


 必死に遠慮したけれど、クレフさんはこれも礼のうちと、話を聞かずに決定されてしまった。

 ひとつ目の町には寄らず、馬車を急がせ直接ケミスの町に向かう。



 ****



 ケミスの町に着いたのは、4日後の昼だった。


 初めての町に緊張するが、馬車に乗るクレフさんの顔を見ると門番は何もチェックせずに通してくれた。


 どちらかと言うと、この4日で何故か、毎日生傷を増やし続けているギル達への視線が痛い。食べ物も飲み物も最低限、排泄(トイレ)に関しては、流石に可哀想だから女の子の付き添いはわたしがやると言ったのだけれど、大人たちに止められて出来なかった。


 プライバシーとかデリカシーとか、少しは気にしてあげようよ。年頃のお嬢さんたちだよ?!


 今も、3人とも血がちゃんと通ってるかな? と心配になるレベルで縛り上げられ、声が出せないように猿轡を噛まされている。荷馬車が揺れる度に低い呻き声がきこえる。


「ティナちゃんは巻き込まれた一般人と言う扱いになるからのぅ。町では儂らから離れないでくれよ。

保有している技能のことは不容易に話さんようにしてくれ。

それと町に入ったら儂の事は、おじいちゃんと呼び掛けておくれ。その方が面倒が少ないからのぅ。

 ケビン、代金先払いの依頼者じゃ、しっかり守れよ」


 ケミスの町に入る前に、そう念を押されてしまった。ケビンさんパーティーは全員真顔で頷いている。いや、そんなに本気にならなくても、自分でなんとかしますよ?


 今日はクレフさんの家にお呼ばれで泊まることになる。遠慮したけれど、また話を聞いてもらえなかった。男やもめの独り暮らしだから遠慮するんでない、と言われて押しきられた。

 ケビンさんたちは、冒険者ギルド近くの宿屋に泊まるそうだ。


 一度、クレフさんの家により、私を下ろすと冒険者たちはロジャーさんひとりを私の護衛に残し、ギルドに向かった。


 ロジャーさんは、基本無口だ。今も無言で剣の手入れをしている。


「あの、ロジャーさん…」


 呼び掛けると、首をかしげて続きを促す。


「裏庭に井戸があったので、クレフさんにも言われたし、水浴びをしようかと思うのですが…」


 わたしが提案すると、ひとつ頷き、また剣の手入れに戻る。


 旅の間、浄化の魔法で身綺麗にしていたとは言え、着替えたいし、身体も流したい。髪も洗いたい。


 今回の顛末報告には少し時間がかかる。裏庭に洗い場があるから良かったらさっぱりして、洗濯等もしていいと言って、クレフさんはギルドに向かったのだ。


 裏庭に抜ける途中に、埃で曇ってはいるが、小さな鏡があった。錬金術の道具かな?


そこではじめて自分の顔をみる。転生して5日目、鏡すらも普及していないってどういう事よ。男所帯の冒険者ならしかたないのだろう。お花組も持ってなかったけど。


 曇った鏡に写ったのは、白い肌、黒い髪、七色の光彩が散った銀眼。

 幼さを残したふっくらとした顔立ちに、透明感のある淡い色の唇、切れ長の大きな瞳は意思の強さと優しさを混在させた、どことなく神秘性すら感じさせる、少女時代独特のもの。

成長が楽しみだ。


 うん、自分を見ているフィルターを差し引いても、文句なしの美人だわ。自分の顔だとは思えない。


 違和感ありまくり。豚鼻、肉に埋まった奥二重、黄色い肌はどこに消えたのやら。


 しかし、この顔で周りが無反応ってことは、この世界の美人はもっとレベル高いのかな? まぁ、ギルのお花組も多種多様な美人揃いだったし。


 裏庭にたどり着き、逆さにしてあった大きな盥に水を汲み、魔法で加熱する。アイテムボックスから、こっそりとアメニティ作成のアーティファクト、宝玉を取り出す。魔力を送り、石鹸とシャンプー&コンディショナー、身体を洗うスポンジを作り出し、手早く宝玉はアイテムボックスに戻した。


「ふん、ふーん♪」


 三方を胸位の壁に囲われた洗い場で、鼻歌混じりに身体を流し、髪を洗う。久々に使う自動地図で周囲に人がいないことは確認してある。空いている一方には衝立があったので、それで目隠しをした。


 ずっと短剣に巻いていた布を取り、汚れを落とす。オススメシリーズは汚れない不思議仕様だから割愛するが、毎日こっそり取り替えていた下着類は要洗濯だ。


 全ての洗濯を終えて、魔法で水分を分離して乾かす。せっかくの町だし、足元と髪飾りだけはそのままに、初日に着ていた服に着替えた。簡単なワンピースの上から刺繍つきのベストを着た民族衣装風の洋服だ。


 濡れた髪を布で拭き、追加で作った櫛でとかし、整えてから同じく魔法で乾かす。髪型は安定の一本結びだ。

 表示したままのマップでクレフさん達が帰ってくるのが分かって慌てて中に戻った。


「おう、ティナ嬢ちゃん、用意は良いか~?ギル達を市場に連れていくぞ~?」


 先行して帰って来た盗賊のジョンさんが声をかけてくる。ロジャーさんは手入れの終わった大剣を担いで、玄関を出て行ってしまった。


「おや、ティナ嬢ちゃん、着替えたのか。似合うぜ。田舎娘って感じでよ」


 一言多いジョンさんに笑いかけ外に出る。

 クレフさんを初め、全員が揃っていた。口々に着替えを誉められた。


 ギル達3人は、装備を脱がされ、女の子は質素なワンピース、ギルはズボンにシャツ姿で、前で手を縛られ猿轡はそのままだ。

 魔法使いのマリアは追加で鎖のペンダント、ヘビメタ系をつけている。おそらく魔封じの一種だろう。


 ギルドに向かう前以上に顔色が悪い。一体何があったのやら。


「あの、クレフさん、やはり、私はここで待っています。どうも抵抗があって…」


 奴隷市場など出来たら一生近づきたくない。


「問答無用じゃ、ほれ、ゆくぞ」


 私の手をとり、迷うことなく歩き出したクレフさんに連れられ、初めての奴隷市場探検をすることになった。


 市場は中央広場に隣接しており、周囲を囲う様に柵が作られている。東西南北に入り口があり、奴隷の搬入や購入希望者は入口を通って中で物色することになる。


 どこの奴隷市場も同じ方式を取っているから、覚えておいて損はないと、クレフさんはかなり詳しく説明してくれる。


 今回は売る側だから、北にある集積場と呼ばれるテントに一度寄るとのこと。奴隷商人が持ち込む以外の奴隷達はこの集積場で正式な奴隷となる手続きをとられることになる。全世界にまたがる巨大組織、奴隷商人ギルドの直営店だ。


 もちろん集積場を通さずに直接奴隷商人と売買の交渉をすることも出来るが、手間も時間もかかる。冒険者や一般市民は奴隷を手放す、もしくは捕まえた時には、集積場に売るのが一般的だ。


 奴隷市場の中央では時折オークション形式の売買も行われるが、訳ありや高額商品ばかりだから、しばらくは手を出さない様にと忠告される。


 集積場の入り口には、体格のよい戦士が二人立っていて周りを威嚇している。クレフさんが気楽にヒョイと片手を上げて挨拶すると、中にはいり顔馴染みらしい商人と話し出す。


「クレフ殿、お久しぶりです。今日はいかがされましたか?」


「おう、そなたがいてくれて助かった。今日はこの3人の引き渡しじゃ。ほれ、これが冒険者ギルドからの書状じゃ。改めてくれ」


 そう言い、黄ばんだ紙を手渡す。

 紙を読んだ恰幅のいい商人さんは、3人を冷静に値踏みしているようだ。


 そこから、ごちゃごちゃと値段交渉? のようなことを始めたが、あまり聞いていなかった。


 だってさぁ、わざと市場を突っ切る様に歩いてきたけど、途中に値札をぶら下げた成人男女とか、檻に入れられ耳が半分ない獣人とか、壁から逆さに吊り下げられている両手のない人とかさぁ、お値打ち品っぽく、集団で囲いの中にいた人たちは無数に傷だらけだし、目のやり場に困ったわ。


 転生前に『平和や人権を享受出来ない世界』とは言ってたけど、これはないわぁ、マジでないわぁ。


 なに、私に、リンカーン大統領か、キング牧師になれっていうの?無理よ、目立つ気ないもん。


「……クレフ殿、その後ろの少女も売り物ですか?どうやら、テリオ族の様子。お売り頂けるのであれば、高値で買い取ります」

 

 聞き捨てならない会話が聞こえる。ケビンさんパーティーから怖い気配が漂ってきてますよ。


「光と闇を纏うテリオ族。その少女にはその特徴が強く出ています。特にその美しい光彩の散った瞳! どのような才能があるかはわかりませんが、滅多に出ない逸品です。無理をしてでも買い取らせて頂きたい!!」


 商人さんの目がイッてる。光と闇を纏うねぇ、確かに髪は闇色、目は銀だけど。


 おうおう、クレフさんからもおっかない空気が。


「奴隷商人ギルドの大商人、先駆けのアーサーともあろうものが、しばらく会わんうちに呆けたか?

 この娘を売れ? ふざけんでもらおうかの」


 怖いですから、クレフさん! クレフさんの迫力と、ケビンさんパーティーの怒りにようやく気がついた様で、商人さんがたじろいでいる。


「クレフおじいちゃん、怒らないでください。初めて市場に連れてきてもらって、私がビックリしてたから、何も話さないし、焦点も合ってなかったと思うから、商人さんも勘違いしただけなんです。

 私は早くここから出たいです、怒らないで、ギル達を引き渡して帰りましょう?」


 そっとクレフさんの裾を引きながらなだめる。レア物の一族だから、売りたくなるのもわかるし、さっきからキャサリンの視線がこっちに突き刺さっていて不快なんだよね。


 何を勘違いしたのか、クレフさんに良い子だと言うように頭を撫でられた。


「命拾いしたのぅ、アーサーや。さぁ、先程の金額でよい、さっさとその犯罪者どもを引き取ってくれ」


 気配が緩んだのを敏感に察知して、商人さんは部下にギル達を連れていくように指示をする。商人さんと目が合うと、お礼を言われるように目礼された。

 3人とも抵抗するように身を捩っていたが、その拍子にキャサリンの猿轡が外れた。


「ティナ!この、小娘!覚えてろよ!いつか、殺してっ!!……ぐっ!」


 目は血走り、声は掠れていたけれど、本気の呪詛を込めて罵倒される。キャサリンが全て言いきらないうちに、部下の人が腰に下げていた棒を押し付けると、一度身体を痙攣させて意識を失った。


「失礼しました。後の躾はこちらでやります。お嬢さんは気にしなくて大丈夫、先程は失礼なことを言ったね。申し訳ない」


 ギル達が完全に見えなくなってから、商人さんは改めてそう言うと、用意してあった小袋をクレフさんに渡す。


「ふん、ティナに感謝するのじゃな」


 鼻を鳴らして小袋を受けとると、そのまま出口に向かう。慌てて、商人さんに一礼すると、クレフさんの後を追った。


 ケビンさんパーティーに囲まれる様にして市場を抜ける。

 時刻は現在夕方だ。家路に帰る住人で道は混み始めている。


 ケビンさん達が泊まる宿の食堂につく。今日は皆でここで食事をすることにした。見た目小綺麗で、扉や床は頑丈に作られている。


 席について、大人たちはアルコールを注文しているが、私はさてどうしようかな?

 給仕の色っぽいおねぇさんに聞き、今日のオススメという、暴れ地鶏のもも焼きとパン、野菜たっぷりソーセージ入りのスープを注文する。

 人間、ショックを受けてもお腹は空くんだよね。


 飲み物は女将さんのご好意で、メニューにはないお茶をポットで出してもらう。前世はかなりイケる口だったけど、13から飲む気はない。


 みんなの飲み物が揃ったら、色々あったけど、実家のある境界の森調査依頼終了の打ち上げってことで、乾杯をしてお腹いっぱい飲み食いする。盛り付けなんかは、かなり豪快だったけど、味は普通に美味しかった。


 ちなみに、酒の入ったケビンさんたちは、とても愉快な人達だった。













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