成らざる者の決意
「・・・でも、大丈夫。ちさとはそんな子じゃないから。」
「・・・言いたいことは言った」
それだけ言ってレイネは出て行こうとした。
「あ、言い忘れてた」
「え?」
「奴らは・・・この学校に潜伏している」
「ええ?」
そう言い残して出て行った。
「あ、ちょっとクラスは!?」
あみが叫んで聞いた。
「・・・そこの奴と一緒!」
という声が廊下から聞こえてきた。
「・・・ちさとと一緒だって・・・?」
「・・・ん?あれ?なんでこんなとこに・・・って!」
ちさとはガバッと起き上がってあみに詰め寄る。
「あいつは!?」
「もう行ったよ。大丈夫。」
「はぁぁ、よかったぁぁ。」
ちさとは安心する。
昼休みも終わりそうなので、ふたりは足早にクラスに戻っていく。
そして、ちさとはクラスに入って、気づいてしまった・・・。
「!!!」
恐怖で全く動けない。朝は全く気づかなかった・・・。
そんな姿を見たレイネがさりげなくよって来て小声で言った。
「・・・ここでは手は出さない。いやそれ以前に今は貴様に興味がない」
「へ?」
「ここで突っ立ってると不審がられるぞ」
その一言でちさとは我に返る。
気づくとレイネはすでに席に戻って窓の外を眺めていた。
「・・・。」
そして夕方・・・
3人の女子高生が下校している。
何の変哲もない光景だったが、それを狂ったような笑い声が壊した。
「く・・・くくくく」
「蘭ちゃん?」
「どうしたの?」
蘭と呼ばれた少女は残りの二人の前に立ちふさがり、言った。
「え・・・も・・・の・・・」
そして、不気味に笑いながら蘭のような怪人に姿を変えた。
「いやあああああああああああああ!」
悲鳴をあげる二人。
「・・・殺す」
そう言うと、蘭は蔓を伸ばして二人の胸をえぐった。
悲鳴を上げることもなく二人は倒れる。
辺り一面血の海になった。
蔓の先には二人の血だらけの心臓が刺さっている!
怪人はそれを喰らった。
「くくくくく・・・」
喰らい尽くしたあと、人間の姿に戻り何事もなかったかのように去っていった。
ただ、顔に若干の返り血がついていた・・・