成らざる者の忠告
「・・・!」
レイネがふたりに気づいた。このあいだは私服だったからか、レイネの制服姿が新鮮に見えた。
「ちさと、逃げて。」
あみがとっさにささやく。
いや、それ以前にちさとは気絶していた。
廊下の視線が一気に集まる。
「・・・場所を変えよう」
で、空き教室
「何しにきた?」
あみの目が鋭い。
「きみに忠告しに来たんだが」
「忠告?」
レイネは一瞬気絶しているちさとの方を見る。
「・・・何する気だ。」
「ちょ、あの、今日はむしろそこの人間にも関わってくる問題なんだ」
「・・・ほんと?」
あみはレイネの首筋に爪を立てながら言う。そこから血がにじみ出る。
「痛、痛いって!ここで僕の血流したらまずいでしょ。青い血」
そう言われてあみは手をはなす。
「そうだね。で、話してよ。」
レイネがものすごく疲れきっている様子なのを無視してあみが言った。
レイネがため息をついてから話しだした。
「・・・お前たちを狙う者たちがいる」
「・・・今までもいたじゃん。」
「いや、奴らは強い者たちだ」
「・・・ほんと?」
「僕には分かる。それに」
ちさとを指差す。
「きみといっしょにいるそいつが一番危ない」
「・・・!」
あみは目を見開く。
「・・・そうだよね!」
「でも、お前本当に守れるのか?」
その言葉にあみが固まった。
「・・・あのことか・・・。」
あみは思い出していた。