成らざる者の関係
「はあ・・・はあ・・・」
廃工場の一角に傷ついたレイネが姿を現すと、壁にもたれながら人間の姿になっていった。
「うぇっ!」
口から青い血を喀血する。額には汗が流れている。
「あれぇ、どうしたのかなその傷」
突然の声に振り向くが、突然すぎて傷がうずいた。
「あああ!」
「焦り過ぎだなぁ・・・」
「てめぇ・・・何?」
レイネの元に来た若干不良臭い少年は軽蔑するようにこう言った。
「またイレギュラーのところへいったのか?」
「オクトには関係ない」
「ふぅ・・・ん」
そう言うとオクトと呼ばれた少年は右腕部分だけを触手状に変化させ、レイネの首を締め上げた。
「うああああ!」
「俺を怒らせたな。関係ないわけないだろぉ・・・?」
オクトは嘲笑しながらさらに締め上げる。
「・・・あいつには迂闊に近づくな」
急にオクトは真顔になり、氷のように言い放った後、締め上げていたレイネの首を離した。
レイネはその場に放られ、ひどくむせている。辺りはレイネの血が散乱している。
オクトの右腕が元に戻る。
「なぁにやってるの〜?」
向こうの方からショートカットの少女が歩いてきた。
「なぁにやってるの〜?・・・じゃないよぉぉぉぉ・・・メディぃぃ・・・」
心なしかレイネが半泣きでヘタレな声を出す。
「またこいつがイレギュラーのところにいってたからちょっとおしおきしてやった」
「またぁぁぁ?懲りないね」
メディが呆れたように言う。
「我らは人間だけを相手にしてれば良いはず」
メディがはっきりと言った。
「な?レイネ」
皮肉たっぷりにオクトがレイネに聞く。
「・・・うん」
「本当に分かったの!?」
メディの語気が強くなるが、気怠そうにため息をはく。
「まあ、無事に帰ってきたんだからいいよ」
「・・・ああ」