成らざる者との遭遇
暁 ちさとはとある県立高校の普通の高校1年生。入学仕立てでまだまだ学校に慣れない。友達もいない。というか、元々友達とグループになって群れるということを毛嫌いしているので、ちさとは友達も少ないし、別にいなくたって大切な友達が一人いればそれでいいと思っている。
ちさとは別クラスになった幼馴染で唯一友達と言える帳 翔磨を気にしてしまう。なぜかというと、単純にアホだから。なので、ちさとと同じ高校を受験するといったときの衝撃は凄かった。
「ほんとに受験するの?」
「うん、するよお。」
「進学校なんだよ、わかってんの?」
「関係ねえよw」
「ちょw成績下の方だよね?本気?」
「ああ・・・ちさとと同じ高校いかなきゃ誰がお前を守るんだ?」
「・・・・・・はあ!?」
その言葉が一日一回頭をよぎる。それが気になってしまう。なんでだろう?
翔磨とは友達だけど、たまにしか話さないので、翔磨の考えていることはいつもわからない。
わからないのはいつも通り。なのになんかもどかしい気持ちになる。なんでだろう・・・
そんなこと考えていてもしょうがないと思っていつも通りに一人で下校していると・・・
「・・・友達になって。」
呼び止められた。後ろを振り返ると、黒髪の少女が立っていた。
「いきなりなんな・・・・・の・・・・・?」
と言い放とうとしたが、少女の異様なぼっちオーラにちさとは立ちすくむ。
その悲哀な眼差しはどこからくるのか・・・
「・・・私と友達になって・・・」
「・・・・・・。」
ちさとは何も言えなかった。
少女の名はあみといった。クラスは翔磨と一緒ということもわかった。気にしてしまう話もした。
「・・・それは恋だねw」
「それはない!それはないww」
二人はすぐに意気投合した。そんなとき、
「ちょっと」
二人は声のほうに振り返った。少年が立っている。
「そいつは誰だ」
少年の視線が鋭い。
「・・・ごめん、ちさとちゃん、先に帰ってて。」
「え?あ、うん。じゃ、じゃあね!」
ちさとは帰っていった。
いや、帰ってない。ちさとはあみが心配だったので、物陰で様子を伺っていた。
二人は人気のないところに移動したのでちさとも後を追った。
「・・・貴様、何しにきた?」
「お前こそ、人間と何してる」
「・・・・・・。」
「お前・・・聞いてるのか」
「・・・何しにきたと言っている!」
あみが少年を睨む。
(!?あみちゃん?)
ちさとは混乱してきた。さっきの雰囲気とまるで違うから。
「・・・体で分からせてやろうか!!」
そういうと少年の身体が吹き出した緑の体液に包まれ、カメレオン型の怪人に姿を変えた。
(?!?!)
そして、ちさとは思わず物陰から飛び出した!