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その1
においがする。
冷たくなっていく空気の中に、わずかに混じり始めたにおい。鼻などなくとも、感じる。なつかしいにおいだ。
息をひそめてみれば、それは一本の細い糸のように、どこかへ繋がれている。
鳴瀬さま。
あなたはその先にいるのですか。
鳴瀬さま。
なつかしくて、身体がまた焦げていく。熱い痛みに身をよじる。
鳴瀬さま。鳴瀬さま。鳴瀬さま。
焦げて、穴が開いても、そこにいるのはあなただけです。
(第五章へつづく)
においがする。
冷たくなっていく空気の中に、わずかに混じり始めたにおい。鼻などなくとも、感じる。なつかしいにおいだ。
息をひそめてみれば、それは一本の細い糸のように、どこかへ繋がれている。
鳴瀬さま。
あなたはその先にいるのですか。
鳴瀬さま。
なつかしくて、身体がまた焦げていく。熱い痛みに身をよじる。
鳴瀬さま。鳴瀬さま。鳴瀬さま。
焦げて、穴が開いても、そこにいるのはあなただけです。
(第五章へつづく)
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