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2nd Mission ディアレスト  作者: 時幸空
第一章 プロローグ
1/21

その1

会いたい。

ただそれだけなのに、憎くてどうしようもない。

 会いたい。

 会いたい。

 ただそれだけなのに、憎くてどうしようもない。

 胸の中が、沸き返るようだ。発熱する。からだが溶ける。我が手も足も声も、なくしてしまった。残った思念の片隅で、記憶も、零れるように消えていく。きみの声も、きみの好きな花の名も、忘失してしまう。

 白い花だったような気がする。白いものがたくさん、舞うようにこぼれ落ちていた。

『綺麗ね』

 きみがいった。

『来年も見たいわ』

 きみはそういった。

 だから、待っていた。待っていたのに・・・

 憎い。

 憎い。

 黒い焔が四肢を舐め、皮膚に絡みつく。体内に溜まり続け、矛先を失った憎悪が溶けてじゅくじゅくと流れ出す。

 ああ、熱い。

 闇の底に疲れ果てたからだを横たえる。底はずるりと動き出し、これでもかと闇に塗れたからだを引きずり込もうとする。

 瞼を閉じた。小さな白い花弁が舞った。

 最後にみたあなたの笑顔が映っていた。


(第二章その1へ続く)

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