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結奈瑞穂の変異
瑞穂を抱え、彼女の部屋に入った。ベッドに寝かせ、あのタブレットも枕元に置いた。まるでそれはクリスマスプレゼントのようだった。が彼にはそれは心躍るような贈り物ではないように見えた。
先ほどまであった額の熱さはなくなっていた。が、逆に全身が冷凍庫に入っているかのような冷たさを保持し始めていた。彼女が横たわるベッドの横で千宙はただ彼女を見つめるしかできなかった。
いくばくかして彼女の身体に一つの変化が現れた。眉間が陥没したのだ。それはまるで何かケーブルの差込口に見えた。千宙はそこに指を差し伸べた。窪みは見間違いではなかった。しかし、彼はそんな身体的変化にも彼は隠さなければならないような驚嘆を示すことはなかった。