フラムちゃんの冒険(ほぼ転移w)。
フラムが転移スキルを使った話を聞いた俺は座ったまま、フラムを抱っこしてリフトアップしてやる。
「フラム、『神幻門』使ったなんて凄いな!!」
褒めてやると、キャッキャッと喜ぶフラム。
「そこは褒める所じゃないじゃろ?ちゃんと親として注意してやらんと…」
「そーでしゅ。結構大騒ぎだったんでしゅよ…?」
俺はそんな二人をなだめる。
「まぁ、フラムはまだ小さいからね。まだ赤ちゃんだから許してあげてw」
続けて二人に説明した。
「赤ちゃん気分の子供にあれこれ注意しても効かないと思うよ?子供の純粋な行動だからね。だからこういう時は、良く出来たねって褒めて上げる方が良いんだよ。たぶんw」
俺の言い分に二人は顔をしかめる。二人が何と言おうと俺は子供を褒めて伸ばすタイプなんですw
「それでどうやってフラムを見つけたの?」
話の続きを聞こうとするとフラムが俺を見て声を上げる、
「あぅ、あぅあぅ、あぅあぅっ」
俺は、うんうんと聞いて上げたが、何を言ってるのかさっぱり分からなかったw俺はチラッとティーちゃんを見る。
「…ふむ。美味しいのちょーだい。と言っておる…」
「えっ!?それホントなのw?」
疑う俺に必死に嘘じゃないと話す二人。仕方なく続きを聞く前に冷蔵庫を開けた。
プリンは明日のおやつ。一つ残してあるシュークリームはリーちゃんのやつだ。どうするかな…?
考えているとシーちゃんがアレ出してくだしゃいと言う。
「アレって何w?」
「美味しい粉がいっぱい付いてる、幸せになれるやつでしゅ」
「そうじゃ!!それが良いのぅ」
どうやら幸せターンの事を言っている様だ。俺はすぐに棚から幸せターンを出した。
一人、三つづつ。しかし、二人から不満が出たw
「三つだけだとすぐ無くなるでしゅ!!」
「そうじゃの。五個くらいは欲しいのぅ」
俺は仕方なく、サービスであと二個出して上げた。
フラムは二人がどうやって食べるのかを見ている。二人はリボンの様に捻られている両端を引っ張って中のお菓子を取り出すと、シャリシャリと食べる。
それを見たフラムも同じ様に、両端を引っ張ってお菓子を取り出すと、俺を見てにこにこしながら幸せターンを食べる。俺も三つほどボリボリと食べながら話の続きを聞いた。
「リーのおかげで、フラムがどこへ行っていたのか解ったんじゃ…」
◇
クレアに抱かれていたフラムは、姉さん達にパパのいる場所を聞いた。さっき一度寝て起きたから、パパはもう帰って来ると思っていたのだ。
でも二人の姉さんや母だと名乗る人は、パパはまだ帰って来ないから待てと言うばかりで連れて行ってくれない。
フラムは不満を感じた。早くパパに会いたいのだ。
そう思ったフラムは、記憶の中を辿る。『瞬転移』は持っていたフードのおじさんの記憶しか辿れない。フラムは記憶の中で、パパがピカーッと光って消えるのを見た。光った後、パパはいろんな場所に行ってた。
その記憶を見たフラムは、記憶の場所を辿ればパパに会えると思った。そして、少しからだを丸めた後、思い切って身体を伸ばして両手を上げて叫んだ。
「あぅーっ!!」
そして『神幻門』を発動させた。
フラムが最初に転移したのは西大陸、東端だった。…誰もいない。辺りを見回してみるフラム。水がいっぱいあるのが見えた。
パパと一緒にいた街より小さい街が見える。フラムは再び記憶を辿る。ピカーッと光って、次に大きな大天幕が見えた。
フラムは再び、「あぅーっ!!」と叫ぶと光を放って消えた…。
次に来たのは、パラゴニアの大天幕の前だ。突然現れたフラムに驚く島民達。そんな事に構わず、フラムは聞いてみる。
「あーぅ、あぅあぅ、あぅー、あぅ、あぅ?」
突然現れた小さな小さな子供が、何かを一生懸命聞いてくる。島民達は困惑して警備隊長バリーと、巫女セイを呼んだ。
◇
「あぅぁ、あぅー、あぅ?」(パパ、どこいる、しってる?)
フラムは、巫女セイに抱っこされたまま、バリー隊長に聞いている。
「…ぅ、うぅむ。何を話しているのやら…」
隊長は困惑気味でセイを見た。
「…あら。パパ、探してるの?」
「あぅ!!」
「…巫女様、この子の言葉、解るのですか?」
「えぇ、なんとなくですが…。お父さんを探しているみたいですよ?」
「…ふむ。親とはぐれて迷子になったのだな…」
バリー隊長が、話していると巫女セイがフラムをじっと見る。フラムも抱っこされたままセイを見ていた。
「隊長。この子なんとなくホワイトさんに似ていませんか…?」
「ん?ホワイト殿…ですか?言われてみれば、まぁそうですね…」
二人の会話に出で来た『ホワイト』と言う名前に、フラムが反応する。
「あぅあぅ!!」
「…あらあら、やっぱりホワイトさんのお子さんだったのね…?」
「しかし、ホワイト殿はもう東大陸にお帰りになっているはず…」
その言葉を聞いたフラムは、パパもう帰っている、そう思って、抱っこして貰っていた巫女セイからいそいそと下りようとする。
「あらあら、パパがどこにいるか解ったの?」
そう聞かれて、両手を上げたフラムは、二人に元気良く挨拶する。
「あぅぁー、あーぅ、あぅあぅあ!!」(パパ、わかった、あいがとう!!)
そう言うと、フラムは再び叫んで、光を放って消えた。
「…なッ、何とッ!!これは…あんな小さな子が転移スキルを使ったのか…?」
「どうやらその様ですねぇ。ふふふ、さすがホワイトさんのお子さんね」
「…巫女様、感心している場合ではございませんよ。このパラゴニアには転移防止システムが構築されています。それをすり抜けて、転移してくるとは…」
穏やかに笑っている巫女セイとは対照的に、隊長は困惑していた。
◇
記憶を辿ってフラムが次に到着したのは、スラティゴの東門前だ。
(パパいない…)
すぐに記憶を辿り、更にブレーリン西側の草原に飛んだ。
(さいしょ、パパ、ここいた)
フラムは思い出しつつ、辺りを見渡す。しかし誰もいない…
ブレーリン東門からウェルフォードに向かう街道にも飛んでみたが、やはり誰もいなかった。
再び、転移したフラムは最終的にブレーリンのいつもの宿屋の前に立っていた。フラムが小さな手でビシッと宿屋を指差す。
(パパ、ここいる、きっと!!)
そしてフラムが宿屋に入ろうとした時、後ろから声を掛けられた。
「…あら?フラムちゃん?」
振り返ったフラムは、声を掛けた人物を見上げる。宿屋で働いているお姉さんだ。
(ごはん、いっぱい、もってきてくれるひと)
宿屋のお姉さんを覚えていたフラムは、嬉しくて声を上げた。
「あぅっ、あぅーっ」
両手を上げて嬉しそうに愛嬌を振りまくフラムを抱っこするお姉さん。
「どうしたの?ホワイトさん達とお家に帰ったんじゃなかったの?」
そう聞かれたフラムは、あぅぁ、あぅあぅあ(パパ、さがしてる)と一生懸命話す。
「…ごめん、フラムちゃん。お姉さんフラムちゃんの言葉解んない…」
苦笑いするお姉さん。このまま放っておくわけにもいかないので、お姉さんは宿屋の中にフラムを連れて入った。
◇
「…ふむ。それは困りましたねぇ…」
フラムを抱っこしたまま、カウンターに座るお姉さんを見るダンディさん。
「ちょうど出勤してきたら、そこに立ってたんですよ。ホワイトさん達とはぐれて迷子になったんですかねぇ…」
「しかし、ホワイト殿はつい先日、ここを発たれたばかりです。迷子になっていたなら昨日のうちに探していると思いますよ?」
ダンディさんの言葉に、お姉さんはそうですよねぇ…と困っていた。
「…しばらくこちらでお預かりしましょう。そのうち家族のどなたかがお迎えに来られるかもしれませんからね」
ダンディさんの言葉に、頷くお姉さん。その時、フラムのお腹がグゥと鳴った。
「あらら、お昼ご飯食べてないの?」
「あぅ」
「どうやらその様ですねぇ。料理長に何か作って貰いましょう」
そう言うとダンディさんは、厨房の奥へと入って行く。ちょうど昼休憩が終わった料理長とダンディさんが出て来た。
「…と、言う訳なんですよ、料理長。ホワイト殿には先日の宴会の折に、かなり多めにお金を頂いてますからお嬢さんにランチを作って上げて欲しいのですよ」
「あぁ、いいぜ。けど何でお嬢ちゃんだけがここに来てるんだ?」
そう言いつつ、フラムを見た料理長がしばらく沈黙する。
「…ふむ。このお嬢ちゃん、転移スキル二つ持ってるぞ…?」
「あぁっ、そう言えば料理長、『鑑定』スキル持ってましたね!!」
「恐らく、ホワイトのヤツが仕事に出たもんだから捜し回ってたんじゃねぇか?」
「…さすが料理長。その可能性はありますねぇ」
料理長の見解に、ふむふむと納得するダンディさん。
「ま、取り敢えず待っててくれ。すぐに食べれるもの作るからよ!!」
そう言うと、料理長は厨房の奥へと引っ込んだ。その間に休憩が終わったおばちゃん達も出て来る。おばちゃん達はお姉さんと交代でフラムを抱っこして、フラムにお菓子を食べさせた。
「あぅーっ」
おばちゃん達に抱っこされて、お菓子を食べさせて貰ったフラムは上機嫌だった。
◇
その一時間後、クレア、ティーア、シーア、リーアが宿屋に到着した。
「…すまぬ。うちのフラムが迷惑を掛けてしもうて…」
地球から帰ってきたリーアはすぐに、フラムのスキルの残滓を捜した。しかし、フラムが転移してから時間が経過していた為、転移のエキスパートであるリーアでも追跡に難航した。
神幻門は行った事のある場所へしか転移出来ない。フラムが記憶を辿って転移をしたなら今まで来た順に飛んだ可能性が高いと踏んだ。
リーアは、フラムと同じルートで追跡を開始した。まずは西大陸東端。次にパラゴニア、スラティゴを経由して、最後にブレーリンに到着した。直接、ブレーリンへとも考えたが、入れ違いになるとフラムを見つけられない可能性があると考えて、順番通りに周った。
そしてついに従業員のお姉さんに、おこちゃまランチを食べさせてもらっているフラムを発見した。
「あぅーっ!!」
皆を見たとたんに、両手を上げて喜ぶフラム。
「あぅーっ…じゃないじゃろ、フラム。突然、転移したらみんなびっくりするじゃろ?」
「そーでしゅよ。黙って転移するのは良くないでしゅ!!みんな心配したんでしゅよ?」
リーアはフラムを無事発見できたので、ティーアのポケットの中でうとうと、お昼寝を始めた。姉さん達の説教にも、フラムはにこにこしながら、あぅーっと楽しそうに声を上げるだけだった。
「まぁ、幸いにも見つかったのだ。二人とも今回は許してやってくれ…」
クレアはそう言いつつ、フラムの横に座る。
「フラムよ、次からは姉さん達二人に相談してから行動するのだ。良いな?」
頭を優しく撫でつつ、フラムに言い聞かせるクレア。
「あぅ!!」
フラムの返事を聞いて一同、うんうんと頷きつつ、この騒動でお昼をまだ食べていなかった事を思い出した。フラムが既に、おこちゃまランチを頂いていたので、ついでにティーア達も一緒に昼食を食べていく事にした。
◇
「フラムが世話になったな。また主共々来るかもしれぬ。今後ともよろしく頼む…」
そう言って礼をするクレア。
「いえいえ、お嬢さんも無事で何よりでしたね。また、機会がありましたらご利用下さい」
ダンディさんの丁寧な言葉に頷きつつクレアは懐に手を入れる。
「済まぬ。今は手持ちが少なくてな…。これで足りるだろうか?」
そう言うとクレアは懐から十五キロ相当の金塊を三つほど、カウンターの上に置いた。
「「「ええええええぇぇぇぇぇーッッ!!」」」
それを見た瞬間、その場にいた全員が固まる。驚きで、眼球が飛び出しそうになっていた。辺りが一瞬、沈黙する。
「…ん?これでは足りぬか…?」
そう言うと懐からもう一つ金塊を取り出すクレア。
「姉さま…それは多過ぎじゃ…」
そんなクレアに、顔を引き攣らせる妖精族と従業員一同。
「…奥様。以前、宴会の折にご主人より多額の報酬を頂いておりますので今回の料金は頂けませぬ…。金塊は元にお納めくだされ…」
その言葉を聞いて金塊を懐に戻すクレア。
「それでは今回は、其方の厚意に甘えるとしよう。世話になったな」
「…いえいえ、こちらこそ、またのご利用、お待ちしておりますよ…」
そう言って、子供達三人を連れて宿屋を出るクレア。そしてそれを見送る宿屋従業員一同。そんな中、ホール担当のお姉さんが呟いた。
「…なんか色々な意味で規格外のご家族ですね…」
その言葉に従業員一同、うんうんと激しく頷くのであった。
途中にフラムイメージを入れています。少しイメージとは違うのですが(もう少し短いショートヘア)、近いモノが出来たら差し替えますw
AIがベリーベリーショートヘアを理解してくれないw




