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4.考えるジェル

 翌朝、自室のベッドで目を覚ましたワタクシは、近所のペットショップへと出かけることを思いつきました。


 そこは夢の中でワタクシとお兄ちゃんが暮らしている場所であり、夢を見たきっかけになった動画が撮影された場所でもあります。

 あのハスキーの子犬達を実際に見てみれば何かわかることがあるのではないか、そう思ったのです。

 

「これも何かの縁です。もし彼らが売られていたら、いっそ我が家で飼ってもいいかもしれませんね……」


 そんなことを考えながら街中にある小さなペットショップに入ると、ぬいぐるみのように可愛い子犬や子猫がショーケースの中で遊んだり寝転んだりしているのが目に入りました。

 店内は見覚えのある内装で、子犬達が居たのは間違いなくここに違いありません。


 しかし、店内には肝心のシベリアンハスキーの子犬の姿はありませんでした。

 店員さんに聞いてみたところ、今日は店長が留守なので詳しいことはよくわかりませんが、と前置きした上で「以前は居たらしいが最近は売れないので入荷していない」といった内容が返ってきました。


 ――これはいったいどういうことでしょう。


 てっきり夢の中はこの世界と繋がっていて、二匹のハスキーが今もペットショップにいるものとばかり思っていたので、ワタクシは混乱しました。


 それに「以前は居たらしい」と店員さんは言っていました。

 ということは、もしかして夢の中と今とで時間軸がずれている可能性が……?

 

 「だとしたら、スマホで観た動画は、どのくらい前に撮影されたものだったんでしょうか……?」


 急いでポケットからスマホを取り出し、とりあえず子犬の動画の日付を確認しようと検索してみると、なんと日付は三年前でした。


 三年も時間が経過しているなんて……もしかしたら二匹とも買い手がつかずに処分されてしまったかもしれません。

 そう考えると今夜眠るのが憂鬱で仕方ありませんでした。

 しかし睡魔は容赦なくやってきます。また今夜もワタクシは夢の中へと足を踏み入れていたのでした。


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