第百三話 噂
学校内では変な噂が流れていた。
「モモコ、あの噂知ってる?」サラがいった。
「え?なに?」
「緑組のラニーって子知ってる?あの入学試験で一番だった女の人」
「うん。見たことはあるけど」
「実はその人、不正して入学したかもなんだってさ」
「えっ!それどういう意味?」
「なんか、緑組の人が言うには、入学後の試験は全て下の順位なんだって。だから緑組の人が疑いだして、それで入学試験では不正してたんじゃないかって。それにあの人のお母さんが都でかなり上の役人なんだって」
やはりこうなってしまったか。
あの時、ラニーが数問わざと間違えてくれたら、こんな大事にはならなかっただろうに。
「それで今はどうなっているの?」
「そこまでは私も知らない。それに興味ないし。でももし不正が本当だったならあの家は終わりね」
いや、終わらないだろう。あの家の後ろにはバラガンがいる。
たぶん彼が今回の事件はもみ消してくれるだろう。
だからカンニングのこともばれないし、私がカンニングを助けたことも明るみに出ることはない。
教室ではいつものごとく金パがこういっていた。
「なんか前々からラニーのことは気に食わなかったのよね。こんなもの自業自得よ。あー清々するわ。早く退学になればいいのに」
「確かにアンナさんの言う通り、緑組のラニーはアンナさんにいろいろ言ってきましたからね。これで邪魔者が一人消えて良かったです」
取り巻きたちも金パの意見に同調していた。
その時、ジャック先生が教室に入ってきた。それで教室が静かになった。立っていた人は自分の席に座った。
「それでは今日の授業を始める」




