第百二話 二色
「え・・・」
私はこの日記を読んだとき、言葉を失った。
今まで考えていた思考が全てリセットされた気分だった。
魔法を二色使える・・・?
でも私は最初の授業で、一人一色までしか魔法は使えないと教わった。それもジャック先生に教わったのだ。
そしてそれはみんなの共通認識である。
なのにそのすべてがひっくり返った。
まるでちゃぶ台をひっくり返したように。
私が二色使えたのは転生チートでもなんでもなかったのだ。
私は急いで次の日の日記を読んだ。
『赤魔法の操作は難しかった。白魔法と少し勝手が違う。白魔法は一点に集中するのに対し、赤魔法は魔法全体に意識を向けなければならないらしい。私は赤魔法担当のジャック先生にそれを教えてもらった。彼は「なぜそんなことを聞くのか?」と不思議そうな顔をしていたけれど、私は何も言わなかった』
お母さんは赤魔法と白魔法を使えたのか。
そしてそれは今の私と同じだ。
それともう一つ、ジャック先生が出てきた。
年齢を考えると、当時は同い年くらいだったのだろう。
私は再び日記を読んだ。
『七月二十日。今日は都から視察が来た。私とジャック先生の担当はバラガンという役人だった。私はすぐに終わったけれど、ジャック先生はしばらくその役人と話をしていた。なんの話をしていたのだろう。「何を話していたの?」と訊いても何も答えてくれなかった』
バラガン・・・。
この時ジャック先生はバラガンとの繋がりを作ったのか。
どうやって後ろ盾を得たかは知らないが、大体の予想はつく。
一旦ここで日記を読むのをやめて、続きはあとで読むことにした。




