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第九十九話 遭遇
部屋に入ってきたのは、ジャック先生だった。
彼は真っ直ぐに本棚に向かって本を探し始めた。
「ジャック先生、何を探しているんですか?」
見つかるのも時間の問題だったので、私から声をかけた。
日記は腰の後ろに隠す。
「あっ!なんだモモコか。驚かせるな」
ジャック先生はホッとしていた。
「毒の治療法の本を探しているんだ。モモコこそ何をしている」
「私はホワイト先生に仕事を頼まれてここにきたんです」
「そうか。なら一緒に探してくれ」
「誰かが毒でも飲んだんですか?」
「その逆だ。ある人物を毒で殺すために解毒できない毒を作るんだ」
なるほど。そういうことか。
「ここにありました」
私は解毒の本をジャック先生に渡す。
「よくやった。もちろんこのことは誰にもいうな。全てはバラガン様のためだ」
そういって彼は部屋を出ていった。
一体誰を殺すというのだろう。
まあ考えてもわかるはずなわけで。
ここに長居することも危険なので私も速やかに部屋を出た。




