第七十一話 ミル先生
授業終わり、私はミル先生の部屋を訪れた。
「私は赤組のモモコと言います。ミル先生に聞きたいことがあってきました」
「何ですか?」
「ミル先生は結構長くここにいるんですか?」
「そうね、先生になってから二十年以上になるけど」
二十年ということはやはり私のお母さんのことを知っているだろう。
「でもどうしてそんなこと聞くの?」
逆にミル先生が私に質問した。
やはり聞き方が不自然だっただろうか。
しかし私は思い切って訊くことにした。
「クライ先生をご存知ですか?白魔法使いですけど」
この時私はミル先生の表情が一瞬こわばるのを見逃さなかった。
「クライ先生?そういえばそんな先生もいたかしら。よく覚えてないわ」
ミルの目は泳いでいる。
「実はクライ先生について訊きたくてきたのですが」
するとミルは慌てて立ち上がった。
「ごめん、この後用事があるのを忘れてたわ」
そういって彼女は部屋を出て行った。
私はこの時ミル先生は確実に何かを知っていると確信した。
一方慌てて部屋を出て行ったミルは頭を悩ませていた。
「どうして今頃になってクライのことを聞いてくるわけ?あの時のことはもう終わったはず」
「私とクライが唯一の親友だから探りを入れてきた?そういうことか」
「ならあのモモコという生徒はあいつらのスパイということか。注意しなければ」
ミルは廊下を歩いて行った。




