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第七話 山菜採り

日が暮れるころ私は馬小屋に戻った。


「遅かったわね。心配したんだから」

お母さんが出迎えてくれた。


「あれ?山菜は?山に行ったんじゃなかったの?」


お母さんの質問を無視して私は訊いた。


「お父さんって謀反人なの?」

それを口にしたとき、お母さんは一瞬静止した。


「モモコ、一体それをどこで・・・」

「今日近くの町に行ってきたんだけど、そしたら兵士の人たちがお父さんの顔が描いてある人相書きを町中に貼りだしたんだ」


お母さんは黙りこんだ。


「ねえ、教えてよ!お父さんは本当に謀反人なの?お母さん!」

不意に私の頬を一滴の雫が流れた。


もちろん私は転生した身であり、お父さんもお母さんも私からすれば他人である。


しかしお父さんたちと一緒に過ごすことによって、私の中には家族の絆が芽生えていたのだった。


「・・・わかったわ。お父さんが帰ってきたら話をしましょう」

元気のないお母さんを見るのは初めてだった。



夜、家族会議が行われた。

「モモコにも話す時が来たようだ。ただし今から話すことは決して他言してはいけないよ。わかったね?」

「うん」


「お父さんは昔、この国の都の兵士の一人だった。ある日の夜、都を巡回していると、とある事件を目撃してしまった。先の王様を暗殺する事件だ」

「・・!?」

「その首謀者を知ってしまった私は、口封じのために彼らに狙われることになった。そこで職を辞し、お母さんと一緒に都を離れて生活をし始めたんだ」


これでお父さんが都に行きたがらない理由がわかった。しかしこれは私が全く予想していなかった展開だった。


「先日家にやってきた役人も私を探しに来たのだろう」

「じゃあお父さんは本当に謀反人ではないのね?」

「ああ、そうだ。心配をかけてしまって悪かったな」

「ううん、私は大丈夫」


それより私のお父さんを苦しめるその人物は一体誰なのだ。私は思い切って訊いた。


「それでお父さんを狙っているのは誰なの?」


お父さんは自分の子供に教えるか迷っているようだった。そしてお母さんと目を合わせたあと、私に教えてくれた。


「それは、バラガン様だ。彼は―――」


お父さんが話し続けようとした時、馬小屋の外でたくさんの足音が聞こえてきた。いくつかの松明の明かりも漏れ出している。


私は嫌な予感がした。頭の中で警鐘が何度も鳴っていた。


「そこにいることはわかっている。無駄な抵抗はやめて出てくるんだな」

そのバリトンの声には聞き覚えがあった。





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