第六十六話 試験
試験当日、私たちはグリモワール学院へ向かった。
当初の作戦通り、私の斜め右後ろにラニーが座った。
他の受験生の顔ぶれを見ると、やはり役人の子供が多かった。
農民や商人の子供たちは少なかった。
「それでは試験を始める!」
試験官の合図とともに試験が始まった。
私は作戦通り、手で答えの合図を送る。
問題は難しかったが、私にかかれば簡単だった。
問題も中盤に差し掛かり、残り半分ってところで試験官が私の所にやってきた。
まさか、このカンニングがばれたのか?
私は平然を装い、問題を読む。
すると試験官はしゃがみ込み、私の足元から何かを拾い上げた。
「これは君のものか?」
試験官が手に持っていたのは消しゴムだった。
そしてその消しゴムには文字がびっしりと書き込まれている。カンニングだ。
「いえ、私のではありません。それにそんなもの知りません」
「言い訳は後で聞く。さあ立て。君は不合格だ」
「ちょっと待ってください!」
私は自分の消しゴムを見せていった。
「私の消しゴムならここにあります。その消しゴムの持ち主は、今机の上に消しゴムがない人のものです」
私の言葉に試験官は納得したようで、机の上を見ながら教室を巡回した。
そして消しゴムの持ち主を見つけ、教室から連れ出していった。
少し邪魔が入ってしまったが、なんとか私は最後の問題まで解くことができた。
試験終了後、ラニーがすぐ私に声をかけてきた。
「これで私の合格は間違いないわ!」
「ちゃんと少しは間違えた?」
「もちろんよ」
私たちはグリモワール学院を後にした。




