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第六十二話 家庭教師
私がブックの家庭教師になってから一週間がたった。
彼は私より二つ年下の男の子だ。父親が国の役人らしく裕福な暮らしをしている。
ブックが家庭教師を雇っている理由は、グリモワール学院に入学するためだ。
私はお母さんと別れたあの日から、グリモワール学院に入学するために必死で勉強してきた。
だから人に教えられるだけの知識はあった。
今日もブックの家に向かうと、ブックはちょうど外から帰ってきたところだった。
「モモコ!また怪我をしちゃった。治してくれ」
ブックは右手を抑えながらやってきた。
「はい、痛いの痛いの飛んでけぇー」
白魔法で傷を治す。
「これでもう大丈夫」
「ありがとう!」
ブックは私の魔法が見たいらしく、いつもわざと怪我をしていた。
「それじゃあ今日の勉強は―――――――」
勉強が終わり、私はブックの家を出た。
すっかり空は夕焼けに染まっていた。
「あと一か月か・・・」
これはグリモワール学院の受験日までを逆算した日数である。
私はそのまま家路についた。




