第五十四話 聖水
次の日、モンドがダムの屋敷を訪れると門前払いをくらった。
「なぜだ?あいつは何を考えている」
モンドは眉をひそめた。
その日の夜、私はダムの屋敷を訪れた。
「それでどうでしたか?」
「巫女様の言う通り、昼間モンドというバラガン様の手下が来ました」
ついに私のことを巫女様と呼び出したか。それに敬語とは。
「それでどうしましたか?」
「もちろん、門前払いにしました」
「それでいいのです。しかしそれではまだ邪悪な気を払えてはいません。そこでダム様にはこの聖水を飲んでもらいます」
私は昼間川に行き汲んできた水を出した。
「ありがとうございます」
ダムが容器に触れようとしたので私は止めた。
「ただで聖水を飲ませるわけにはいきません。一杯十ギーロいただきます」
「十ギーロですか!?!?」
「なんですか?」
「いや、少しお高いなと思いまして・・・」
「邪悪な気を振り払い、あなたの不吉な未来を回避できる聖水です。たった十ギーロで死をまのがれるならば安いものです。それとも今すぐにでも死にたいですか?」
「わかりました。十ギーロ払います」
ダムは私に十ギーロを手渡す。
そしてダムは水を飲んだ。
「どうですか?神の力を感じますか?」
「はい、感じます」
ダムは嬉しそうにしていた。
「これただの川の水なんだけど」と私は心の中で笑った。




