第三話 短剣
短剣を作るのは簡単だった。お父さんの見様見真似でやってみたら意外とすぐに短剣を作ることが出来てしまった。
「モモコ、まだ六歳なのにすごい技術だな。お父さんもびっくりだ」
お父さん目を大きく見開いていた。
私はこの時初めて自分が六歳であることに気付いた。そして六歳の娘に短剣を作らせようとするお父さんに少しの震えを覚えた。
もし本当の六歳に短剣を作らせたら、火傷していた、もしくは大きな怪我をしていたかもしれないのに。
まあ、その点私は転生した身で前世の知識があったからよかった。
「それじゃあこの短剣を村のみんなに売りに行こうか」
お父さんは私の作った短剣と、すでに作り置きしていたお父さんの短剣をいくつか袋にまとめると私を誘った。
「うん」と私は笑顔で頷く。お父さんの仕事ぶりをこの目で見ておきたいと思ったから。
するとお父さんは急に神妙な顔つきになっていった。
「くれぐれもモモコが自分でこの短剣を作ったことを村のみんなには言ってはならないよ。これはお父さんとの約束だよ。わかったね?」
「わかった。ちゃんとお父さんとの約束は守る」
「よしいい子だ」
お父さんは私の頭を撫でた。
私は約束の意味がよく分かっていた。もし六歳の娘がこれほどの短剣を作ったとすれば、私は間違いなく狙われる身となるだろう。そんなこと誰も望んでいない。
こうして私は村の人たちの元へと向かったのだった。




