第二十六話 いい迷惑
私がギルドに戻ると、すでに周りでは竜の肉の話で持ちきりだった。
「とうとう私のとこへも噂が流れてきたか」
しかし数日も経たないうちに、その噂はパッタリと無くなった。
ついに竜の肉の嘘がバレたのだ。
私は近くにいたおじさんたちの話し声に耳を傾ける。
「でもまさか竜の肉が牛の内臓だったとわな。お前は食べたか?」
「ああ、あれは初めて食べる味だった。美味かったぞ」
「それで竜の肉を売っていた店主たちはどうなったんだ?」
「それが、店主は遠くの島に飛ばされたそうだ」
どうやら派手おばさんは無事だったらしい。彼女が竜の肉の嘘を知っていたかどうかまではわからない。
「それで一体誰がそのことを突き止めたんだ?」
「それが不思議なことに誰だかわからないんだ。その町の知り合いに聞いても知らないの一点張りだった」
「そうか。まあ下手に嘘をつかないのが一番だな」
おじさんたちは遠ざかっていった。
竜の肉の嘘を突き止めたのは裏ギルドの人たちだろう。
しかしこれ程町のために尽くしているのに、国から認められないのは何故だろう。
やはり、殺しや盗みなど犯罪まがいの依頼も引き受けるからだろうか。
「盗み・・・」
この言葉が頭に引っかかった。
どこか聞き覚えがある。
しばらく考え、この言葉を聞いた場所をようやく思い出した。
「国司ダム様の蔵から年貢米が盗まれたーーーーー」
まさかあれも裏ギルドの仕業だったのだろうか。
そしたらとんだいい迷惑である。
私は次の依頼を手に取った。




