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第二十一話 手形

「すみません」

私が声をかけると、派手おばさんは私に気付いた。


「あら、私に何かようかしら?」

「はい。実は探している人がいるんですけど」


そういいながら私はポケットから一枚の紙切れを出した。

「えっと、グダンさんっていう人です。都で大きな商団を持っている人らしいのですが、知りませんか?」


「ううん、知らないね。それよりお嬢ちゃん、もしかしてそれは手形かい?」

「そうですけど・・・。知らない人には見せちゃだめっておじさんに言われてて」

「大丈夫。私は良い人だから安心して。さあ見せてみて」


派手おばさんは右手を差し出してきた。たぶん、私を子供だからと甘く見ているのだろう。


けれどそれならばこっちの好都合だ。


「特別ですよ?」

私は手形を渡す。昨日私が勝手に作った偽物の手形である。


派手おばさんは手形の内容を見ると、驚いた表情を浮かべていた。


「竜の・・・肉・・・!?しかも200ギーロ・・・」

目を丸くして私のことを見る。


手形の内容は、店主とグダン商団が竜の肉を取引するものだった。


「お嬢ちゃん、これは本当かい?」

「はい。最近店のおじさんが竜の肉を見つけたみたいで、こっそり都の商団と取引をするそうなんです。そしてそれを王様に差し上げるそうなんですけど・・・あっ、これはおじさんに誰にも言うなって言われてたんだ!」


われながら、口を滑らせた演技は上手だったと思う。


子供が嘘をつくはずがないとの先入観と、相手が子供であることの油断から彼女は私の話をまんまと信じ込んだようだった。


「お嬢ちゃん、その店に案内してもらっていいかな?」

「でも、私はグダンさんって人を探さないと・・・」

「大丈夫。後でその人に私から伝えておくわ。だからその店を教えてちょだい」

「わかりました」


私はにっこりとほほ笑むと店へと向かった。








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