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序章:独白
俺には友達がたくさんいる。
顔がいいのもあって、女の子から好かれて、男の子も差別などしたりしなく気が合えば日が暮れるまで遊ぶ方が好きだ。
そんなに仲が良くなっても、俺に親しい友達なんていない。
遊び友達の一人に言われたことがある。
「お前って何を考えているか分からないんだよな」
その時は笑って誤魔化したが、どこかで傷ついた自分がいた。
(そんなこと言われても俺にも良く分からねえよ)
そんな俺がこんな暗い場所に閉じ込められ鎖につながれた俺を助けるものなんて、いるはずが無い。
こんなところに俺がいるなんて誰も思わないし、誰も俺を探したりしないだろう。ずる休みをしてると思われるのが関の山。まあ、それは日頃の行いもあるだろうが…。
ーーそう、いないと思っていたんだ。自分でも生きることを諦めるほどに
あの瞬間まではーー