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魔法世界の少年ティルの物語 ~魔力ゼロで元魔王な少年は第二の人生を気ままに生きていきます  作者: yume
第一章:かつて魔王と語り継がれた少年の第二の人生の始まり
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序章:九つの世界

 この世には異世界がある。


 世界とは国、集合体、特定の文化、文明を共有する社会を指している。世界の数は四方八方に広がっているのか、無数の星のように無尽蔵なのか、それとも有限で限りがあるのか未だ判明されていない。


 現時点では九つの世界が人々に広く知れ渡っている。


 アース神族の世界「アースガルズ」


 ヴァン神族の世界「ヴァナヘイム」


 エルフの国「アールヴヘイム」


 ディアボロスの国「ニヴルヘイム」


 黒妖精の国「スヴァルトアールヴヘイム」


 巨人族の国「ヨトゥンヘイム」


 小人の国「ニタヴェリール」


 灼熱の世界「ムスペルヘイム」


 アース神族とヴァン神族の間は同盟を結び、エルフの国とも友好を結んでいた。アースガルズを支配するのは神々の長「オーディン」。


 二ヴルヘイムは死者の国と呼ばれ、雪と氷の覆われた夜に閉ざされている国の王は「ディアボロス」。


 エルフの国の名はアールヴヘイム。エルフ族を統治するエルフの王の「オベロン」。


 スヴァルトアールヴヘイムは黒い妖精が住む国。国を治めるのは妖精族の女王「ティータニア」。


 小人の国の名はニタヴェリール。卓越した鉱夫や腕の立つ鍛冶屋であった、ドワーフや小人達の世界。


 ムスペルヘイムは世界の南の果てにある灼熱の国。ムスペル族が住んでおり、長はスルトと呼ばれている。


 そして、九つ目の世界には人間が住む世界があった。


「ミズガルズ」


 ミズガルズはユグドラシルの中央周辺にあり、上層のアースガルズと下層のニブルヘイムに挟まれ、ミズガルズとアースガルズは虹の橋ビフレストによってつながっている。


 巨大な蛇ヨルムンガンドはミズガルズに収まりきらず海洋の中でミズガルズをぐるりと取り囲んでいる。


 そんな怪物がいる世界で人間には重大な欠点があった。それは人間は他のどの世界の種族よりも脆弱で短命だったのだ。


 けれどミズガルズの世界には魔力に満ち溢れており、その世界に生まれたものには「魔法」を使うことができた。


 そのことからミズガルズはいつからか魔法世界とも呼ばれるようになる。この魔法は個人差はあるが強力な武器になる。


 短命ではあるが、この魔法を研鑽し次の世代へと継承し異なる世界とも互角に渡り合ってきた。


 そしてこの世界が誇れることもあと二つある。広大な陸地が広がり、海に囲まれていることだ。その外側には巨人族の国であるヨトゥンヘイムが存在する。


 もう一つは異種族の多さだった。


 ミズガルズを全て統治する者はいないのは、そこには大昔から様々な多種多様な種族が先住していたからだ。


 国によって大体の種族が分かれており人間族が住むのはシモン共和国、ラナティス国にドルネオ国、シンドラ公国、マルシェ王国、オルネイ王国、ヘロデ帝国がある。


 身体能力に長けた獣人族が住む国のトーゴ。

 竜人族が住むヴァティカン神国。

 海の生き物たちの楽園と呼ばれるモルジア諸島。


 ミズガルズには六つの大陸と三つの大洋がある。


 フランシア大陸


 サースト大陸


 シアラン大陸


 エヴェレール大陸


 アウレリアヌス大陸


 ラシーヤ大陸


 一番面積がある広大な海洋をカイヤ海。


 モルジア諸島の海域はエルモ海と呼ばれ、そこにはいろいろな伝説が残されて、特別視されている。


 そして魔法世界の海のどこかにバミューダ・トライアングルと呼ばれている海魔や怪魚が産まれる暗黒の海・魔の三角海域があるらしく漁師の間からは怖れられている。


 数ある国々の中で二つの大陸を持つ大国があった。


 アウレリアヌス帝国とラシーヤ連邦という他の国とは比べようもないぐらい、世界全体に対して政治的にも経済的にも大きな影響力を及ぼす国家である。


 異なる世界から自分がいる世界の内側から誰かに呼んでもらう方法を「召喚」と呼ぶ。


 一年に一度だけ世界会議が行われる。

 

 この世界会議を提案し呼びかけ、各世界の支配者同士で友好を深め合い、共存することを望んだのはアース神族の長オーディンその人だった。


 協力的と思いきや、これには実は思惑があったのだ。それは国の支配者の力量を推し量るためのものであった。


 力であれば、神族の魔力は桁違いに強かった。他の種族もミズガルズの人間も魔力を持っているが、比較にならない。


 けれど、オーディンは恐れていた。自分には力があるのにだ。


 何を恐れる?

 

「死」


 全知全能の神は自分の「死」を恐れていたのである。オーディンには予知する能力があった。


 そして「神々の黄昏(ラグナロク)」を世界における終末を予知したのだ。不老不死である自分が死ぬはずはないと自負はしていたつもりだった。


 だが自分の絶対的な能力を疑いたくなった。けれども、オーディンの予知は外れたことがなく外れた前例も無かった。オーディンはさらに力を求めた。世界さえも巻き添えにして。


 「全世界を我が手中に」


 その中にはもちろんミズガルズも含まれる。


 アース神族は一番仲を深めたアウレリアヌス帝国と同盟を結び「召喚」してもらったのが始まりである。


 それに倣い、ラシーヤ連邦もニヴルヘイムを召喚した。先の二つのように大国の次々と各国の王たちは模倣した結果が次の通りだ。


 ヴァン神族のヴァナヘイムはオルネイ王国と。


 エルフの国のアールヴヘイムはラナティス国と。


 黒妖精の国のスヴァルトアールヴヘイムはドルネオ国と。


 巨人族の国はヨトゥンヘイムはヘロデ帝国と。


 小人の国のニタヴェリールはマルシェ王国と。


 灼熱の世界のムスペルヘイムは唯一同盟を結んでいない。


 いつの間にやらミズガルズは混沌と化してまう。どうしてそうなってしまったのかにも避けて通れない理由があった。


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