表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

秋葉原ヲタク白書12 昭和通りロミジュリ戦争

作者: ヘンリィ

主人公はSF作家を夢見るサラリーマン。

相棒は老舗メイドバーの美しきメイド長。


今回は昭和通りで対立する2組のストリートギャングを背景に萌え上がる恋バナ、秋葉原版のロミオとジュリエットです。


お楽しみいただければ幸いです。

第1章 開戦前夜


世界的なハンバーガーチェーンが日本に上陸して、かれこれ半世紀近くになる。

そして、先日、日本法人テコ入れの社長交代がプレスされ財界に波紋が広がる。


しかし、僕はもちろん僕のアキバの仲間達がそんなコトを知る由もない。

もともと僕達はホットドック派なのでバーガー業界のコトには疎いのだ。


というワケで、僕達が「ソレ」を知ったのは暫くしてからだ。


「ええっ?昭和通り店が閉店?昭和通りのバーガー、1軒になっちゃうの?関係ないけど」

「この前、改装してトイレをキレイにしたばかりなのに。行かないけど」

「あれ?でも、するとギャングごっこの連中がヤバくね?」


秋葉原を避けるバイパスみたいな昭和通りには、世界的バーガーチェーンの店が2軒ある。

元は1軒だったのだが、バブルの頃に昭和通り店の横に須田町店が開店して今に至る。


ソレが「断頭台の女王」の異名をとる、碧い目をした新社長(コストカッター)が、リストラ策の一環として須田町店の閉店を決める。


まぁ企業の論理としては当然の話で、今まで仲良く2軒並んでた方が不思議なくらいだ。


「で、閉店する方に巣食ってたのは、どっちだったっけ?セクボ?新線組?」

「確か、セクボだったと思うけどな。古参の方」

「え?じゃ連中、今、どうしてるの?ストリートにあぶれてるの?」


解説しよう。


昭和通りのハンバーガー店2軒は、実はそれぞれ、まぁその何と逝うか、ストリートギャングみたいな連中の巣窟(そうくつ)となっていたワケだ。


片やセクシーボーイズ(通称セクボ)は、古参のチームでメンバーには地元の者も多い。

対する新線組は、文字通り通勤新線(TXのコトだょ)以来の新参でTX沿線の者メイン。


まぁストリートギャングとか紹介してしまったけど、もともとセクボは地元小学校の仲良しグループ、新線組はアキバ詣でを繰り返すTX沿線上京者の集まりが原型だ。


初めの内は、それぞれ自分達が遊ぶコトに精一杯だったので何も問題は起こらない。

ソレが、時が経つ内に各々にストリートギャング気取りが現れて話がおかしくなる。


それぞれハンバーガー店から出たトコロでカチ合いガンを飛ばし合ってケンカ騒ぎを起こしては警察の御厄介になったりする。


それでも、2軒のハンバーガー店でそれぞれオトナしく群れてた内はまだ良い。

ある日、巣窟を失ったセクボが昭和通り店へ侵攻を開始して戦争が勃発する。


まさにアキバ版ゲルマン民族大移動だ!いくつかの小競り合いの末、1階をセクボが占拠、新線組は地階へ追いやられる。


その後、地階にしかないトイレに行ったセクボや、1階にバーガーを買いに逝った新線組が行方不明になったりするようになるw


すると、世界史とか勉強してなさそうな連中までが「目には目を」とか口走り出す。

昭和通り店の中は、目に見えない緊張がピンと張り詰め、まさに一触即発の状況だ。


そして、ある夜…


「おかえりなさいま…きゃ」

「かくまってくれ、追われてルンだ」

「何コレ…血?血なのっ?」


僕の推し(てるメイド)のミユリさんがメイド長を務めるバーに血塗れの男が転がり込む。

そして、ミユリさんのバーも戦場となる。


第2章 放課後ダンシングハッカー


「動くな!新橋警察のサメ(グチ)だ。モンタ、署まで来てもらおうか」

「やってない!濡れ衣だ!ハメられた!」

「歌うのは署に来てからにしろ」


血塗れTシャツの男を追うように開襟シャツの男が2人、バーに入ってくる。

Tシャツ男を引っ立て連行しようとするが、メイド長のミユリさんが黙っていない。


「待って。私の御屋敷で御主人様への乱暴はやめて」

「メイドさん、悪いがメイドごっこは後にしてくれ」

「貴方達こそ刑事ごっこは他でして。しかし、アキバで遊ぶにはコスプレの経験値が低過ぎね」


開襟シャツの刑事?の2人組が顔を見合わせて、特に若い方がバツの悪そうな顔をする。

毅然と対応するミユリさん(僕の推し)に店内に居合わせた常連からも加勢の声が上がる。


「コレは逮捕ですか?逮捕なら逮捕状が示されるべきだ」

「うっ!逮捕…ではナイんだ」

「私有地内での正当行為を逸脱した捜査活動は建造物侵入罪等に問われ得ますが」


常連のタカシさんが1歩前へ出る!カッコいい!カッコいいのだが…逝ってるコトの意味は半分もわからない笑。


タカシさんは、御屋敷(ミユリさんのバー)では風俗ヲタクで通ってイルけど、実は誰もが驚く超一流企業の法務担当なんだ。


…ってコトは実は僕だけが知る秘密なんだが、お陰様で何だか形勢逆転って感じ。

ところが、ソコへもう1人、役者が登場してきてヤタラと話はややこしくなる。


「お兄ちゃん!もうやめて!おまわりさんに迷惑かけないで!」

「え?ジュリ?なんでココに?店はどうした?」

「だってお兄ちゃんが!お兄ちゃんが!」


先ず血染めのTシャツの男。

続いて昭和な開襟シャツ姿の刑事が2人。

そして今度は…コレまた昭和なパツ金ルーズソックスのJKが乱入して来る。


しかも、そのJK?が「犯人の妹」ぶり全開なので、またまた形勢は逆転だ。

何なのコレ?劇場型オレオレ詐欺の練習?


「コラ!可愛い妹さんを泣かせるな!サッサと任意同行に同意するんだ!」

「ジュリ、ヲレはやってない!」

「わかってる!だからソレをおまわりさんに逝ぅのょ、お兄ちゃん!」


妹?の乱入で腰砕けになった僕達を尻目に、刑事達が血染めTシャツ男を連行?する。

後には、ワケ知り顔の自称JKと僕達が残されて、お互いに気まずく顔を見合わせる。


「ごめんなさい!でも今はこうするしかなかったんです!でも…お兄ちゃんを助けて!お願い!」

「何だかヤタラ面倒臭そうなんですけど」

「テリィさん、お店にいらして!全てお話ししますから」


そして「妹」は、ミユリさんの目の前で僕に角の丸い名刺を渡す。

うーん。コレってお水のルール違反でしょ?人の店中で営業とは。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「JK教室キャバ チョベリバ」


表の看板にそうあり、一応、路面店だが、いかんせん昭和通りを入った路地の裏の裏。

中は、教室みたいに入口向きに机と椅子が並ぶ中をJK?がウロつくシステムのようだ。


コレってキャバなのか?客につかないの?


「おかえり、テリィ君!私は委員長」

「え?え?何の委員長かな?」

「アナタの…委員長ょ」


教室?に入ると、ジュリは踊るようなスキップで僕の前を歩いて最前列の机を指す。

ソコには画用紙を折った三角柱が立ってて、マジックで「委員長席」と描いてある。


この店のVIP席みたいだ。特別料金?笑


しかし、兄貴が目の前でしょっぴかれた直後なのに、このジュリとか逝う女は平気なのか?

「委員長席」に座ると、彼女は傍らにしゃがんで机に頬杖をつき上目遣いで僕を見上げる。


「御存知とは思いますが、実はお兄ちゃんのモンタは、セクシーボーイズのリーダーなんです」


全く御存知ありません笑。


「新線組のレットが失踪したのが、つい先週のコト。そして、さっきお兄ちゃんのバッグからレットの血染めの新線組Tシャツが…」

「えっ?レットって誰?何で疾走してんの?

陸上部か何か?」

「違うでしょ。レットは新線組の組長。お兄ちゃんの対立グループのヘッド。ホント、頭悪いのね、お・ば・か・さ・ん」


う・る・せ・ぇ笑


僕の机?で頬杖つくJKのジュリは、近くで見ると目の小皺(こじわ)とかヤバくて多分アラサーだ。

ハッキリ逝ってJKスタイルには、もう無理があるが、逆にAVっぽくて妙にドキドキする←


とにかく!


ジュリの話では、さっきモンタがハンバーガー屋でバッグを開くと、何と中から血染めの新線組のTシャツが出て来る。


ソコをたまたま通りかかった新線組が目にして騒ぎ出し、その内に誰が呼んだのか何故か所轄外の新橋警察までが現れる。


ハメられたと知ったモンタは、昭和通りを逃げ回るが、最後に逃げ込んだミユリさんのバーで遂に投降、というコトらしい。


「でも、お兄ちゃんは何もしてないの!無実を証明して!SF作家とメイド長のコンビならアキバの難問は全部お任せなんでしょ?」

「ええっ?そんなコト、誰が逝ってんの?」

「あら?復活した〝金持ち戦隊バブルマン〟が良い子のみんなに話してるわ。アレはウソなの?」


今度はソッチかょ!笑


頼みゴトを終えたジュリは、ココから先は料金がかかるけど、と逝って立ち上がる。

おおっ!というコトは、どうやらココまでは御相談は無料ですって奴?ありがたい←


僕は、迷わずお言葉に甘えて、もう少し遊んで逝くことにする(延長?)。

どうやら、僕は、JK教室キャバって奴にハマり始めてるようだ。


すると、ジュリは胸の前でヒラヒラと手を振って…あれれ?君がつくんじゃナイのか?

しかし、入れ違いで僕の机?に頬杖をつきに来た小柄系グラマーJK…ソレがスピアだ。


いきなり、困惑した表情を浮かべ彼女は逝う。


「セーラー服をプールに落としてしまったの!どうしよう?」


彼女は、アキバではお約束の眼鏡っ娘。

肩から赤いジャージを羽織っているが、その下は…何と白いスクール水着だっ!


「そ、そ、そりゃタイヘンだね。放課後までに乾くといいな」


コレが、その後、長いつきあいとなる僕とスピアとの最初の出逢いだ。

彼女が繰り出す白スク水&メタル眼鏡という剛球に僕の初打席は三振。


「放課後が楽しみだわ(心の声:絶対アフターに誘えよ、この野郎←)」


そして、簡潔な自己紹介。


「私、ハッカーだから」


第3章 偽造マイルを追え


「楽しみな放課後」は、何と件の昭和通りのハンバーガー屋となる。

一応、ステーキや回らない鮨もオファしたのだが、彼女は譲らない。


しかも、後でジュリも合流するらしい。

やれやれ!アフター(店外デート)に仕事を持ち込むのはヤメて欲しいな。


彼女は、田舎の中高生みたいな赤ジャージの上下だが、コスプレかはわからない。

さらに、その赤ジャージの下が白スク水なのかは、もっとわからない笑。


「実は、ジュリが来る前に作家さんに逝っておきたいコトがあって」

「貴方のコトは彼女に渡さない、とか?」

「そして、貴方は絶対に私のモノ、ってそんナンじゃなくって、ハンバーガーマイルのコトなんだけど」


ハンバーガーマイル?あの食べた分だけ貯まるポイントのコト?

マイル貯めて私とディズニーランドに逝こう?なんて(コク)られるシーンを妄想←


「ジュリからは、貴方のお手伝いになるなら、何でもするように逝われているのだけれど…」

「何でも?!あんなコトもこんなコトも?!」

「だ・か・ら!お手伝いだけだから!私に指1本触れないで。他に推しがいるんでしょ?」


何だか「洗体(嬢にカラダを洗ってもらう"だけ"のライト風俗)」の前説(じぜんせつめい)みたいだ。

案外、彼女は彼女なりに、アキバのアチコチで稼いでイルのかもしれない。


「実はね。当のジュリから変なコト、お願いされてるの。コレ、作家さんにだけお話しスルんだけど」

「ええっ?ふたりだけの秘密っ?コレからも大切に増やして逝きたいなっ!ふたりだけの秘密って奴をさっ!」

「だ・か・ら!他に推しがいるんでしょ!」


スピアは、先週ジュリからハンバーガー店のマイレージカードの偽造を頼まれたらしい。

どうやら、スピアはネット系の仕事を請け負う所謂(いわゆる)「サイバー屋」のようだ。


「でね。久しぶりの偽造カードの仕事だったんで、サービスでいくらかポイントをチャージしてジュリに売ったのょ」

「へぇ。ソレで?」

「そのカードを使ってる奴がいるの。新線組ナンだけど」


地階に追いやられた新線組が地上にバーガーを買いに逝く時は、必ず2人1組だ。

逆に、セクボが地階のトイレを使う時も必ず複数で、互いの襲撃に備えている。


スピア自身は、フリーのサイバー屋なので特にセクボとの自覚はなく、(一)般ピー(プル)気分で新線組の後ろに並んでいたら…


「前の新線組の奴が使ってたの。私がジュリに売ったカードを」

「ホントに?見間違いじゃナイの?」

「カード偽造は1枚1枚が〝芸術〟なのょ。貴方も自分の本を他人のと間違えたりしないでしょ?」


そりゃそうだ。そりゃそうだが…

何だか嫌な話を聞いた気がする。


しばらくして、ジュリがやって来て僕にセクボの幹部用?のTシャツを着せてくれる。

その瞬間、店内のセクボ全員から一斉にハンドサインで祝福され僕はVIP待遇となる。


しかし、その時から僕の胸の中で、小さな疑念が渦を巻き始める。

そして、その小さな渦巻きは、やがて解決への糸口となって逝く。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


その後、セクボリーダーのモンタは新橋警察から無事に戻ったようだが、何故だかハンバーガー屋には顔を出さない。


「セクボのアタマはツブした」


そんな声も地階から聞こえて来るが、新線組の中でも「自制」は働くらしく、今のトコロ直ちに1階への逆侵攻などは起こらない。


「あ、テリィさん」

「スピアは?」

「奥のシートです」


ハンバーガー店の1階でシェイクのLを片手に〝立哨〟中の若いセクボに声をかける。

幹部Tシャツの効果は絶大で、中にいるセクボも僕を見るやハンドサインをくれる。


奥の席にはジャージ姿のスピアがいて、スゴい勢いでPCのキーを叩いていたが、僕に気づくとダラリと両手を垂らす。


そして1言。


「来てるわ。偽造カードの彼が」

「何が御入用かな?」

「意外に口座番号とか役立つの」


スピアから「彼」の特徴や服装を聞くと、僕は近くのボックス席にいたセクボのチームに声をかける。


チームの連中は、恐らく親が死んでもこんな真剣な顔はしないだろうと逝うぐらい真面目な顔つきで僕の指示を仰ぐ。


ホント幹部Tシャツの効果は絶大だ。

そこへ…


「セクボの連中も、アタマがいなくなってションボリだょなぁ!」

「ホントだ!見てみろょ!大人しくポテト食ってるぜ!」

「さぁてアキバの街に繰り出そうぜ!ヲレ達の街にょ!」


新線組が5〜6人連れで大口を叩きながら地階からの階段を上ってくる。

最上段まで登って立ち止まり、挑発するように1階の店内を眺め回す。


「奴だ」

「間違いない」

「GO」


聞こえない声が囁き、見えないサインが飛ぶ。

セクボの追跡チームが音もなく席を立つ。


第4章 終戦


あとは簡単だ。


セクボの追跡チームは、新線組を巧妙に路地に追い込んで彼等と「話し合い」をする。

スピアの偽造カードで大食いしてた「奴」はスッカリ震え上がってアッサリ口を割る。


ある日「奴」は仲間にも秘密にしていたアカウントに差出人不明のメールを受け取る。

新線組の古参メンバーが着ているヴィンテージTシャツを高額で買い取るとのオファだ。


コミケ前で金欠だった「奴」は、早速自分のTシャツを売る決心をし、その旨返信する。

翌日、ハンバーガー店のいつも座るテーブルの裏に手付金代わりのカードが貼られる。


カードにはハンバーガーマイルが付与されていたが残りは現金で口座に振り込むと逝う。

指示に従い、昭和通りのポケモンGOの人混みの中にTシャツ入りの紙袋を置いて帰る。


すると翌日、彼の口座に「残金+ボーナス」が振り込まれて…お?ココで振り込んだ黒幕の口座番号が明らかになる。


追跡チームは「奴」から口座番号を聞き出すが、ソレは何と香港のオフショア口座。

普通だとココでお手上げになるが、ココからがサイバー屋スピアの腕の見せドコロ。


彼女は、IPアドレスから香港にオフショア口座を開設したパソコンを特定する。

何とソレは秋葉原の通称メイド通りに面する雑居ビル4Fにあるネ(ット)カフェ。


さらにスピアは、ネカフェの防犯カメラをハッキングして口座開設日時の画像データをゲットしたのだが、ソコに写っていたのは…


ジュリと…新線組No.2のロミロ。


「どういうコトなんだ、ジュリ」

「ごめんなさい!ごめんなさい、私…」

「いつから付き合ってたんだ、お前達!」


ハンバーガー店の1Fで、セクシーボーイズに囲まれたジュリが泣き崩れる。

階段から顔を覗かせて様子を伺ってた新線組からはロミロが突き出される。


ロミロとジュリ。


この2人は、後日「昭和通りのロミオとジュリエット」とか美化されて語られるんだけど、実はトンでもない狂言師だったのだ。


何処で見初めたのかは知らないが、2人の恋はストリートギャング同士の対立を背景に密やかに、しかし激しく萌え上がる。


そして、No.2からトップの座を狙うロミロの野心を知ったジュリが、兄のカバンに血染めのTシャツを仕込んで全面戦争の幕が開く。


全くジュリって今、流行りの「こじらせ女子」の典型だょな笑。


しかし、同じ頃、表舞台から姿を消したセクボと新線組のリーダー2人は、既に事態収拾のために動き出している。


彼等が最も恐れるのは共倒れであり、ソレを避けるため「絶好の材料」を受け入れるコトで、巨頭会談?は合意に達する。


翌日「昭和通りのロミオとジュリエット」の恋の成就を機に、セクボと新線組の対立も手打ちとするコトが宣言される。


別に2人は結婚したワケではないけど、2人の恋を機に、セクボと新線組も一種の婚姻関係みたいなモノになった、というコトだね。


まるで、戦国大名同士の政略結婚みたいだけど、古今東西を問わない争いを避ける為の知恵がココ昭和通りにも働いたというコトだ。


ところで、最早余談になるけど、その後色々あってロミロは失脚、アキバを追放となる。

やはり、トップの座を狙ったのが不味かったみたいで、新線組の中で粛正されたようだ。


ココでシェークスピアの筋書だとジュリエットも死ぬトコロだが、もちろん我等がジュリはピンピンしてて退場する気配すらない。


全く今、流行りの「こじらせ女子」ってのは厄介極まりない。

不死身のカラダで、永遠に何かをこじらせ続けるコトだろう。


とまぁ、コレが今もストリートで語り継がれる「昭和通りロミジュリ戦争」とその終焉にまつわる裏と表の物語の全貌だ。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


昭和通りに平和が戻った夜、ミユリさんのバーに御帰宅してみたら…何かがおかしい。


「テリィ御主人様、スク水のハッカーさんと随分と仲良くなったんですってね?」


ミユリさんの鋭い視線が、僕の眼底を貫く。

そして、今宵の彼女は…何と真っ赤なスクール水着だっ!


「今宵はスク水デー」


表のプレートにはそうあり、恐らく嫌々つき合わされてる青スク水のつぼみさん(愛称:つぼみん)がスゴい形相で僕を睨んでいる。


やれやれ、一難去ってまた一難。

今宵は「昭和通りスク水戦争」。


みんな!今度の災難は"水難"だぞ。

赤と白、どちらか選ぶ覚悟はいいか?



おしまい

今回は、対立する2組のストリートギャング、教室キャバのキャスト達、白スク水のサイバー屋などが登場しました。


サイバー屋の設定は、前から考えていたのですが、今回、白スク水を着せて登場させてみました。


秋葉原を訪れる全ての人類が幸せになりますように。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ