その名はカズさん!
今日は高校最初の中間テスト、テスト用紙が配られて驚愕した!
「何だよコレ!テスト用紙間違えてるんじゃないの」
多分声に出てたと思う。
国語、数学、理科社会、英語どれをとっても簡単すぎる、小学生でもできるんじゃないか?国語は小学生漢字、数学も数学と言うよりは算数、掛け算割り算が出ている、英語なんかは大文字小文字だ!
ここまでなのか、ここまでなのかこの高校はぁ~、心で叫んだ。
ちなみに英語のテストで、Qの小文字を書いてくださいと言う問題で、つまずいた事は内緒だ。
何かと驚かせてくれるぜこの刑務所高校は!前にも言ったが僕の学校は高い壁にバラ線がはってある。
そのせいなのか、生徒からも、回りの高校からも、刑務所高校、務所高などと呼ばれている。
多分頭の悪い学校と、バカにしていた人も多いと思う。
僕は、勉強が出来るから偉いとは思わない、ただ自分の夢に向かって勉強でもスポーツでも、努力している人は羨ましかった。
何かをしたい、何かになりたい、そう思えるものを僕と同じ年で、僕よりも若い年で見つけた人がとても羨ましかった。
僕にも何か見つかるのだろうか?何かの為に勉強して、汗を流すそんな何かを見つけたかった。
テストも終わり、カズの家で溜まっているとケン君が、「あのテストはねぇよな」と言ってきた、僕らも、あれはね、バカにしすぎだねと言った感じだった。
そんな時カズが。
「あれは馬鹿にしすぎだよ、あんな問題分かりっこねぇじゃんなぁ、俺達だれだと思ってんだよ」
マジか!カズさん!
「カズはバカだったんだなっ、あれわかんねぇってヤバいぞ」
「えっ!みんなわかったの?あれは無理でしょ?」
みんな答えない。
「マジかぁ、みんな勉強してるんだな!テスト勉強してるとは思ってなかったよ」
いやいや、俺もしてないし、しなくてもわかるでしょあれは!この時からカズよりテストで点数が低かった奴は、カズにジュースを奢る決まりができた。
カズはこの後かなり張り切る、ジュースと言う餌に食いついて張り切った、卒業までに1本もカズの手元にジュースはこなかった。