表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ただ想うは君のことと・・・  作者: 小柴屋 歩夢
一章
5/52

美菜さん

「おい、歩美、なぁ〜!」


「んっ!どぉした?」


「どぉしたじゃなくって、どぉだよ?可愛くね?」


「あっ、あぁ可愛いって言うか綺麗な人だな」


「いやいや、あれは可愛いでしょ?」


 違った、僕とジュンが見ていた人は違う人だった、綺麗な女性と一緒に歩いている3人組の1番奥の人!


 1番奥を歩いているのに、1番手前を歩いているかの様な存在感!1人だけ違うオーラを出し!


 ルーズなのにルーズでいられないソックスを履いて、大きな声で笑いながら、コーラの1リットルペットボトルを持っていた、500に見えるが1リットルだ!


 やっぱりジュンさん、あんたスゲーぜと本気で思った。


 そんな時、ちょうど登校して来たカズが声をかけてきた。


 カズは高校が地元にあり、家が近いからと言う理由で今の高校を選んだクラスメイトだ、中学の頃は知らないが地元では少しヤンチャな子だったらしい。


 多分家が近くなくてもこの高校か、同レベルのもう1校くらいしか、行ける所はなかったと言うのは、1番最初のテストですぐにバレることになる。


 そしてカズの家がみんなのたまり場になるのは、この時から決まっていたんだと思う。


 そんなカズが僕達が見ている方を見て言ってきた。


「あの女の人はやめときな、どうせ見てるの美菜さんだろ?あの人は俺らの1っこ上の花山さんと付き合ってるから」


「へぇ〜、美菜さんって言うのか」


「おい!だからやめとけって歩美、メチャクチャヤンキーだ、学校も行ってないし、よくそこら辺で暴れてる危ない人だから、自分の女に手出したとか知ったらすぐに目つけられてやられるぞ」


「はいよっ、わかった気をつけるよ」


 そうは言ったが、全然心はそう思っていなかった、美菜さんか、やっぱり彼氏はいるよな、でも諦めない、多分諦められない、でもどヤンキーかよ、殴られるのやだなぁ・・・


 僕は不良グループにいたが、だからって喧嘩が強いわけでもないし、好きでもない、むしろ嫌いだ

殴っても殴られても痛い、その後心も何か痛くなる。


 平和が1番だ、でもまだ何もしてないのに、この時、ボコボコに殴られる事は覚悟した。

 はぁ〜、痛いのやだな。


 小心者で度胸もない僕、出来るだけトラブル回避がポリシーと言ってもいい僕、そんな僕が初めて自分からトラブルに巻き込まれる覚悟を決めた日。


 そしてこの先、この花山と言う男の人が、僕の人生に大きく関わって行くことになるとは、この時の僕はまだ知らない・・・







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ