違う人
五月も終わりごろになると僕の町でも暖かい、主な足がバイクの僕にはこのくらいの気温がちょうどいい
今日は朝から、ジュンが自転車パンクしたから迎えに来てと電話してきたので、少し遠回りになるがジュンを迎えに行った
「歩美~やっぱバイクは速くていいな、俺もお前と一緒に取り行けばよかったな」
「もう車の免許取れるんだからいらないでしょ」
「今更いらねぇけどさ、お前と同じ時期に持ってたら楽だったなと思ってさ、そういえばケン君は?」
「ケン君は先行ってるって、何でジュン迎えに行かなきゃいけねぇんだって、歩いて行かせろって言ってたよ」
「たまにはいいじゃねぇかよな、てかケン君は歩美にだけしか優しくできねぇんだよ」
「ははっ、そんなことないよ、ケン君はみんなに優しいよ」
「そうかぁ、俺には優しくねぇけどな」
「そんなことないよ」
いつもとは違う道を、いつもとは違う人と学校に行く、たまにはこういうのもいいかな
僕は小心者なせいか、新しいもの、こと、が苦手だ、いつも通りが落ち着く
違う人か、美菜じゃない人と話してみるのもいいのかもな、今度タカ君に誘われたら顔出してみるかな
「歩美さ、卒業したらどうすんの?」
「まだ何も考えてないよ、ジュンは?」
「俺も別に考えてないけど、取り合えず専門でも通うかな」
「ふ~ん何の専門いくの?」
「まだ決めてない、何でもいいんだ、まだ働きたくねぇだけ」
「働くねぇ、想像できないよね」
「できねぇよな~」
学生をもう少し続けるか?社会人になるか、人生の大きな節目、それなのに僕は今まで、何も考えてこなかった、何かやりたいことが見つかるだろうと思っていたが、いつの間にか後一年もすれば卒業だ
美菜を見てからずっと、僕の中心は美菜だった
後悔なんてしてないけどね、でも卒業したらどぉしようかな
やりたいこと?ないな、、少し興味があるのはファッション関係、美容師もいいかも、ちょうど世間でカリスマ美容師なんてのが出てきた時代だ、カリスマねぇ、誰か有名人が紹介すればなれるんじゃないの?
はぁ~どうするかな
そんなことを思いながらジュンと学校に行った
教室に入るといきなり
「おお、二人ともおせぇんだよ、今週飲みどうだ?」
「タカ君おはよっ、最近タカ君とはその話ししかしてない気がするけど」
「タカ君今週なら俺行くよ、華ちゃんそういうのうるさくないし、俺は華ちゃん一筋なのしってるから」
「よし、一人確保歩美は?」
「美菜に聞いてみるよ、美菜がいいって言えば俺も行ってみるよ」
「何!ついに来る気になったか!よし歩美来るなら、ちょっとレベル高いの攻めてみるか」
「まだ行くとは言ってないからね、美菜にきいてからね」
「わかってるよ、ちょっとセッティングしてくるわ、じゃ歩美たのんだぞ」
いきなり現れて消えた、ダブリン
タカ君も先の事考えたりするのかな?ないな
美菜に今日聞いてみるかな・・・




