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ただ想うは君のことと・・・  作者: 小柴屋 歩夢
一章
4/52

春の風

「居たか?」


「居る!あそことあそこ、あっちとこっち、一杯居る見渡す限りじゃないけど、かなり居る」


「ああ、綺麗だな、でもみんな細い!細すぎもう少し膨よかな、ほらあそこの人みたいな!」


 ジュンは多分デブ専だ、指差す人がみんな太い、ポッチャリじゃない、デブだ!

 

 失礼だけどあえて言おうデブだ!


 でもこれで、ジュンと好きな人がカブる事はないと、確信してホッとした、友達同士でも異性が絡んで仲が悪くなる事は多い、女の人ではよく聞くが、男だって一緒だ、そうならないようにとは思っていても、なる時はなる。


 僕は友達同士で気になる人がカブったら何も言わずに身を引く、この先の人生で、この年で付き合った人、好きになった人と一生一緒に居る人が何人居るのか?


 多分かなり少ないと思う、それよりも、男友達はなんだかんだ付き合いがあると思っていた。


 だから友達を大事にしたい、うまく言えないけどその時の僕は、友達第一主義だ、そんな事を考えているとジュンが言った。


「あれだっ!歩美あれだ!」


 校門を入ってすぐの木の下で人間観察をしていた僕達、ジュンが校門の方を指差した!


 はいはい、ポチャリ発見ね、そんな事を思いながら、ジュンが指差す方を見た。


 茶色く染めたストレートロングの髪に、ミニスカート、そこからすらっとした細い足が見えた、今では見ないルーズソックスも僕にはとても魅力的で眩しく見えた。


 ふと、後ろからの風に髪がなびき、髪をかきあげた時に見えた切れ長の目、少しつり目なのか恐そうな、冷たそうな目、綺麗なヤンキーネェちゃんと言う言葉がピッタリな人、目を奪われた。



 何かとても変な感じがした、気になると言うより、気にしかならなくなった、彼女の事をもっと知りたい。



 惚れました、はい!一目惚れの出来上がりです!

 なんだよ好きになるなんて一瞬だな、憧れとか、そう言うのではなくて、好きだとはっきりわかるような、なんとも言えない気持ちになった。


 僕の町は山に囲まれているせいなのか、もう4月の終わりなのにまだ寒い、冬はスタッドレスが欠かせない位に雪が降る。

 この町のやな所は?と聞かれれば、真っ先に寒いと言うだろう、本当に寒いのは嫌いだ。



 それでも今日は日が暖かく、少し生暖かい風が吹く、春が来たと感じさせる生暖かい風と、春の匂いがした、そんなこれからを祝福するような日に、僕は1人の女性に恋をした。



 この先・心に傷みだけが残る・そんな恋をした・・・


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