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ただ想うは君のことと・・・  作者: 小柴屋 歩夢
二章
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硬いモノ

 ドッドッドッドッ、気付きました?


 僕、スティード買いました!アイボリーのスティード買いましたよ。


 黒にしようか迷ったんだけど、アイボリーにしましたよっと、車なら絶対黒なんだけど、黒一択なんだけどバイクはね。


 浮かれてそうですが、本当は全然元気がない、むしろ落ち込んでます、いや、落ち込んだ所を打ち込んだ感じ、美菜と連絡取れなくなりました。


 告白した日から一週間以上連絡が取れない、電話をしても、居留守なのか、本当に居ないのか繋がらない、学校で見たとは聞くけど、僕は見ていない。


 今と違って携帯がないからどうしようもない。


「どうした歩美、具合でも悪いの?」


「あージュンか、具合は全然大丈夫、たた病んでるだけ」


「美菜さんと何かあったか?」


「うん、連絡取れなくなった」


「うわっ重いヤツじゃん」


「そうそれ、重いヤツですよ、学校ですら見かけないし」


「でもこの前、華ちゃんと歩いてたから、学校には多分来てるぞ、一回ちゃんと話ししてみろよ」


「出会うことがあったらね」


「大丈夫だよ、話したくなったら俺が華ちゃんに言ってやるから」


「うん、ありがとね、でも怖くて話せないかも」


「まっ、その気になったら言えよな」


「うん」


 連絡が取れなくなって時間が経つほど、会うのが、話すのが怖くなる、何て話しかければいいのか?何て言われるのか?想像だけが膨らんで、どんどん怖くなる。


 もう夏も終わる、すぐに寒くなってきて、冬がくる、あと一回冬がくれば美菜は卒業だ。


 このままじゃダメだよなと思いながら、びびって一歩踏み出せない、そんな弱い自分が嫌いだ。


「おい歩美、また花山来てるぞ、呼んでこいって」


「タカ君、俺は貝になりましたって言っといて」


「そんなこと言ったら、俺が何されるかわかんねぇだろ、ちゃんと伝えたからな」


「わかってるよ、行ってきますよ」


 何だ、今度こそ殴られるか?今の僕は1発殴って貰った方がいいかもな、1発以上はダメですよ。


 はぁ~貝になりたい、硬い貝、適当に言ったけど貝にでもなりたい気分、石でもいいか、何か硬い踏まれても、叩かれても大丈夫なものになりたいな。


 そんな事を考えながら歩いて行くと、前回と同じ場所に花山さんがいた。


 タンクトップにダボっとしたハーフパンツ、いやハーフよりも長い、そして前回と同じサンダル、オシャレ要素はゼロだ、僕が気付いてないだけかもしれないがゼロだと思う。


「お疲れです花山さん、呼びました」


「よぉ~歩美君、勉強してるか?またちょっと付き合えよ、コーヒーくらい奢るからよ」


 拉致られました、2回目の拉致です・・・


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