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ただ想うは君のことと・・・  作者: 小柴屋 歩夢
一章
2/52

ボロい校舎

「ボロい学校だな!」

 同じ中学校のケン君が言う、今日は高校の入学式、ケン君と僕は一緒に来た普通科の友達と別れて工業科の方に歩いていた。

「だね、でも俺は、ボロくてもいいからもう少し近くがよかったよ!」



 ケン君は100キロはある大きな体で、いつもふざけた事を言って人を笑わせている、そんなケン君の周りには自然と人が集まって来る。


 あまり自分から話せない僕には色々話してくれる、ケン君は居心地のいい存在だ。


 そして僕達の住む町は回りを山に囲まれた田舎町、田舎と言っても電車も通っているし、ショッピングモールもあるので不便を感じる事はないけど、都会に比べればど田舎だ。


 ちなみに数年後には新幹線も通るらしい


 僕達が通った高校はそんな田舎町から、自転車で3、40分位かかる木造校舎、築ざっと50年位の学校だ

とにかく遠い、電車で来る人もいるが、学校から駅まで歩いて20分くらいかかる事を考えると、自転車の方がいいかと言う話で自転車になった。


 学校は2メートルくらいの壁に囲まれていて、その上を更にバラ線が3本くらい引いてある、授業中に塀を越えて出て行く生徒が多いためそのような形になったらしい。

「刑務所かよ」


 教室のドアは木でできていて歪んでいる、ストーブもヤカンを乗せるようなストーブ、窓ガラスも薄くてすぐに割れそうだ、寒いのが大の苦手な僕にとって、冬場は物凄く辛そうな学校だ。


 とにかく第一印象はボロいの一言、中学校が、僕達が一年生の時に建て替えられた新築校舎だったのでギャップがすごい!


 ケン君と工業科へと歩きながら、周りを見ても知らない顔が沢山いる、むしろ知らない顔しかない、まっ、一学年で10クラスもあるので、当たり前なんだけど、多分卒業までに同級生の顔を全部覚える事はないと思う。


「早く中免取って楽しようよ」


「そうだな、早く単車に乗りてぇーな、今年の夏までには免許取って、フェックスちゃんで登校だな」


「あっ!俺は3月生まれだから来年の今頃までは送り迎えお願いね」


「おお」


 ケン君は中学の頃からZ400FX通称フェックスに乗るのが夢だ、実現可能な小さな夢、でもその頃の僕等には大きな夢で、それが叶えば何かが変わる気がしていた。


 ちなみに僕達が通う高校は、中免はもちろん原付も校則違反だ。


「また後でね」


「おお」


 そんな話をしながら工業科のクラスの前まで来て、ケン君と別れた、同じ工業科だが、2クラスあり、ケン君は1組僕は2組と見事に別れた。


 今日からまた新しい生活が始まる、小心者の僕は期待より不安の方が大きかった・・・



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