表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ただ想うは君のことと・・・  作者: 小柴屋 歩夢
一章
19/52

告白

「ねぇ、歩美君は何色が好き?」


「白と黒かな」


「ふーん、じゃあ、食べ物は?」


「カレーと肉」


 僕達は今、人がほとんど来ないベンチで話しをしている、話しと言うか美菜さんの質問攻めだ。


「ふふ、意外と男っぽい物が好きなんだね」


「男の子だからね、カレーだったら毎日でもいいよ」


 僕は偏食ではないが、好きな物なら毎日でも毎食でも食べられる、家族がそれについてこれないだけで、僕は平気だ。


「ふーんそうなんだっ、じゃあ好きな服は?」


「この服が好きって言うのはないかな、流行りとかもあんまりわからないし、見ていいなと思った物って感じかな」


「歩美君、オシャレ君だから、こだわりあるのかなと思ってたんだけどないのか、初私服だけど、歩美君学校でも制服ほとんど着てないでしょ」


 僕の学校は学生服だ、でもこだわってるわけじゃないけど、上は私服で、下も学生服っぽい黒のパンツだった、学ランは年に2、3度くらいしか着た覚えがない。


 それを誰も注意して来ないくらいゆるい学校だ。


「うん着てないね、こだわりはないんだけどね、でも人と同じはヤダかな、美菜さんは?服好き?」


「うん好き、雑誌とかもよく見るよ、じゃあ次っ、好きな人はいる?」


「美菜さん」


 何の迷いもなく答えていた、緊張もなく、普通の会話のように、長く付き合った2人が、好きだよ、私も好きみたいな、自然な流れで美菜さんと答えていた。


「えっ!」


「俺の好きな人は美菜さんだよ、でも美菜さん彼氏いるでしょ、だから付き合ってとかは言わないよ、重くなってウザがられるのヤダし」


「彼氏いるの知ってたんだ、いつから知ってたの?」


「最初から、初めて見た日から知ってたよ」


「歩美君は優しいと思ってたけど、案外意地悪なんだね」


「だから、優しくないよって言ったじゃん」


「うん、言ったね、、、美菜も歩美君好きだよ」


 

 キスされた・・・



「彼氏も好きだけど、歩美君も好きっ、だめ?」


「だめ?って聞かれればダメだと思うけど、俺は美菜さんが好きだから、今は2番か、3番か知らないけど、いつか1番になって、最後は俺だけを想ってもらえるようになるから、そしたら結婚してよ」


「あははっ、歩美君は本当面白いね、付き合ってトばして結婚してって言われたの初めてだよ、周りでも聞いたことないよ」


「結構本気で言ってんだよ、俺」


「そっかごめんね、うん、わかった、そうなったら結婚してね、それに美菜が好きって言ったのも嘘じゃないからね」


 もう外は寒く、いつ雪が降ってもおかしくない、僕はそんな大嫌いな季節に、大好きな人に告白した。


 痛くて、痛くて仕方ない恋だとは知らずに・・・




第1章 完


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ