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ただ想うは君のことと・・・  作者: 小柴屋 歩夢
一章
11/52

ババコン

 今僕は病院にいる。


 自滅して車のボンネットに顔から突っ込んだ、親切なサラリーマンの方に病院まで連れて行ってもらい6針縫って待合室で会計待ちをしている所だ。


 家に、車にぶつかったと電話をしたら、婆ちゃんが親戚のおばさんの車ですっ飛んで来た。


 今は僕が突っ込んだサラリーマンの方と色々話している、その姿を見つけて僕もその場に行った。


「あの、すいませんでした」


「いや、そこまで大した怪我じゃなくてよかったよ、でも6針縫えば大けがだよね、お大事に」


「本当すいませんねぇウチの子が、いつも心配しかかけない子で」


「婆ちゃんもごめんね、心配かけて」


「あんまり心配させるんじゃないよ」


「うん」


 車の方は傷も無いし、もし何かあれば又連絡すると言うことで話はついた。


 ボンネットの辺に顔から突っ込んだらへこんでいると思ったが当たり所が良かったのか、悪かったのか硬いところに当たったみたいだ。


「おばあさんに心配かけないようにね、それじゃお大事に」


 サラリーマンの方は、最後までカッコよく去って行った、イケメンではなかったが、心がイケメンなサラリーマンだった、略せばイケメンサラリーマンだ。


 もし誰かに話す時があれば、略して話す事にしようと思う。


 僕の家は父親がいない、でも母親の実家に住んでいるので結構な人数になる。


 祖父、祖母、母、僕、弟、妹の6人家族、だからなのか父親がいなくてさみしいとか思った事は1度もない、ちなみに死別ではなく離婚だ。


 婿養子だったので色々あったのかなと勝手に思っている、僕が中学1年の時に離婚した。


 僕の母はバリバリのキャリアウーマンで、朝から晩まで働いている、休みがあっても平日で、とにかくよく働く。


 多分子供3人育てるのに必死だったんだと思う、養育費も一切貰わず、本当に金銭面では母1人で何とかしてくれた、感謝している。


 弟の拓美タクミは四つ下、妹の美南ミナミは五つ下、年は離れているが仲良くやっている。


 ご飯などは全部婆ちゃんだ、だからなのかわからないが、僕は婆ちゃん子、バリバリの婆ちゃん子、マザコンじゃなく、ババコンだ。


 婆ちゃんによく言うのは、「俺が死ぬまで死ぬなよ」だ、多分婆ちゃんがいなくなったら僕はダメだ、想像しただけで悲しくなってきた。


 あっそれと爺ちゃんは無口、ほとんど喋らないが、夜酒を飲んでは茶碗を割っていた、アル中だ

ヤダくなる、ああいう酒飲みにはならないと心に誓っていた。



 僕はその日学校を休んだ・・・


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