第5夜 ミョルニル(Mjollnir)
前回より間が空いてしまいましたが、元々が気が向いたときにやろうというものなので、ご容赦願いたいです。
出典 北欧神話
所有者 トール
マッチョな神(雷神)の戦槌
別名、『トールハンマー』。というか英語名です。
雷神トールが所有する戦槌です。
ミョルニルとは『打ち砕くもの』を意味します。
マッチョな神様、トールですら扱いに苦労する重さがあるようで、鉄の手袋『イアン・グライベル』をはめたうえ、四肢の力を増強させる力の帯『メギンギョルズ』を装備したトールとトール以上の怪力の持ち主マグニ(トールの息子)にしか扱えなかった。
また、扱いを難しくしているのが戦槌にしては短い柄の長さ、これは製作時にロキの妨害にあったためらしい。
特殊能力として、敵に投げれば必ず命中し、自動的にトールの元に戻ってくるという能力がある。これはグングニルとまったく同じ能力で、おそらくグングニルと同じルーン文字がどこかに刻まれているだろう。
流用されている作品としては一番に思い出すのが『銀河英雄伝説』。イゼルローン要塞の主砲『雷神の槌』として名前が流用されています。
まあ、銀英伝は艦名などに北欧神話やギリシャ神話から流用が多いですから、知ってると少しだけいい気分にさせてくれます。
他の能力として、トールが農耕神としての側面を持つためか、掲げ祈ることで、子供には健やかな成長を、花嫁には子宝を、死者には安らかな眠りを与えるなどのシーンも多い。
そのためか結婚式や新婚家庭においてミョルニルのアクセサリーは人気があるそうです。
ミョルニルにはおもしろいエピソードがあって、巨人族にミョルニルが盗まれた時、トールは慌てふためき取り返しに行くのだが、フレイヤと交換だと断られる。
もちろんフレイヤは激怒してしまう。
何故そこで正直にフレイヤに話してしまうかなぁ。話す前から結果は分かりきっているのに。
そこでロキ(トールとロキは結構いいコンビ)が妙案を考え出す。何と2人は女装して巨人の国へと向かうのである。(妙案なのだろうか…… ロキのことだから、いたずらの可能性も……)
古今東西、女装して敵を油断させる話は数多あるのだが、信じられないことに、巨人達はそれに騙されてしまうのだ。
こういう策略を使う英雄たちは二枚目の優男というイメージがあるのだが、トールのイメージとしては優男でなく、厳ついマッチョマンだ。姦策や計略に弱いという面もマッチョなイメージに拍車をかける。
それが北欧神話界一の美女、フレイヤに化けるのである……
なぜ騙される…… (苦笑)
幾多の危機を口先で潜り抜けてきたロキの話術をもってしてもどうしようもないように思えるのだが、実は二枚目の優男だったのかトール。それとも美女とマッチョの見分けも付かないほど浮かれていたのか巨人達。
そして、巨人達を打ち倒しミョルニルは無事トールの手に戻るのであった。
次回どうしようかなぁ。
北欧神話でも『ミストルティンの槍』とか『ティルフィング』とか残ってるのだけど、日本神話もすこしやってみたいなぁ。
何かリクエストなどがあればコメントください。