表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/9

第4夜 バルムンク(Balmung)

本来なら大元である『グラム』で紹介したほうがいいのでしょうけど。

名前の響きと形状がはっきりしているということで、『バルムンク』として紹介します。


 出典   北欧神話

 所有者  シグムンド(ジークムント)、シグルド(ジークフリート)



 3つの名を持つ剣


 まずは、大元となったとされる『グラム(Gram)』。

 北欧神話に登場する武器。 その名は古ノルド語で『怒り』を意味する。

 『ニーベルンゲンの歌』の『バルムンク』、『ニーベルングの指環』の『ノートゥング』のモデルとされる。

 長さ 2メートルの長剣で、シグムンドやその息子であるシグルズが扱った魔剣とさ れ、オーディンが作り、シグムンドに託された物だが、またオーディン自身がグングニルの一撃で砕いた。これはシグムンドを勇者と認め、その魂をエインヘリャルとしてヴァルハラに迎える為であった。

 その後、グラムはシグルズと共に鍛冶屋のレギンのもとに渡り、レギンはこれを修理し、竜の姿をした魔人ファフニール(実はレギンの兄)を倒す為にシグルズに与えるが、自分自身もシグルズに倒される事になる。


 『ニーベルンゲンの歌』の『バルムンク(Balmung)』。

 幅広で黄金の柄には青い宝玉が埋め込まれた剣、鞘は金色の打紐で巻き上げた宝剣。

 本来はニーベルンゲン族の宝だったが、財宝の分配を巡って争ったジークフリートが奪い取り、ニーベルンゲン族を斬り捨てるのに使う。その後、ジークフリートの愛剣として、数々の軍功を挙げた。

 ジークフリートが暗殺された後、ハーゲンはニーベルンゲンの財宝をライン川に沈めるが、バルムンクだけはとっておき、自分の剣とした。その後、ハーゲンを捕らえたクリームヒルトは、バルムンクでハーゲンの首を刎ね、夫の復讐を果たした。


 オペラ『ニーベルングの指環』の『ノートゥング(Nothung)』。

 オペラ自体が北欧神話をベースとしているため、グラムとほとんど一緒です。

 シグムンドが『ジークムント』、シグルズは『ジークフリード』に変わっていることぐらいか。


 いろんな側面を持つ剣ですねぇ。


 アニメ『蒼穹のフィフナー』で、人型兵器ファフナー・ノートゥングモデル『マークエルフ』として名前が流用されています。

 あと、なにかあったかなぁ?


 面白い説にオーディンが真の勇者を探すため、トリネコの樹(りんごの木という説もあります)バルムンクを突き刺し、『これを抜いた者を王と認める!』として、ジークムントを見出したとする話もある。

 第1夜の『アーサー王伝説 (エクスカリバー)』と共通性を感じませんか?


 竜殺しの剣 (ドラゴンスレイヤー)


 どの話でも、シグルズ(ジークフリート)は竜を倒し、竜の返り血を浴びたことによって不死身となっています。弱点も同じく背中に木の葉(月桂樹)が付いたため、その部分のみ普通の人と同じ。

 その剣は竜殺しの剣、ドラゴンスレイヤー、またはドラゴンキラーといってよいでしょう。


 これといって特殊能力はないですねこの剣。

 切れ味が鋭く、鉄より硬い竜の鱗ですら一撃で貫けることぐらいでしょうか。

 まあ、それだけに流用はしやすいと思うのですが、流用されているのをあまり見かけません。





『ニーベルンゲンの歌』と『ニーベルングの指環』については、私の小説『天駆ける戦乙女の翼』の中の『戦乙女の補習授業 2時限目』にて、もう少し詳しくやっています。

興味のある人は一読してみてください。



次夜は『ニョルニル(Mjolnir)』。別名『トールハンマー』です。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ