第3夜 レーヴァテイン(Laevateinn)
出典 北欧神話
所有者 スルト
全てを焼き尽くす炎の剣
最終戦争ラグナロク(神々の黄昏)において、世界樹ユグラシドルそして世界すら焼き尽くしてしまう剣。(ラグナロクは過去に起った神話ではなく、これから起ることだとされています)
レーヴァテインは、七つの世界を結ぶ世界樹ユグラシドルどころか、世界すらも燃やしつくしてしまう剣だ。人間の使う聖剣や魔剣とは破壊力のケタが違う。
直訳すれば『災いの枝』となる。『Laeva』は「破滅、災厄」を意味し、『teinn』は「枝、杖」を意味する。
「○○の枝」で「剣」を意味するというものがあり、レーヴァテインは剣であるとされることが多い。
日本では、レーヴァティン、レヴァンティン、レーヴァンテインなどのカタカナ表記が用いられるが、後者2つに関しては原語表記を見る限り正しいとは言えない。
所有者は、炎の国ムスペルヘイム(Muspelheim)の王スルト(Surt:黒)。
スルトはラグナロクにおいて巨人族に加担、虹の橋ビフロストを、魔犬ガルムを伴って渡り、神々の中でも万能を誇るフレイと対決、これを倒している。(このとき持っている剣はレーヴァテインとは別物という説もある)
フレイは所有者を必ず勝利させる剣(銘は不明)を所有していたが、妻を娶るため御供の者に貸し与えていたためスルトに敗れる。(このフレイの勝利の剣こそ、レーヴァテインだとする説もある)
ちなみに、このときフレイは鹿の角を武器にスルトと戦い、その戦いは長期化している。
それこそ核兵器に匹敵するほどのレーヴァテインを持つスルト相手に、鹿の角で渡り合うとは(恐るべしフレイ)
竜殺しのバルムンク(4夜にて紹介予定)とまではいわないが、もう少しマシな武器はなかったのだろうか……
流用されている最近の作品といえば、アニメ『魔法少女リリカルなのは』シリーズで、シグナムが使用するアームドデバイス、「炎の剣 レヴァンティン」として登場しています。
あと、ライトノベル『フルメタル・パニック!』に、アーム・スレイブ(機動兵器)『ARX-8 レーバテイン』として登場。
私の作品『天駆ける戦乙女の翼』でも、剣型の武器として登場させる予定です。
レーヴァテインを鍛えたのは、北欧神話界のトリックスターこと奸智の神『ロキ』です。
ロキはルーンを唱えながら剣を鍛え上げ、完成後は『レーギャルン(絶望)』という箱に収め、九つの鍵がかけられたうえ、どのような経過か不明だが、スルトの妻シンマラに預けられた。
シンマラの家の前には2頭の番犬がいて、その番犬の気をそらしてレーヴァテインを手に入れるには、世界樹ユグドラシルの頂上にいる雄鶏ヴィドプニルの羽が必要。
しかし、ヴィドニプルを仕留めるにはレーヴァテインが必要だという堂々巡りの罠が張り巡らされています。
このレーヴァテイン、基本的に炎の剣という以外には特殊能力はありません。でも上記で書いたようにこの炎の剣の威力が半端ではなく。そのままの能力で作品に流用させるには難しいですね。
次夜は『バルムンク(Balmung)』を予定しています。
その次が『ニョルニル(Mjolnir)』あたりかな。
もし取り上げて欲しい幻想武器があれば、感想までよろしくお願いします。
ついでに評価も入れてくれればうれしいです。