お見舞い
やっと夏休み・・・
夏休みは更新が少なくなると思います
「たしかこのあたりのはず・・・」
地図を見ながら歩いていると地図の場所に着いた。
「まさかここか?・・・」
そこには家というよりは城のような豪邸があった。
何かの間違いと思い何度も場所を確認したが、場所に間違いは無かった。
「なんてでかさだよ・・・」
門だけでもかなりの大きさだ。
近くにあったインターホンを押すとディスプレイに燕尾服を着たやさしそうな顔つきの初老の男性が映った。
「どちら様でございましょうか?」
「俺はシルヴィア・・・」
シルヴィアの名前を呼ぼうとしたら初老の男性の目つきが背筋がこおるほど鋭くなった。
「・・・さんの友人の四季神人です」
初老の男性はもとのやさしそうな顔に戻っていた。
「本日はどのようなご用件で?」
「シルヴィアさんのお見舞いと届け物を届けにきました」
「わかりました少々お待ちください」
一分ほどしてから門が開き、先ほどの男性が歩いてきた。
「お待たせいたしました。それでは姫様のところへご案内します」
「・・・姫様?・・・」
きっと俺の聞き間違いだろう。
◇ ◇ ◇
屋敷の中はとても広く案内が無ければ確実に迷ってしまうだろう。
「ここでございます」
案内された部屋はドアの装飾からして他の部屋と違って豪華だった。
「失礼いたします」
男性がノックをしたら
「じいやか、カミトも一緒なんだろ?入ってくれ」
どうやらこの男性はじいやと呼ばれているらしい。
「失礼いたします」
部屋に入るとカミトは驚いた。
シルヴィアの部屋はとても豪華でとても広かった。
カミトが驚きのあまりほうけていると
「では姫様、私は失礼いたします」
じいやはそういって出て行ってしまった。
やはり聞き間違いではなく姫様といっていた。
「え~っと・・・」
突っ立ていてもしょうがないのでシルヴィアが寝ているベッドのそばにあるいすに腰掛けた。
シルヴィアはパジャマ姿でなぜか妙にどきどきしてしまう。
「驚いただろう?」
シルヴィアが少し沈んだ声で言った。
「まぁ、さすがに驚いたな・・・」
「それに姫様って?」
「私の親はどこかの国の王位継承者の一人だったらしい。それで私は姫様扱いだ」
シルヴィアはどこか自嘲的につぶやいた。
「らしいって?」
「私の親はどちらも病気でなくなっているんだ。だからどこの国の出身なのかもわからない。じいやたちに聞いても私の親に口止めされていると言って教えてくれないんだ」
「・・・悪い無神経なこと聞いて」
「気にしないでくれ。もう昔のことだ」
なんとなく気まずい雰囲気が流れる・・・
「ところでカミトは私が姫様と呼ばれていてどう思った・・・」
声が少し震えている。
「どうって、びっくりしたな」
「それだけか?」
「それだけ。別に姫様でもシルヴィアはシルヴィアだろ?」
「そ、そうか」
さっきとは打って変わったうれしそうな声だった。
「・・・ありがとう・・・」
シルヴィアはカミトに聞こえない小さな声でつぶやいた。
「どうした?顔が赤いけどまた熱出たのか?」
そういってカミトはシルヴィアのおでこに自分のおでこを当てた。
「ひゃっ、カ、カミト、ちっ近・・・い」
カミトとシルヴィアの顔の距離は十センチと無い。
「う~ん。熱は無いみたいだな」
シルヴィアの顔は湯気が出そうなほど真っ赤だ。
「(び、びっくりした・・・。カミトの顔があんなに近くに・・・)」
「あ、そうだシルヴィアに渡すものがあったんだ」
「渡すもの?」
「あぁ先生が規則だから渡せって言ってたんだ」
あのペンを渡すと
「ペン?」
「魔物に対して目くらまし効果がついてるペンだよ」
「・・・いらなくない?」
「俺もそう思う・・・。それとこれは俺から」
カミトは音符のキーホルダーをジルヴィアに渡した。
「たいしたものじゃないけど一応お見舞いの品」
「ありがとう!大切にする」
シルヴィアはとてもうれしそうだ。
ここまで喜ばれるとは予想外だが喜んでくれてよかった。
それから二人はしばらく話していた。
◇ ◇ ◇
「もうこんな時間か、クレアが待ってるからそろそろ帰るよ」
「うん、たぶん明日には学校に行けると思うからまた明日学校でね」
「またな」
シルヴィアの部屋を出るとアルティがいた。
『カミトありがとうね』
「何が?」
『シルヴィと今まで通りに接してくれて』
「どういう意味だ?」
『シルヴィは昔この家に友達を呼んだら、周りの子たちから違う存在のように避けられたのよ。あの子はあなたもそうなってしまうのが怖くてしょうがなかったのよ・・・』
「そうだったのか・・・」
だから声が震えていたのか。
「安心してくれよ。子供でもあるまいしそんなことでシルヴィアを避けたりしないよ。それにシルヴィアは大切な友達なんだし」
『そ、そう・・・』
『(この朴念仁は・・・。がんばれシルヴィ・・・)』
そういったアルティの顔はどこか複雑そうだった。
「それにしてもアルティはシルヴィアが大好きなんだな」
『当たり前じゃない』
アルティは満面の笑みで答えた。
「ふふ、仲がよくて何よりだよ。それじゃあまたな」
『まったね~』
こうしてカミトは家へと帰っていった。
無理矢理な感じになってしまいました




