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思い出は、勝手に追いかけてくる

夢を見た。

小さな公園。

ブランコ。

夕焼け。

「咲、こっち!」

そう言って笑う女の子。

――えみる。

目が覚めた瞬間、

胸が苦しくなった。

(……なんで、今さら)

小学生の頃。

私は、齋藤えみると、いつも一緒だった。

何でも話した。

秘密も、夢も。

将来のことだって。

でも――

ある日、喧嘩をした。

理由は、今思えば些細なこと。

でも、あのときの私は、引くことができなかった。

「もう知らない!」

そう言って、背を向けたまま。

数日後。

えみるは、引っ越した。

何も言わずに。

何も伝えないまま。

それっきりだった。

「……」

登校中、無意識に足が重くなる。

教室に入ると、凪が手を振ってくれた。

「おはよう、咲」

「おはよう」

その声で、少しだけ救われる。

でも、

授業中も、

休み時間も、

頭の中には、えみるの姿がちらついていた。

放課後。

昇降口で靴を履き替えていると、

視線を感じた。

顔を上げる。

そこにいたのは――

「……久しぶり、咲」

齋藤えみるだった。

声は、昔と変わらない。

でも、少しだけ距離がある。

「……えみる」

名前を呼ぶだけで、喉が痛くなる。

「話、できる?」

私は、うなずくことしかできなかった。

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