時間がある?なら仕事だ
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ゲームの中で仕事を始めてどの位の時間が経っただろうか。タスクも大分消化したと思うんだけど、無限に伸び続けるタスク。これはあれだ。2年間のブランクを大きく感じる仕事量だ。昔はこうだったよ。短い納期、突如やってくる赤切符。徹夜上等のブラック企業。そうそう。こんな感じだったなと思いだしている所なんだよ。これでも仕事は長く続けてきたからな。こんなことは日常茶飯事である。まあ、今の環境がどれだけ優遇されているのかって解るけどな。長い納期、食事もゆっくりと出来る。オートで畑をしてくれるゴーレムも居るし、そもそも仕事をしなければならない訳でもない。出来ればやって欲しい程度の仕事なんだよな。……こんな夢みたいな環境、あってもいいんだろうか。まあ、ゲームなんだけどさ。ゲームなんだよなあ。現実だと首から下は動かないし。ゲーム世界で仕事をやるって事になるなんて思わなかったけどな。けど、案外やれるものではある。基本的には俺が知っている言語と、Kingsの2つの抱き合わせで仕事が来ていたからな。やりやすかったってのはある。まあ、今はKingsだけにはなっているんだけど。それでも大分慣れてきたんだよ。出来ることが増えてきて、嬉しくない訳がない。そこまでの難易度ではない言語というのもあるんだけど、それ以上に感覚的に使える言語というのが大きい。割と自由度が高いんだよな。
「とはいっても、流石に難しいタスクが増えてきたけどな。1つのタスクを終わらせるのに、1時間はかかる様になって来たし、中々手ごわい仕様書もあるからな。まあ、相変わらず検証できないプログラムもあるんだけど。なんでそんなプログラムが必要なんだろうってプログラムも要求されるからなあ。謎過ぎて何の意味があるのかって話になってくる訳で」
まあ、良いとは思うけどな。仕事が出来ているんだから。仕事としてのタスクがちゃんと終了しないと、返ってくるってのが解っているからな。バグがあったりすると、ちゃんと返却されるんだよ。それを修正して提出し直すと、それでOKという訳だ。だから誰かしらが何らかのプログラムに組み込んで使っているんだろうけど、何のプログラムに使うのかが、こちらでは解らないからな。まあ、そういう仕事は割とあるんだけど。仕様書通りに作れば問題ない訳で。
「でも、まあ、そんな事を言いつつも、経験値はどんどんと増えている訳で。レベルが上がるのはいい事だよな。もうちょっとで異形操作がLv100になるんだよなあ。漸くって感じではあるんだけど」
今の所、レベルは50まで上がっている。異形操作もLv97まで上がっている。後3レベル上げれば、晴れてカンストする訳だ。寄り道をしなければ、もっと早かったのか、寄り道したからここまで早かったのかは解らない。まあ、何というか、漸くかって気持ちが大きいのは確かなんだけど。
「でも、そんな事を喜ぶよりも、仕事だよな。仕事を残しているって気持ちが悪いんだよなあ。出来れば、タスクを綺麗にしたい訳で。でも、このタスクはなくならないんだろうなって思いもあるんだよな。昔もタスクは無くならなかったけど、自分でタスクを入力していたから、何がどれだけあるのかは把握できていたんだよな。常に30個くらいのタスクが減らないで維持されていたんだけど、今のタスクは本当に無限にあるからな。何処までやれば、仕事が達成できるのかが解らないんだよなあ。それが辛い所でもある。気合で減らすにしても、何がどれだけ増えているのかが見えないから、どうにもならないんだよな。増えているのはそうなんだろうし」
タスクの管理は俺の仕事ではない。病院側がやっているのか、企業側がやっているのかも不明である。だからとにかく数を減らすことを目的にどんどんとタスクを片付けている訳なんだけど、思ったようには減らない訳で。無限に出てくるんじゃないだろうな。実は底なしのタスクが広がっているんじゃないか。そう思うようになってきた。……フフフ、良いだろう。戦ってやろう。倒せないタスクは無いって事を証明しなければならない。納期は長いけど、いずれはやらなければならなくなる可能性もあるんだから、今のうちに潰しておく方がいいんだよ。潰せるときに潰しておかないと、赤切符が飛んで来たら悲惨だからな。倒せるときに倒すのだ。暇になることは無いんだから、無限に戦える。タスクを倒し切れば、また以前のように、花を育てる仕事に戻ればいいだけの事。専業だったころに戻ればいいだけの話である。今は兼業農家になってしまったが、このタスクを片付けない事には始まらない。倒さなければならないのだ。
「こういう戦闘なら得意なんだけどな。タスクと戦うのは10年以上も続けているんだし、慣れってあるよね。底無しだけど、いづれは底が見えてくるはずだ。戦って戦って戦うのである。それが俺の仕事だ。こう、仕事をやっている感があっていいよね。集中砲火でタスクを荒らすのって最高だよね。無双系のゲームでは無いんだけど、そういう気分になってくるからな」
因みに、割とKingsは使いこなせてはいる。本当に感覚的に言語を置いておけば起動するからだな。効率化を目指せば、もう少し言語は減らせるのかもしれないけど、タスクの量を考えると、まずは処理した方が良いだろうからな。どんどんと消化していく。早い物に関しては、速攻で片を付ける。まあ、長くても2時間。平均で1時間って感じだろうな。簡単なものについては、どんどんと片付けてしまっている。まあ、それでも普通の言語だと、それなりの長さになるとは思うんだけどな。
「やっぱり思考入力が強いよな。入力速度が反則的だ。思った通りに打ち込めるんだから、バグも少なくていいし。どうしてもタイピングだとミスが怖いからな。思考入力に慣れるまでに時間がかかったけど、慣れたら早い早い。教科書も丁寧で解りやすいし、疑問に思う事も書いてくれてあるしな。ここまで書いてあるなら、そもそもAIにやらせた方が早いんじゃないかとは思うけど、俺の練習には丁度いいしな。どんどんと片を付けて行けばいいんだよ」
通常は8時間勤務だ。ブラック企業でも20時間勤務が限度という感じだ。だけど、ここなら100時間でも200時間でも勤務が出来る。仕事が出来る。満腹度さえ管理すれば、幾らでも仕事が出来るのだ。そんな環境は中々ない。まあ、息抜きに色々と遊びには行っているんだけど、それはそれ。流石にマジックバッグの中身がいっぱいなのに、仕事をするのは勿体ないからな。売ればゴーレムが動き出すんだから、売らない手はない。自然にレベルが上がっていく環境が素晴らしい。これで仕事のお金も発生するんだからな。とてもいい事である。
まあ、それでも、まずは仕事である。優先順位は仕事が1番。ゲームは2番。やれることがあるのであれば、どんどんとやればいいのである。無限に仕事があるんだから、無限に仕事が出来るのだ。終わらない仕事が始まっている。それでも何とか終わらせるのが俺の仕事だ。終わりが見えないのは自分のせいだ。能力が無いからだ。能力があれば、仕事は終わっていくものである。能力が無いものはどうすれば良いのか。時間を使うのだ。無限に時間があるのだから、無限に時間を使えばいい。そうすれば仕事は終わるんだ。終わらないことは決してない。能力があれば終わるのだ。無いのだから時間を使え。競うなら時間で競え。能力のある奴と比べるのであれば、その10倍は時間を使わなければならない。




