表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妖精で行こう  作者: ルケア


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

51/72

黒陣営とは

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

「指揮官より速報、我々赤陣営は21点、白陣営は28点、黒陣営は9点、初日を終えた。ここからが本当の攻勢だ。拠点への襲撃班は準備。食糧庫を破壊せよ」


 お? もう1日時間が経ったのか。時間が過ぎるのが早いな。何よりもここからが本番って感じなんだろうか。相手の食糧庫へのダイレクトアタックが決まれば、勝負は決まったも同然だからな。しかし、黒陣営はどう言う事なんだろうな? そこまで強くないのに出てくるのは、何か意味があるんだろうかね? まあ、考えても仕方がない事ではあるんだけど。そんな事よりも、花を生産しないといけない。俺の役目はそれだけだからな。


「追加の花を持って来たよ。どんどんと作ってあげてよね」


「了解。まあ、余裕がありそうで何よりだけどね。……本当に寝ないでも大丈夫なんだね。眠くならないのかな?」


「問題ないかな。今までも眠いなんて思ったこともないし。ゲームの中で眠るってどう言う事なんだって感じしかしないかな」


「まあ、個人差はあるけどね。私は6時間寝ないと頭がはっきりとしないわ。24時間動きっぱなしは無理ね」


「僕も同意見。こう言ったイベントでは睡眠も大切なんだよね。確かに時間の無駄に感じるかもしれないけど、必要な事だって割り切らないと、パフォーマンスが落ちるからね。普通は、だけど」


「眠くならないからなあ。ゲームの中で眠るってちょっと想像が出来ないし。まあ、戦闘職じゃないから出来る事なのかもしれないけど。所詮は花を育ててって単純作業だからなあ。おっと、それじゃあまた後で。定期的に持ってくるからさ」


「お願いするよ」


 眠くならないんだからどうでもいいよな。……ブラック企業戦士である俺にとっては、睡眠は必要なかったって事なのかもしれない。いつ寝ているのかってくらいには仕事をしていたのは覚えているけど、それは過去の事だからな。今はゲームで忙しいんだし、昔のようには出来ないとは思うけど。昔は酷かったよな。それこそ何度も労基に駆け込んだことか。……労基の入った時だけちゃんとするって感じだったからな。当たり前のようにアリバイ資料を作っていたし。そんな暇があるんだったら、ちゃんと仕事しろよとは何度思ったことか。まあ、昔は昔だ。今はそんな事は無いんだから気にすることはない。今はゲームをするのが仕事なんだし。仕事だからゲームをしているってだけなんだよな。しかもそこまで難しいゲームではないし。簡単だとは言わないけど、難易度の高いゲームかっていわれると、そうじゃないしな。


 死にゲーなんてやっていたらメンタルが壊れてくるだろうし、こう言ったスローライフ系のゲームの方が合っていると思うからな。花を育てて売る。そんなゲームをやれる環境にあるのが有難いって感じなのかな。これがサバイバルゲームだったら、もうちょっと疲労していたりするのかもしれないけど、そうじゃないしね。


 花を育てて渡す。花を育てて渡す。ひたすらにそれを繰り返す。単純作業だけど、やりがいはあるよね。消耗品も余っている訳ではないが、皆が慎重に使っているのは理解できる。それなりに在庫があるらしいからな。一番激しくなるタイミングに備えて置いてあるんだろうとは思う。まあ、酷いタイミングなんて起きない方がいいんだけどさ。でも、普通に起こしてくるのがゲームだろうからな。


「指揮官より速報、白陣営の食糧庫の襲撃に成功。向こうは暫くすれば餓死地獄に入る。それまでに食糧庫を死守する。食糧庫防衛班と遊撃班は何としてでも拠点を守れ」


 おっと。食糧庫の破壊に成功したのか。今で丁度36時間くらいだな。1日半って所になる。これで相手側が敗北に近づいたな。旗を多めに確保させて、陣地を守らせてからの拠点への襲撃か。多分そんな所だろうとは思う。このことから、こちらのアドバンテージを覆すために、必至になって食糧庫に襲撃をかけてくるんだろうけど、それは何としてでも阻止すると。その隙に旗を多めに確保して、防御線に入れば、これは勝ち確定と言う事になる。まあ、黒陣営がどういう動きをするのかが解らないので、勝ったとは言いにくいんだけどな。黒陣営はどうやって動いてくるんだろうな? そっちの動きが解らないから何とも言いようがないんだよ。そもそもプレイヤーなのかが怪しいからな。第3陣営なんて作るだけ無駄だと思うし。


「そういえば、黒陣営ってなんだと思います? 住民かNPCかって思っていたんですけど、何か意味があると思います?」


「黒陣営なら、確定でプレイヤーでしょうね。このゲームって種族がかなりの数、選ぶことが出来ると思うんだけど、初期に選べるのは人類だけなのよね。でも、特定の条件を満たして転生すれば、人外も選べるんじゃないかって言われているのよ。まあ、人外のプレイヤーを知らないから何とも言えないんだけど、人外でプレイをしたいって思っている層も居るって事なのよね」


「人類滅亡を狙っている層だよね。僕も話半分でしか聞いた事がないけど、そういうプレイをしている人が居るっていうのは確からしいよ。1度強制的に転生されられた時に、人外しか選べなかったってプレイヤーが居たのは確認されているからね。だから人外プレイヤーが居るのは確定。でも、話半分しか聞いた事が無いのは、人外プレイヤーがそれを言いふらすメリットが無いからだね。だって、対策してくれって言っているようなものだし」


「あー。人外プレイヤーが居るんですか。となると、最初の転生も運営の仕込みですかね?」


「だろうね。始めから消耗品不足になる様になっていたんだろうと思うよ。そこで、消耗品の大切さを教えると同時に、人外プレイヤーを作ることで、作品そのものの寿命を伸ばそうとしているんだろうとは思うけど。こういうゲームって、レベルが上がったり、スキルが増えたりすると、どうしてもNPCだけでは限界があるからね。それを人外プレイヤーで補うのは上手い方法だとは思うけど。まあ、強制的にやったのはいい事なのかって事は置いておくとしてもだけどね。その結果、ゲームから離れた人も居るんだろうし」


「でも、人外プレイを楽しんでいる層は居る訳。こう言ったイベントに参加できないのは流石にでしょう? だから人外枠を作っているんだと思うわね。まあ、気にする事は無いけど。人外プレイをする層はそこまで多くは無いでしょうし」


「何というか、関わらないというか、分かり合えなさそうですね。人外でプレイしても楽しいんだろうか。楽しいからそう言う事をやっているんだろうな……。でも、ワールドクエストはどうするんです?」


「ああ、多分だけど、共通したものと、独立したものがあると思うわよ? 人外側でしか関わらないワールドクエストもあるはずだもの」


「だろうね。こっちだけを贔屓しないとは思うし。もし滅んでも、それはそれで運営としてはやることがあるだろうしね。まあ、流石に全文明を滅ぼしたら、何かとイベントがあるんだろうとは思うけど。でも、そんな事には普通はさせない訳だからさ」


「まあ、普通はそうですよね」


 なるほどなあ。人外プレイヤーが居るのか。だから黒陣営を用意してまでイベントに参加させているのか。ゲームの延命手段として取った選択なんだろうけど、それは本当に良いのかね? というか、異種族への転生ってそう言う事か。本来の使い方は何らかの方法で人外になるためにするのか。その方法が解っている訳ではないと言う事が問題なんだけどって事なんだろうな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ