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灰色の世界  作者: おかき
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入学式

この世界は不条理だ

欲しいものは願っても手に入らないし、努力して手に入れたとしても永遠に残るわけではない

『神様お願いします、何かの間違いであって欲しい』

2029年8月27日

激しい豪雨の中

『、、、あ、、、あぁ!!!!!』

路上で声にならない声で少女は1人泣き崩れていた

少女の世界はこの日を境に色を失った

2028年4月1日

空は晴れ、春の風が心地よく吹き抜ける、桜並木の道を1人の少女が歩く

そう、私、立花渚は今日中学生になった

校門をくぐり、クラス分けの掲示板の前に立ち自分のクラスの確認をする

『えーと、私のクラスは、、あった、1組だ!』

確認が終わり下駄箱に向かう途中、後ろから私を呼びながら走ってくる音が聞こえた

『おーい、渚ー』

と呼びながら私の肩に軽くこづいてくる、彼の名前は十村健、あだ名は健ちゃん、小学校から一緒である

『渚お前何組だった?』

『私は1組、健ちゃんは?』

『俺も1組』

『一緒だねー!、よろしく』

そんな何気ない会話をしながらクラスに向かう

教室に入ると

『おはよう、渚は今日も可愛いね』

黒くて綺麗な髪を撫で、挨拶をする彼女は幼馴染の

志村楓だ

楓は家も近く、幼稚園の頃からずっと一緒にいる私の、1番の親友である

『俺には挨拶ねーのかよ?!』

『あー、十村もおはよ』

健に突っ込まれながら少し気だるげに挨拶をする楓

2人ともいつもこんな感じだ

そんな2人を横目に私は席につく

ガラガラと扉が開く音がして先生が入ってきた

『よーし、皆席につけ』

先生が喋り始めるとまばらに散っていた他の生徒も席につきだした

『今からホームルーム始めるぞー』

今日は初日なのでホームルーム行い、授業の説明のみ受けて下校になる

『と、その前に皆んなに報告しなければいけない事がある、入りなさい』

先生が言うと1人の男子生徒が入ってきた

私は男子生徒を一目見た瞬間から何故か目が離せなくなった

特にかっこいいわけでも背がすごく高いわけでもなかったがそんな彼の事をずっと目で追ってしまっていた

『転入生だ、自己紹介を頼む』

『佐伯航と言います、よろしくお願いします』

『佐伯君は急な引っ越しでこっちに来たばかりだ皆仲良くしてやってくれ、佐伯の席は立花の隣だ』

そう言われた佐伯君は私の隣の席に座った

『私立花渚、よろしくね』

佐伯君は目を伏せながらよろしくと小さな声で言った

ホームルーム終了後、楓が来た

『渚、一緒に帰ろー』

『うん、いいよ』

私は鞄を持ちながら帰る支度を始めた

教室をでて、校門の前までくると大勢の生徒がいた

この時期は新入生に対して2.3年生の先輩方が部活動の勧誘を行っているらしい

私たちの学校は部活動の活動が活発で、地元でも有名だった

『渚は部活決めた?』

『私はバスケ部に入ろうと思う楓は?』

『バスケ部かー、私運動苦手だからなー』

『確かに楓あんまり体育とか好きじゃないもんね』

『吹奏楽部入ろうかなと思ってる』

楓は幼い時からピアノを習っていて音楽の才能がかなりある、幼馴染の私から見ても自慢の友達だ

『うん、いいと思う!』

そんな話をしていると健ちゃんがきた

『よ、2人とも部活決まった?』

『うん、私はバスケ部で、楓は吹奏楽だよ、健ちゃんはどーするの?』

『うーん、渚がバスケ部入るんだったら俺もバスケ部はいる』

『そっか、じゃあ一緒だね、がんばろ!』

それぞれ部活が決まった私達は入部の申請をする為に一度お別れした

バスケ部に着いた私と健ちゃんは用紙の記入をしている

そこに佐伯君がきた

『佐伯君もバスケ部?』

私は何気なく声をかけた

突然の声かけにびっくりしたのか佐伯君は最初答えてくれなかったが恐る恐る

『うん、小学校でやってたから』

そんな返答をくれた

佐伯くんは大人しいタイプなのかもしれない、私はそう思った

『すごいね!私もバスケ部なんだけど初心者なんだけど、これからよろしくね』

『うん、よろしく』

隣にいた健ちゃんも

『自己紹介まだだったよな、俺、十村健、よろしく!』

そうして、私達3人はバスケ部に楓は吹奏楽部に入った

私は今日から始まる新しい生活に心を躍らせた

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