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興味


「ボロボロな理由は分かりましたわ。とりあえず、着替えて来てくださいな。その格好では落ち着いて、お茶を飲めませんわ」


「そうさせてもらうよ」


「お庭で待ってますわ」



 ラクレームと別れて自室へ戻り、手早く着替える。ラクレームに怪我は無いと言ったが、服の下にはいつくか青痣が出来上がっていた。

 トルテとの修練はかなり痛い目にあったが、実践に近い形で高速魔法式を使うことが出来たので、かなり上達することが出来た。トルテとの修練は一度だけという約束だったが、今後も何か機会を設けて行いたい気持ちがある。剣技に関してはラティウス、魔法に関してトルテと修練をしていけば、実力を上げ続けることが出来るだろう。


 問題なのはグリオットとして二人に何かお願いするというのは難しいという点だ。

 仲良くしていいのであれば、仲良くなってから気軽に誘えるのだが、そういうわけにもいかない。

 着替えと簡単に手当をした後、庭へ行くとラクレームが椅子に座って待っていた。



「待ちくたびれましたわ」


「それほど時間はかかってないだろ」


「美味しいお菓子を前にして待つ時間というのは長く感じますの」



 そう言うトルテの視線先のテーブル上には確かに美味しそうな焼き菓子が並べられていた。



「この焼き菓子は私とお屋敷のメイドさん達で協力して作りましたのよ」


「ラクレームが作った……」



 見た目は美味しそうなのは変わりないが、ラクレームが作ったという事実を聞くと、急に不穏になってしまう。



「その反応は失礼ですわよ。ちゃんと皆で味見をしております。グリオット様に美味しくない物は食べさせられませんわ」



 それでも不安で俺は近くにいたクローセさんを含むメイド達に視線で確認をする。皆、俺を安心させるように微笑みを返してくれた。



「いただくとしよう」



 安心して席に着くと、クローセさんが俺とラクレームのカップに紅茶を注いだ。温かい湯気が立つ紅茶を一口飲むと、一息付けた心持ちになる。



「私ってそんなに信頼ありませんの?」


「貴族の子女が料理をするイメージが無いからな」


「確かにそれはそうですけど、私は興味があれば料理でも、なんでも行っていますのよ」


「なんでもか……例えば最近では何をしたんだ?」


「最近ですとそうですね。本当に直近ですと、お菓子作りになりますので、その前ですわね。古い文献の解読をしましたわ」


「お、お菓子作り以上にイメージがないな。文献の解読は専門家がやることだろう」


「興味が出たのですから、仕方ありませんわ。参考文献を取り寄せて行いましたのよ」



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