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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

 シークレット

作者: 春夏

 都会のビルの屋上に3つの影があった。

 

 月明かりでよく見えないが1つの影がもう一つの影に銃のようなものを向けた。

 

 その瞬間一つの影は、赤い血飛沫をあげ倒れた。


ーーーーーーー


 「お前たちの目的はなんだ?金ならいくらでもやるだから…」


 「それで?喋るのが遅い。はやく言って。」


  男の言葉を遮り少女がつまらなさそうに男に問いかける。


  「だから命だけは...お願いだ。殺さないでく」


  パアン


  男の言葉は最後まで続くことはなく額から血飛沫をあげた。

  

  「やめてよ。紫娟、私の服に返り血がついちゃう。」


  紫娟と呼ばれた少年?いや青年だろうか...少女に謝罪の言葉を口にする。


 「ごめんね。翠、服汚しちゃって。」


 「絶対謝る気ないでしょ。」

 

 翠と呼ばれた少女が不満げに言う。


 「ふふっ、私の中ではちゃんと謝る気があったんだけどね。」


 「絶対、嘘」


 カチャ


 2人が話しているとそんな音がした。


 周りを見ると銃を持った屈強な男たちが2人を囲むように立っている。


 そんな状況に紫娟は怯えるでも驚くでもなくいつもの笑みを崩さなかった。


 「驚いた君たちは一体いつからここにいたのかな?」


 「男を殺したときに気配はなかった。多分転移系の能力者がこの中にいる。」


 2人が冷静に相手の能力を見極める。


 どん、と音がした


 発砲音だろうか


 その瞬間、翠の頭目掛けて銃弾が飛来した。


 銃を発泡した男は自分らの勝利を確信し笑みを浮かべた。


 「ハハハ、俺等を前にして危機感を持たないとかどんな馬鹿だよ。てめえら学生だろこれが初任務か?残念だったな俺等が相手で。安心しろよ相方もちゃんとあの世に送ってやるからなぁ」


 「冥土の土産にいいことを教えてやるよ。俺のランクはA。他の奴らもBランクだ。」


 当の本人は焦るでも死を覚悟するでもなく無表情なまま男たちを見続ける。


 ググググ


 銃弾が翠の頭に当たる直前そんな音がした。


 その音の正体は翠が銃弾を握り潰した音だった。


 余裕の表情をしていた男たちの表情が一気に曇る


 「おい、お前一体どうやって」


 「簡単な話、私には銃を視認する動体視力があったそれだけのこと。そこまで驚く必要もないと思うけど。」

 

 翠は、簡単だと言うように男たちに自分が銃を握りつぶせた理由を説明する。


 「じゃあそろそろいいかい?」

 

 先程まで傍観していた紫娟が動き出した。


 ドサッ

 

 その瞬間男たちのうちの一人が音もなく倒れた


 男たちの顔がだんだん恐怖で引き攣っていく


 一人、二人、どんどん仲間が死んでいく。そして男だけが残った。


 紫娟は見惚れるような笑みを浮かべ楽しそうに面白そうに男たちに話しかける


 「君たちが教えてくれたから僕たちも教えてあげよう。」


 「何を...」


 「僕たちはXランクだ。」


 男たちは絶望した。勝てるわけがないと。


 Xランク能力者とはこの世界で最も強いと謳われるSランクその中でも最強格と言われるものしか名乗ることができない。それ以外の人間がXランク能力者を名乗ったらXランク能力者によって消される。


 つまりは、目の前にいる学生たちは...本当にXランク能力者なのだ


 「ハハ、勝てるわけがねえだろ。一番弱いやつでもひとりでも一国を滅ぼせる戦力。それが二人も...」


 それが男の最後の言葉だった。


 「想定よりも時間がかかったね。早く学園に戻らなくては。」


 紫娟は何事もなかったかのように、死体の真ん中にいる翠を呼ぶ。


 「翠早く帰るよ。」


 「うん」


 翠は男たちの死体を見ながら返事をする。


 そうだ、勝てるわけがない。Aランク能力者程度が。だって紫娟はランキング一位本当の意味で最強なのだ。同じXランクそれもランキング二位である自分でさえも戦ったら死ぬのだ。


 それと、男たちは勘違いをしている。翠たちは学園の関係者ではあるが生徒ではない。


 紫娟は学園長、翠は教師。紫娟はランキング一位を公表ひているため実力を隠す必要はない。だが翠はとある事情があり実力を隠している。だから紫娟は定期的に翠に学園の任務をさせる。今日の敵は弱かったが、いつもはもっと強い敵と戦う。そしてもしもの事態がないように紫娟が必ずついてくる。


 早く学園に帰らないと...寝不足になる。


 「翠」


 「何?」


 「いつもありがとう。君が私の相棒になってくれてよかったよ。」


 「急にどうしたの?いつもはそんな事言わないのに。」


 「なんとなく。」


 「そう」


 これが終われば翠と紫娟は教師と学園長の関係に戻る。少し寂しいがそれでいい。紫娟が表で活躍し翠が裏で紫娟を支える。学園に通っていた頃から何もかわっていない。


 ふと思えば翠はいつも紫娟に助けられてきた。今までずっと。生きる意味がなかった自分に生きる意味を与えてくれったのも、学園を卒業し自分を見失った自分を助けてくれたのも全部紫娟だった。


 これからも翠は紫娟のそばに居続ける。紫娟が望む限り。


 願うならずっとこのままでいたい。


 今日が終われば明日が来る。ずっと。死なない限りは。


 そんな翠を見守るように星たちはずっと輝いていた。


補足

 ランキングとはXランク二のみ存在する制度です。決闘を行い勝ったらランキングが上がり負けたらランキングが下がります。


 ランキングはここ数年変わっていません。その理由は決闘は基本誰にでも挑めますが例外が存在し一位に挑むには二位を倒さないといけません。二位である翠が強すぎて誰も勝つことができません。


 本編で翠は紫娟と戦ったら死ぬと言っているけど全然そんなことありません。10回戦ったら4回勝てるレベルには強いです。翠はそれに気づかず挑んでないだけです。

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