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召喚少女は魔王様?  作者: 橘可憐
未開の森
3/166

3 薬師complete


私は彼女に召喚されたのだろうか?

いや、きっと違う。そうだとしたら彼女が亡くなる前にそうしたはずだ。

でもまぁ、

彼女のお陰でこの世界のことが少し分かったのでそこは感謝する。


「ステータスオープン」


目の前に自分のステータスが浮かんだ。


名前  橘 葵

称号  なし

ジョブ 錬金術師3

レベル 1

ジョブ候補 薬師7 鍛冶師7 裁縫師5 魔術師6 魔法師4 魔導師8

固定スキル 生活魔法 鑑定

スキル 栽培 調薬 鍛冶 分解 付与 製布 縫製

    採取 精製 錬成 調合

    火魔法 水魔法 風魔法 土魔法 雷魔法

    回復魔法 間接魔法 聖魔法 闇魔法 

    無属性魔法★ 時空魔法 重力魔法


「まいったなぁ、こりゃダメだ・・・」


自分が引き継いだステータスを見て頭を抱えた。


私は元の世界ではそこそこのゲイマー

けれどソロプレイ好きのコンプリート派だった。

なのでこの何一つコンプリートされていない

手っ取り早く新たなジョブを手に入れるためにつつき回しました感満載

そんなステータスに頭がクラクラした。


スキルは経験によって上達し、

それによって新たなレシピも増えジョブのレベルも上がり

そしてジョブレベルがコンプリートされる。


新たなジョブを手に入れるためには条件がいろいろあるらしいけれど、

それにしてもどれもこれも中途半端なのは本当にイライラする。


取り合えずひとつづつでもコンプリートさせないことには

私の精神の安定が図れない。

どうせいずれなら今すぐじゃないと納得も満足もできず、

新たに進みだすなんて出来ない。

多少の無駄なんてどうでもいい、

すべては私のストレス回避のためにコンプリートさせるのだ。


と言うことで、まずはジョブを薬師に付け替えて

早速薬師のスキルを育てることにした。


外の畑に植わっている薬草の必要な部分を刈り取り

土に魔力を与え成長を促進し、

その後はその薬草を使って調薬していく。


他の素材はアトリエの棚にあらかた揃えられていた。

レシピはしっかり知識として私の中にあるので難なく作成していく。

傷薬 解毒薬 栄養剤 強壮剤 毒薬 痺れ薬 睡眠薬

とにかくひたすらひたすら、

来る日も来る日も薬草の栽培と調薬を繰り返した。


するとある日突然新たなレシピが頭に浮かぶ「魅了薬」

きっとたぶん薬師のジョブレベルが上がったのだろう。

早速覚えた魅了薬を作る、ひたすらひたすら作り続ける。

材料が続く限り作り続ける勢いで作る。


食事は台所の引き出しがアイテムボックスになっていて、

芋やキノコや肉などの食材と塩やハーブなどが備蓄されていた。

それを使って魔法で調理をしては今のところ細々食い繋げている。


たぶん贅沢せずに今の状況を維持するなら、

何年かは持つのじゃないかと言うほどの備蓄量だ。

しかし材料が限られているので当然作れるメニューもそう幅広くなく、

ルーティーンメニューになっているのが残念。


このジョブコンが終わったらいろんな美味しいものを食べてやる。

この世界のありとあらゆる美味しいものを食べつくしてやる。

新たな目標を糧にしてさらに栽培と調薬に精を出したのだった。


そしてまたまた突然新たなレシピを思いつく「自白剤」

何だか薬師にしては物騒な薬じゃないのかと

内心そんなことを考えながら。


薬師コンプのために自白剤の材料を確かめ栽培と調薬を繰り返す。


そう言えば栽培のレベルも上がっているらしく、

薬草の成長が目に見えて早くなっただけじゃなく、

その品質が格段に良くなっていて、

そのお陰で出来上がる薬の品質も当然良くなっている。

栽培できる薬草の種類も多くなり、

新たにアトリエにあった種を植えたりも出来た。


そして調薬を始めて2カ月と少し、

またまた新たなレシピが頭に浮かんだそれは「万能薬」とうものだ。

すべての病気や呪い以外の状態異常を治すことが出来る

と言うそれはそれは優れた薬だった。

材料を確かめると貴重な材料を必要としていたが

それらはすべてここに揃っていた。


早速万能薬の調薬を始める。

それぞれの材料を丁寧に粉砕し純水を煮立たせ、

魔力を注ぎながら材料をゆっくりと混ぜ合わせていく、

かなりの魔力量を注ぎようやく出来上がった深紅の液体、

冷めるのを待って小瓶に移し替え

日に透かして見ると神々しささえ感じるようだ。


ステータスを確認すると「薬師」の横にcompleteの文字。

疲れよりなにより嬉しさがこみ上げた。

じわじわじわじわと心の底からこみ上げてきた。


これまで作った薬の量もかなりのもので

薬局が開けるほどの大量だ。


一つをやり遂げた感慨に浸りながら少しだけ心が緩んだが、

これからまた新たな戦いが待ち受けるのだと気持ちを引き締める。


しかしまだまだ先の長い戦いを前に

何か自分にご褒美があっても良いのじゃないか、

たまにはちょっとゆっくりして

ちょっと贅沢をしても良いのじゃないか、

そう言う風にいろいろ考えてふと思いつく

お風呂に浸かりたい。


日々の汚れは生活魔法のクリーンで落としていたので

清潔は保たれていたが、

やっぱり日本人としては

お風呂に浸からないと気分的にさっぱりしない。

何となく疲労もすっきりとは取れていない気がする。

と言うことで今日はお風呂を作って入ろう。

そうじゃなきゃ次に進めない。


早速外に出て直径2mほどの木を伐採する。

そして一つは高さ1mほどで輪切りにし、

それを浴槽になるように中をくり抜き

水抜きが出来るように底に穴をあけ栓を作り塞ぐ。


残りの木は適当な大きさで角材にして適度に乾燥させて積み上げた。

もちろんすべて魔法を使って。


浴槽の設置場所には魔法で溝を作り浄化槽と繋いだ。

ちなみにこの浄化槽は元々あったもので、

そこに溜まった水にクリーン魔法をかけてから

畑の撒き水などにつかっている。


次にさっきの角材を使って

簀の子とイスと手桶を作り浴槽の脇に設置する。

周りに柵か小屋でも作ろうかと考えたが、

ここには結界が張られているらしく

魔物が入ってくる気配もないし

ましてや人の気配もないので露天風呂にすることに決めた。


浴槽にお湯を張っていくもちろん魔法で。

これで入浴剤があったなら完璧なのに

そんなことを考えてふと思いつく

ハーブと薬草を使って入浴剤を作ろうと。


確かスパなんかに薬草湯とかハーブ湯なんてのがあったはず。

良さげな効能の薬草や香りのよいハーブを粉砕し布で包みお湯に浸ける。


かけ湯をして湯船に浸かると

浴槽から溢れ出る滝のようなお湯が入浴気分を盛り上げる。

久しぶりの入浴に心も体も溶けていくようだ。


まだ日も高く辺りは木々に囲まれていて森林浴にはもってこいだが、

どうせなら雄大な景色の中で浸かってみたいものだ。

そんなことを考えながら絶景を見つけたら絶対に露天風呂を楽しもうと

またまた新たな目標を見つけながら心行くまでお湯に浸かったのだった。


ちなみに今のステイタス


前  橘 葵

称号  なし

ジョブ 薬師complete

レベル 1

ジョブ候補 鍛冶師7 裁縫師5 魔術師6 魔法師4 魔導師8 錬金術師3

固定スキル 生活魔法 鑑定

スキル 栽培★ 調薬★ 鍛冶 分解 付与 製布 縫製

    採取 精製 錬成 調合

    火魔法 水魔法 風魔法 土魔法 雷魔法

    回復魔法 身体魔法 聖魔法 闇魔法 

    無属性魔法★ 時空魔法 重力魔法



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