1/1
壱
小学校、中学校、高校、特に何不自由なく生きてきた。
大学受験で一度失敗したものの、なんとか一浪で大学に入学。
世間的に見ればいい大学じゃなかったけど、僕にしては、よく頑張った。
今日は入学式、これから始まる一人暮らしに僕の心は踊っていた。
「はいっ、じゃー写真撮るから!あーちゃん!」
「....写真はいいよ」
桜の前で写真を撮ろうとする母に嫌気が差す。
もう子供じゃないんだからあーちゃんて呼ぶなよ...もう...早く帰ってよ...恥ずかしいよ...
思っても口には出せない。きっと母は嫌な顔をするだろうし...
「じゃあもう撮らなくていいよ!!」
「なんで写真すら撮れないんだっ」
「父と母」僕が叱られる時、どちらか味方してくれたことがあっただろうか。
必ずと言っていいほど母は父の見方をする、父は母の味方をする。
悪者はいつも僕。
こんな家族でも、僕の家族。