#6 世から離れて生きていれば世間知らずになるよね
青髪女の子ってエロ同人でもコーフンするよネ。清楚な顔して大胆な事をする子ってコーフンするよネ
次回は同日12時でーす。
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流石に日が暮れた騒動の後、旅の疲れと泣きつかれたネイア姫とシャリーゼそのままゲストハウス兼、オリマー宅へ。オリマーはガラム宅へ。急な賓客の襲来は突飛な物だった。
その翌朝は異様な朝食だった、一国の姫さまも上品ながら下々の我々と同じ食べ物を食べていらっしゃる。美味しいとかマズイとか言えない、兎も角空気が重い・・・重すぎる・・・。
「ごちそうさまです・・・では・・俺は日課の仕事を・・」
この空気を打開するために一番いいのは逃亡である。私は日課がある、鍛錬がある。この問題は父さん達と彼女達の問題だ・・・。
しかーし空気をぶち壊す者が居た、シャリーゼというお供の女騎士だった。
「朝の務め!!片付けましたぞ!!!エルシャ様!!」
「ご苦労様、流石王宮騎士の親衛隊。素早いお仕事です。」
「いえ!!王宮の仕事に比べたら勇者一行の小間使い・・・大変名誉です!!」
てんめぇ・・・何俺の素晴らしき逃亡計画をぶっ壊してくれんだぁああ???お母さん?なんでぇ?なんでぇ!!!!
「御子息殿!!食器の片づけは某にお任せを!!」
「ええっと・・・」
俺は流石に母の顔を見る、こっくり頷いて。
「ではよろしくお願いします、シャリーゼ殿。」
「シャリーゼとお呼びください!!御子息殿!!」
部外の人間とのぎこちないやり取りする、そんな光景を父ラグナはクククと苦笑する。クソ親父。初めてそう思った。
アラヤットからやって来た、ルイーンも含めた会議が始まった。
「レージ・・・貴方も聞きなさい」
母の言葉には従えない・・・。そしてぽつりとネイア姫が世界情勢を語り始める。
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世界は平和とは裏腹に混迷と迷走になっていった、平和というぬるま湯は愚王の悪政と采配は根を張り。勇者一行の追放を利用し、何と自身の血縁者を勇者に仕立て上げた。父方の血縁者達がゲルニカを討伐した勇者だと御触れを発した。
「うえ・・」
とアーシェさんがその偽物の似顔絵を見せた矢先に吐き捨てた。どう見ても悪人面だ・・・。俺も見たが何じゃこのくしゃげ面の面々は、ウワー気持ちわりぃー・・・。前世の俺といい勝負だぜ。
勇者と語るド阿呆共はいささかの遠慮と言うのを知らずイキリ散らす有様。名ばかりの勇者。勇者の名前を地に落とすつもりか?目的はイマイチだ。ネイア姫も目的が分からないと首を振る。理解できない事を理解しようとはしてはいけない。
一方で亡きゲルニカとは異なる魔族の一派が着々と根を広げた。彼らは知的な奸計を起こす。それは強烈なパンチの効いた奴をな。
「それは魔皇竜ゲルニカを名を使った魔皇都ゲルニカ帝国です・・・。」
「なるほど、偽の勇者にとってこれほど絶望的な名前は無いな・・・ざまぁないぜ?・・おっと失礼・・ネイア殿、大変失礼な発言をして申し訳ありません・・。」
サークは失笑とその謝罪をする。心底ザマァって思っているのか、どれだけ酷い目にあったんだ?聞くのが怖い。
「構いません・・・当然です・・・。この名を聞き及んだ祖父は狂いました、発狂とも言って良いでしょう。討伐した貴方がたを虚言癖と罵り、人間不信を拗らせ・・・。国務を放棄し停滞、最大の問題点である偽勇者の横暴は歯止めがかからず放逐状態し、貴族達とギルドの面々は身の保身の為に、責任のなすりつけ合い。行き場の無い状況で偽勇者の面々を撤廃するために最悪の一手を・・・それが・・・機密としていた勇者追放の一件の公表です。」
あらら~かーわいそー・・って言えない。何せ身内の問題だ・・・ん?皆さんツーンとしていらっしゃる。ザマァとも言わないしあの毒舌アージュさんも黙っている。
・・・少し考えた、あ・・・マズいんじゃね?ネイア姫が続ける。
「かろうじて止めました・・・それも我が母が。そんな事すれば・・・魔族の思うつぼ・・・世界の終わりです。」
「そんな事をバラしたら大変ですものね・・・。魔族にとってうってつけの情報を・・・。」
「流石ネージュ様、あいも変わらずの切れ者でいらっしゃる・・・海よりも深き知性のお持ちです。」
母と父が口を開いて、その言葉に涙腺を緩めてしまいシャリーゼに宥められるネイア姫。
そうだった・・・魔族は着々と戦力を固めてるからな・・・。連中が動き、攻めたら完封、完全敗北必須。・・・迂闊だった俺もまだまだだな。しかしこの子、行政や状況の見解って言うのに造詣が深いな。美人で聡明、中学時代にいたねこう言う子。
「前々から母が最悪の事態を予期しましたそれは・・・貴方がた勇者一行の喪失、彼らがもし世捨て人となり。非協力的になれば・・・そう考えて母が音頭を取り、着々とある地方都市を元に組織を造設したそうです。」
ネイア姫の言葉に沈黙する。ある組織?都市?・・・言葉をつづけた
「それは若者たちが身分、出身地関係なく、魔導師、戦士、騎士の三職を基本専門とし。対魔王軍に打ち勝つ多国籍軍勢を育て上げる教育機関、それを一つの都市に集めたのです。レイグローリーと言う都市です」
レイグローリー・・・?ふーん・・・学校みたいなもんかな?
ネイアの言葉に耳を傾ける。
「・・・元は古代の防衛要塞。表向きは戦略的な意味合いが薄く、どの国家も放逐していました。それを母が再建し20年ほどかけて積み上げ育ててきました・・・。」
「・・・水を差すようだが、それには無理だ・・・なんせ教育者も資質者も慢性的に不足している。それに大半剣術連中はほぼ我流、マトモな熟練者は四大源流の一つか二つがやっと、粗削りなモンよ?」
「魔法だって幼少期からの継続的鍛錬を要するわ。魔脈の育成は簡単じゃないの・・・」
「さらに騎士と言えどもその両方を極めた稀少な身分、そんな人材が稲畑の如く育てられるモノではない・・・」
父、母、サークが次々と問題点を指摘し口を並べる。その問題点にアーシュさんが答える・・・まぁ予測の域だがと前もって。
「なるほど・・・そこがネージュ様のお考え・・・ひょっとして今の時世を見越し、前もってあぶれた者共を事前に引っ張り込んでいったのではないか?ローレライ国からの離反を見越して、前もって息をかけて居れば良い。」
「フム・・・そうなると昨今の国々の状勢をうまく逆手にとった策ともいえる。なんせ現在の我々の動きを見越した御仁。流石ネージュ様。・・しかしお辛いでしょうなぁ・・・心中お察しします・・・。」
ガラムが納得し、流石ネージュ様の略、流ネをかます。
それに続いてネイアが頷く。
「そうです。皆さんのご推察通り、母は貴方がたの現役時代から、私が幼かったころから。優秀な猛者たちを事前にリストアップし、前もって話を振っていたのです。それが的中し・・・滞りなく進んだことに、母は本当に辛そうな表情を浮かべました・・・。」
辛い沈黙だ・・・。父や母、サークやアーシュ、ガラムにオマリー、ルイーン。シャリーゼさんも。誰も彼もが信用できる人なんだ。
しばらくの沈黙の末にオマリーが口を開いた。
「教えてください・・・なぜあなたが自決せねばならぬほどの行いをしてまで我々を奮い起こそうと?」
そう言えばそうだった、今の状勢から聞けば、それは不釣り合いだ。
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「それは・・・」
改めて神妙なネイア姫。
「ゲルニカ帝国の動きは魔族の派閥とは一線を異なる一派が主だと話しました。彼らは非常に組織的行動を行う様になっています、魔獣の大量投入、人為災害の行い。魔族の中でも重鎮と言われる者共が・・・人々の前に幾度と無く現れる様になりました・・・。彼らは結託と連携を以て現れました・・・」
んん?想像が付かない・・・。魔族の上位?魔族の貴族みたいな連中だろうか?
「ゲルニカも知恵を持つ悪竜だった、彼は単独だったが・・・組織となると厄介ね・・・搦め手の類だったら猶更・・・。小さい村々を死人にする事なんて当たり前。何度か木っ端貴族クラスと相まみえたけど・・・。」
アージュが神妙な表情で語る。彼女は医者だ、だからこそ命ある者の介錯が辛いのだろう。苦痛からの解放・・・俺はそれを身をもって記憶している。
「ゲルニカっていう名前だってそれよ、ローレライが発狂して雪崩の様にボロボロ。ローレライ王国の体裁は形だけ・・・。実際、この目で見たけど。あの状態は内外の人為的な行いも・・・。この数年は酷いもんさ、目に見えてわかる。」
ルイーンがローレライの実情をぼやく、唯一外界の熟知を知る。
ネイアが悲痛な訴えを上げた。
「どのような形でも構いません!!魔族の活性化は日に日に強くなっています!勝手な事とお思いでしょう。当然です!!勇者一同の皆様方に再びこの世界の危機にたってもらいたいのです!!お願いします!!」
彼女の懇願は命がけだ手ぶらでは帰れない・・そう思うと、今できる事・・・。
「この気持ちを汲んでやっても良いと思う、俺は部外者だ・・・・父さん達がどれだけ酷い目にあったか分からない・・・でも・・」
「・・・父さん達の大恩人のネージュ様を助ける名目で動いたっていいんじゃないかな・・・?」
俺は勇者一行とかそんなのは関係なかった、父さん達の顔に泥は塗りたくない。前世で残した親不孝の慙愧だった。
シャリーゼとネイアは驚いていた。
俺の的外れな屁理屈に、父さん達はお互い顔を見合わせた・・・・。
ん?今なんでもするって言ったよね? そんな訳で語録が出ました。主人公はほもじゃないよ?転生者だよ?よーろーしーく
次回は同日12時でーす。