2話 魔法陣の上に女の子
夕凛:少しくせっ毛のある黒よりの茶の色。目は赤色で目元に2つの魅力的なホクロがある。筋肉質な男性らしい美男子の肉体と背中に大きな傷がある。
桔梗:肩につくかつかないかくらいの白髪。前髪はセンター分けで目は紫色。色白で細身ながらも魅惑的な体。
「あーさみぃなー.......もう日が暮れちまう。」
「今日のゴミ捨て当番は夕凛ゆうりん兄さんですよ。なんで僕まで.......」
町から離れた場所にあるゴミ捨て場。冬の時期なんかは特に寒いため日の出ている昼に済ませておくのがこの町じゃ常識だ。しかし今はもうとっくに日が沈もうとしている。
朝はパラパラと降っていた雪も夜が近くなるにつれて強くなる。だからみんな寒いのは嫌だから昼に捨てに来る。
「こんな吹雪の中ゴミ捨てに行くなんて最悪です。僕今日当番じゃないのに.......」
「いいじゃねぇか。昼に起きたらご飯食べてゆっくりすりゃあ夕方になる。ならごみ捨てに行くのは夕方になるってもんさ。」
「兄さん。夜が忙しいのは分かっていますがせめて昼ごはんの時間には起きてください。」
「へいへい。ん?.......ありゃあなんだ.......?」
男二人はゴミ捨て場につくと奇妙な光景を目の当たりにし、ゴミを抱えたまま棒立ちしてしまった。
「夕凛兄さん!これって.......」
そこには女の子一人分寝れるくらいの大きな円とバツ印。その線は白く光り、その中央で女の子がばたりと倒れていたのだ。そして驚くことにその円の中だけ不思議なことに雪がひとつも積もっていなかったのだ。
2人は急いでゴミを放り投げ、夕凛は女の子を背中に抱えようと円の中に片足を入れた。すると夕凛という男性は先程まで急がせていた足をピタリと止める。
「どうされました?」
桔梗は自分の兄の様子がおかしいことに気づき問いかける。すると夕凛はこっちに来てみろよと手招きをし、不思議に思いながらも呼ばれるままに円の中へ足を踏み入れる。
すると次の瞬間
「な、なんですかこれ!」
踏み入れた足がポカポカとしたではないか。雪に埋もれた足は当然冷たい。自分の足がとうとうおかしくなったのかと疑いながらももう片方の足も円の中に入れる。するとやはり確かに温かいことが確認できた。
「桔梗.......こいつは魔法陣だ.......」
夕凛はのどをごくりとうならせ唾を飲み込む
「ま、まま魔法陣ですか!?なんでそんな高価なものがこんなゴミ捨て場にはられているんです!」
桔梗は自分の踏み入れた円内が魔法陣だと気づくと恐れ多いと腰を抜かして後に倒れた。当然雪が積もった後ろに倒れたためお尻はひんやりとする冷たさだ。
「理由は分からねえがこれを作ったのはお貴族様に間違いねえ。なんたって魔法はお貴族様しか使えねえんだからな。」
「それはそうです。じゃあこの女の子は貴族の子.......ということでしょうか?」
「おそらくそうだろうな。血縁的によろしくなくて隠すために捨てられたとかその辺だろう。あんまり俺ら平民が入っていっていい場所じゃないぜ。」
「そうですね.......。」
2人は納得したところで女の子を背中に抱え、自分達の宿へと連れ帰った。
いよいよ宿につきます。自己紹介しなくちゃ!主人公の名前まだ名乗ってませんよね笑
次回ちゃんと名乗ります。