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絵描きの願望!イラストレーター魔術の世界を作り上げる  作者: あんよ
第1章 ようこそ兄弟
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1話 ゴミ捨て場に捨てられるなんて


「よし!!かけた.......!!」


春休みに入って去年と同様にダラダラと床に寝転がり、スマホに指で絵を描く毎日をおくる私。iPadを買ったりもしたが寝転がってかくにはやっぱりスマホで指描きする方がいいことに気づきそれからずっと指描きだ。



「母さんと私は出かけてくるからお姉ちゃん1人だからもし電話や郵便が来たら受け取っておいてね!」


「はいはい」


そう言ってバタりとドアは締まり私は家でお留守番になった。暖房の効いた部屋にカーペットMAXヒータ。コタツも完璧。私はごろりと横になり最高のポジションで寝転がってふたたびお絵描きに戻る。


暖かくて心地よくて、私はうとうとと.......そして気づくと眠ってしまっていた。








.........................





あーよく寝た。私はふぁ~と大きな欠伸をした。すると全身ぶるっと背筋の凍るような寒い風が頬にヒヤリと当たる。


は!?寒い寒い寒い!!!何事!?驚いてパチクリと目を開ける。すると私は部屋どころか外にいる。というかここはどこだ??


ムクリと体を起こし周りを見ると周りは何故か雪がパラパラと降る雪景色。そして横には生活廃棄物が積み上げられている。寒さで鼻が死んでいるのか全く匂いに気づかなかったが臭すぎる。


自分の足元を見ると泥だらけで、私の足は裸足で泥や土でとても汚く何故か私の足はとても小さかった。


「え?これ誰の足.......?」


いやまさか、そんなはずはないよね?何かの間違い。いや、何かの間違いでこんな冬にゴミ捨て場に捨てられるなんてどんな間違いよ!!酷すぎるわよ!しかし確認するしかないのだから仕方ない。私はおそるおそる自分の手を見る。すると青白く土だらけの小さな手が見えた。一体誰の手だとはもう言わない。これはきっと私の手だ。


「そんなことある?どうしよう」


私は悟った。たぶん私は若しかしたら死んだのかもしれない。おそらくカーペット&コタツでぬくぬくとそのまま寝落ちをして、脱水症状から脳出血で亡くなったのだろうかと思う。まあよくある交通事故転生よりかはまだマシなのかなって思う。


「けどそれはそれ!これはこれよ!寒い寒い寒い!!!」


周りを見ると何も無い。ゴミ捨て場があるから町があるのだろうけど当たりには町がない。というか空と地面と雪しかない。臭すぎるから町から遠いところに捨ててるのかな.......なんでよ!私を産んだ方!!お子さんゴミ捨て場に忘れてますよ!私死んじゃいますよ!?


私もしかしてこのまま死ぬのかな.......そう思うともう目を開けていることすらくだらなくなった。もう一度死ぬのかな.......こんなに短時間に2回も死ぬなんて私なんて運のない人間なんだろう。


「あーあ、どうせ転生するなら魔法とか冒険者ギルドとかワクワク展開経験したかったよ.......」


そう自分でこの世界にもう既に呆れながら吐いた言葉だけどこの世界にそもそも魔法ってあるの?いや、あっても詠唱方法も知らないから唱えられないじゃん!詰んでるよ!!私の2度目の人生詰んでるよ!!


「あぁ、あったかいところで絵を描きながら死んだままの方がまだましだよ.......」



そう、あたたかいところで絵を描いて死ぬなんてなんて素晴らしいんだ!私の好きなもので死ねるなんて.......今は寒いし絵も書けないし最悪だけどね!


「いや、絵ならかけるんじゃ.......?」


そうよ!絵ならかける!!パラパラと雪の積もる地面に捨てられた私の近くにはゴミ捨て場に溜まった泥がある。私はその泥を絵の具のようにそこに自分の人差し指を付けて泥をねっとりと付ける。


雪が若干積もる雪に泥をつけようとしたが雪だとうまく泥がつかない。


私は手で自分の雪を避けて土だけにした。今度はかける。私は泥のついた指でまず四角形をかく。


「最後に死ぬならあったかいフカフカのクッションがいいな」


私が入るサイズの大きな円をぐるりと描いてゆく。泥がなくなればふたたび付けて、そしてまた描く。ようやく円を一周描きおわり、最後に家にあるクッションと同様ばってん印をつけた。するととどっと眠気が舞い込んできた。


「あぁ、もうだめ.......」


「おやすみなさい.......」



バタンとその場に倒れてしまった私はちょうど描いた円のど真ん中。そんなことはどうでもいい。最後に絵を存分に描いて死ねたらよかったな.......あんな円を描いただけじゃ満足出来ない。絵を描きたかった.......




まぶたは重くなってゆきぐらりと来たその衝動に身を任せ私は深い眠りに入ってしまった。

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